芸術を通じての友
現在のウクライナの情勢は戦争が起こるかも知れないとニュースでも取り上げられているから、ウクライナが大変なことになっている、ということは、誰もが知っていると思う。
私がアメリカに当時住んでいた時に仲良くなった1人が、ウクライナ出身のとある少女だった。彼女は私と同い年の同級生で、1年の交換留学でアメリカに来ていた。
私のバレエ公演も観に来てくれて、ウクライナはバレエが盛んであることも教えてくれた。確かに、私の知っているバレリーナの中にもウクライナ出身の有名なダンサー達がたくさんいる。バレエを習っている人なら誰もが知ってるアリーナ・コジョカルさんやウラジーミル・マラーホフさんも、ウクライナ出身の世界のトップバレエダンサー達だ。
だから、ウクライナは私にとって憧れの地である1つで、遠いけれど近い、親近感のようなものがあった。他国の人が日本のアニメやポケモンゲームを通じて、日本人と仲良くなったりするのと同じ感覚だと思う。
私と彼女が仲良くなったきっかけは、ピアノを通じてだった。
一緒にピアノの科目を履修していて、毎日ピアノを弾いて楽しんだ。2人とも同じ曲をたくさん弾いた。ピアノを習っていることがこんなにアメリカで役立つとは思わなかった。私たちは、ショパンやハチャトゥリアンの曲を2人で競うように弾いて
日々音楽を楽しんだ。
芸術を習っていて思ったのは、芸術を通せば本当に国境がないんだと、しみじみと感じた瞬間だった。
その1年後、彼女は祖国に帰った。それから今でも、あの子供の時のようにやりとりしている。
そんな彼女からの一通のメール…
今大変な状況になってて。家族もみんな怖がってて、私もどうなるか恐れてる。
でもあと3年で医者になれるから、頑張りたい。
どうぞ何事も起こらず、無事でいてほしい。
また会える日を信じています。
私の友へ