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国語教科書の中にある物語

学校の教材として使われている「教科書」。
私は特に「国語」が好きだった。なんでかってゆうと、なかなかおもしろい話がたくさん読めたからだ。
「世の中にはこんなおもしろい話がたくさんあるのか。私は全然知らないな。」って思った。

小学校から高校まで、どの時期のお話しだったのかまでは覚えていないが。私の記憶に残る、印象的だったお話しをまとめてみる。

記憶を頼りに書くので、細かな間違いはご愛嬌。


1.花いっぱいになあれ

花の種をつけた風船を、子どもたちがたくさん飛ばしたとこから物語は始まる。「世界を花でいっぱいに」との思いを込めるのだ。
その中の、一つの風船を手にしたのはキツネの「コン」だ。こやつがまた可愛い。挿絵も可愛かった。

コンは、風船を「花」だと勘違いして土に植える。ジョウロで水をあげる。
ウキウキしたコンの描写がすこぶる可愛かったのに、当然だが風船はしぼんでしまう。ちゃんと育ててたのに、可哀想。
「コンは、わぁわぁなきました。」
と書かれた文と、風船を握りしめながら泣く挿絵が可哀想で可哀想で。胸がぎゅうっとなった。

しかし、植えられた先には花の種がついていたのだ。コンは知らず知らずに種を植え、水をあげて育てていたおかげで、大きなヒマワリとなる。

最高のハッピーエンド。もう泣いちゃう。
確か、花が終わって種ができて、それを食べたら「こうばしくておいしかった。」ってなったはず。
「ヒマワリの種って食べれるんだ…」と、私は学習した。


2.盆土産

たぶん、東北の田舎の話。
東京に出稼ぎに行っているお父さんが、お盆休みに帰省してくるのだが、その時にお土産として「エビフライ」を買って帰ってきてくれる。
主人公は男の子で、姉と二人姉弟。あと、確かおばあさんがいた。

エビフライは冷凍の物で、夜ご飯に油で揚げて揚げたてを食べるのだが、かじった時の
「しゃおっ」
という効果音の描写がすこぶる良かった。読んでるだけでヨダレがじんわり出る。この効果音だけで、飯が3杯いけちゃう。

「〝じゃっこ〟でねくて〝ざっこ〟」ってセリフや「えんびフライ…」ってセリフも印象的だった。訛りっていいよね。

3.チックとタック

ボンボン時計に住む、二人の小人の話。
おじいさんだかおじさんだかが、寿司を食べ過ぎて夜眠れなくて。そしたら小人が時計から出てきちゃって、おじいさんが寝たフリするの。

挿絵のお寿司が美味しそうだった。食べ切れなかったからって残してあるんだけど、結構いいネタが残ってて。贅沢なじいさんだと思った。だって、眠れないほど既に食べ過ぎてるのにさぁ。

じいさんにイタズラしようとしたチックとタックが、寿司を見つけて食べ出しちゃうんだけど、ワサビを食べちゃって大変な目にあう。
「からい〜!!」
「く、くちに火がついたぁ〜!!」
って確か言ってた。
へー、ワサビってやっぱ辛いんだなぁと思ったよ。


4.うみをあげるよ

男の子の大好きな青いタオルケットが、ベランダに干してたら風で飛ばされてちゃって。
でも外が大雨で探しにいけなくて、男の子はべそべそ泣いてるんだよね。「あれがないとお昼寝できない」みたいな事を言いながら。

そしたら、その間にカエルの兄弟が落ちたタオルケットを「海」と勘違いしてめっちゃ気に入っちゃうの。

挿絵が我が家にあった「いま、なんじ」の絵本と同じ絵だった。
描いていたのは「ひみつのかたつむり号」とかの挿絵も描いていた「村上勉」さんでした。
鮮やかな色づかいが結構好きだったなぁ。

タオルケットの上でカエルの兄弟は、葉っぱの船に乗ったり釣りをしたりして、なんかめちゃ楽しそう。確か、ホタルとかくっついて光ってたりして、すごく綺麗だった。

最後に、男の子はお母さんと一緒にタオルケットを見つけるんだけど。楽しそうなカエルを見て持ち帰らずに「あげるよ」って言うのが良い。
しかも、カエルには気付かれないようにする。

男の子が成長した瞬間。そして、タイトル回収の小気味良さ。唸るよねぇ。

5.クロスプレー

絵本作家、五味太郎さんのエッセイ。
私はこれを読んで、初めて「エッセイ」なる物をちゃんと認識したと思う。「本当に体験した話なんだ…」ってのがなんだかワクワクした。

挿絵はもちろん五味さんで。白黒だったのに、五味さんのあのテイストでちゃんと描かれていて、とっても良かった。

五味さんが少年時代、草野球をやって遊んでいたときの話。
アンパイアを毎回大人に頼むんだけど。ある日、野球が好きそうな若いお巡りさんに頼んだら、めっちゃガチ野球男で。

熱く指導を始めちゃったりするもんだから少年はちょっと困惑しつつ、でも野球をしながらお巡りさんをやっぱり「できる人」って感じる描写が良い。

「キャッチャーミットが僕の横っ面を叩いたとき」
って表現が、躍動感溢れていて、なんか好きだった。

結局、この話が収録された「ときどきの少年」っていう五味さんのエッセイ本を後で買ってしまった。
私が生まれて初めて買った「エッセイ本」だよね。

ってな訳で。
思い出される話はまだまだたくさんあるのですが、今回はここまでに致しとうござります。
(武田信玄チックなシメ)

また次回。


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