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【エッセイ】宝石よりも研ぎ澄まされた言葉(500)

初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。

ヨハネの福音書 1:1

今朝、カーラジオを聴いていると桑田佳祐さんの「白い恋人達」が流れた。言わずと知れた名曲だが今更ながらにその言葉のチョイスが素晴らし過ぎて震えた。

♪外はため息さえ凍りついて♪

桑田佳祐「白い恋人達」

「ため息さえ凍りつく」とはなんともステキな表現だ。こんな表現はなかなかできるものじゃない。

その言葉ひとつでいろんな想像ができる。

実際に恐ろしいくらいに寒かったのだろう。歌の主人公は昔の恋人なのかつい最近別れた恋人なのかはわからんがとにかくかつて愛し合った人のことを深い傷心を伴い思い出している言葉が続く中に「ため息さえ凍りつく」。

その哀愁に思わず涙が滲みそうになる。

どんなに映像技術が発達しようともなぜ本が無くならないのか。それはたったの一文に人は強く心が惹きつけられるからだ。

たった一文。たったの一文でいいから。桑田佳祐さんみたいに100万人以上の人に届かなくてもいいから。誰かひとりの心に染み渡る文章が書けたら。もう私はそれだけでいい。十分過ぎる。

そんな言葉を紡ぎたい。私はそのためだけにnoteを書いているのだ。


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