【エッセイ】小学校時代に受けていたイジメの話(1300)
私は小学生高学年の時に同級生からイジメを受けていた。
なぜイジメがはじまったのか。
はっきり覚えていないが、考えられる理由は以下の3つ。
1.変わった性格
2.肥満体型
3.特徴のある容姿
動物の世界にもイジメはある。ゲージに閉じ込められたニワトリは序列が生まれ上位は下位を突っつくらしい。カワイソーなのは最下位の個体だ。中に100羽いたら99羽から突っつかれてボロボロになって絶命するという。
当時の私の心はその最下位のニワトリと同じだった。40人の学級で直接手を下していたのは10人ほどのクソガキどもだったが残りの30人は誰も私を助けてはくれなかった。
高校生物で上記のニワトリの「突きの関係」を学んだ時、私をいじめていた小学校の同級生たちはニワトリ同等の知能しかなかったんだなと思って哀れに思い自分を慰めたのを覚えている。
今思えば、当時の私はなぜそこまでになるまで問題を放置していたのか謎だ。親に相談すれば済んだ話である。しかし、こどもながらの心理としては親に知れたら怒られるとなぜか思っていた。悪いのは圧倒的にいじめていた連中なのに。
しかも、教師もそのイジメに加担していた。
容姿のイジメで西郷隆盛に似ているってからかわれていた。
それがすごく嫌だった。担任もそのイジメの現場にいた。私はそんなことを言われて嫌だと教師に連中の前で訴えた。その時にヘラヘラしながら教師が放った一言に絶望した。
「歴史上の人物に似ていていいやん」
『こいつ、ぶっ殺してやる』とマジで思った。当然イジメはそれで若干加速した。教師公認の西郷隆盛ということになったからだ。若干だった理由はその教師の人望が皆無だったためだ。当時も薄々感じていたが今ならはっきりわかる。その教師は私へのイジメを認識していた上に大したことではないと侮っていたのだ。あるいはイジメを対処するのがめんどくさかっただけだったのだろう。
その時に教師が取るべき正しい行動は私を助け、イジメている連中をボコボコにすることであったはずだ。
その時のイジメのことは今となってはどうでもいいし、何とも思っていないがこどもだった私からしたらかなりの死活問題だったようだ。心は大きく傷ついていたらしい。中学高校時代はテレビを観てイジメの問題がクローズアップされる度に目を逸らしていた。西郷隆盛が出てくると嫌な記憶が蘇った。トラウマだったのだろう。
最終的にイジメを解消してくれたのは2学齢下の弟だった。弟と私のイジメの主犯の弟が友だちで話を取り持ってくれた。ありがとう。
イジメが原因で結果的によかったことがひとつだけある。
イジメはなくなったが、私はイジメから逃れるために私立中学受験を目指していた。逃れるためにはじめた勉強だったが、親にはそんなこと打ち明けられず結局そのまま勉強を続けてなんとか合格できた。それが遠因でそこそこの国立大学に入学できた。そのまま公立中学高校に進学していたら中々いけるような大学ではないってことだけ伝えておく(今年の3月下旬のWAGATOUKOUをみればどこの大学かはわかる。不名誉な事実からだが)。