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【エッセイ】平和な世界「猫ミーム」(1100)

猫ミームという流行りの動画群をご存知だろうか。私もnoteのみなさん同様そんなにネット動画を観ないのでつい最近まで知らなかった。一ヶ月ほど前、YouTubeのショート動画を流していたらやたらたくさんふざけた猫の動画がアップされていることに気づいた。そのことを娘たちに訊いてみた。

「あの猫がハッピーハッピー言ってる動画なに?」

「猫ミームやで」

猫ミーム?はて?

Z世代の彼女らは我が流行の羅針盤である。流行りのことはなんでも知っている。親としては感心していないで動画ばかり観てないでもっと有効なことに時間を費やしなさいと言うべきだろう。しかし、ひょっとしたらたくさん動画を観て将来大物ユーチューバーのプロデューサーになる可能性もあるので放っておく。勉強ばかりが人生ではない。私は中学高校と勉強しかしてなかったけれど、大した大学にいけなかったし大して稼げてもいない。稼ぐばかりが人生でもない。何が言いたいか。人生いろいろ。

さて、この猫ミーム。実に面白い。気になった方はGoogleかYouTubeで「猫ミーム」と検索すればたくさん出てくる。

猫ミームにはほぼ決まった筋がある。

①ハッピー猫

ハッピー猫

ハッピーハッピーハッピー♪という陽気なメロディに乗せて、日常のたわいのない幸福(こどもが友だちと遊ぶとか若手社員が同期と飲みに行くとか)をこの猫がぴょんぴょん飛び跳ねて表現する。

②Huh Cat

Huh cat

タイミング悪く母親や上司から小さな幸せを妨害する理不尽な言いつけや要求をされる。心の声としてこの太っちょの猫が「はぁ?」と言う。そして理不尽な言いつけや要求を無視して目の前の刹那の幸福に興じる。

③説教猫としょんぼり猫

説教猫としょんぼり猫

当然、母親や上司に説教される。
説教猫が威圧的な声で「ミャアミャアミャアミャアミャア」と言うとしょんぼり猫が一言打ちひしがれた声で「ミャア」と言う。

いろんなバリエーションや別の各種猫(や山羊)が登場するがオーソドックスなものはこんな感じだ。

猫の素材は全く関係のないシチュエーションでの各種SNSのショート動画の切り抜きである。猫のかわいらしさとストーリーの滑稽さ(罪のないものばかり)で癒される優しい世界だ。

こう言う日常をおもしろおかしくストーリーにした動画の主流は数ヶ月前はイラスト屋のフリー素材で表現したものだった。それがほぼ全て猫ミームに入れ替わっている。流行の移り変わりのスピードは日進月歩どころではない。秒進時歩だ。

しかし、あれだ。こんなくだらないものが流行るなんて日本って平和だとつくづく思う。いつまでもずーっとこうやってくだらないものが流行り続けることを切に願う。

合衆国の庇護のもと・・・。

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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