アフリカチビネズミを飼育したい人が知るべきこと
注意:この記事の内容は個人的な価値観で構成されており、全ての飼育者へ推奨するものではありません。
1)基本情報
本種はアフリカの乾燥地帯に生息しており、巣穴を掘って集団で生活をしている。
主食は穀類や野草、稀に小型の昆虫も捕食する。
強いストレスを感じたり、天敵から逃げたりする際には跳躍を行う。身長の10倍以上の高さまで跳ぶことができる。
2)道具
市販されている金網ケージは目が粗く脱走される為、プラケースかガラス水槽が良い。
1匹飼いならプラケ大。2匹以上は特大。
ジャンプ力が非常に高い為、蓋が無いと脱走される恐れがある。
また、蓋があってもメンテナンスの時などに脱走される恐れはあるので、背の高いケージが安全。
脱走されると捕獲することは難しく、生きて再会できないと思った方が良い。
市販されている木や紙のチップ、砂など何でも良い。
トイレは基本的に覚えず、定期的な床材の全交換が必要なので、自身の経済状況に合ったものを選択すると良い。
大ジャンプ後の着地で脚を痛める可能性があるとのことなので、柔らかい素材を選んでも良いかも。
穴を掘る習性はあるが、ハムスターほどでは無いので、そこまで厚く床材を敷く必要は無さそう。
ストレスの軽減のために必要。
木製または紙製の軽い材質を選ぶと良い。
理由は下に潜り込んで圧死することがあるから。
紙製の卵パックやペーパーの芯、底が無いタイプの木製隠れ家がおすすめ。
ハムスター用の給水ボトルでは力が足りず水が飲めない。
ペットボトルのキャップに浅く水を入れて置くか、給水ゼリーを置くと良い。
個人的には昆虫用のプロゼリーを与えている。
小動物用の給水ゼリーよりコスパがよく、合成保存料不使用のため安心して与えられる。
隠れ家と同じ理由で軽いプラスティックか、陶器製でもかなり軽量のものが望ましい。
ペットボトルのキャップでも良い。
大きめの皿にするとトイレと勘違いして餌をフンと尿まみれにする。
トイレは覚えないはずなのに明らかに餌皿をトイレと認識した行動を取ることがある。
飼育スペースに余裕があるなら入れても良い。
しかし、チビネズミに対応したおもちゃ類は少ない。
回し車はベアリングの入った直径10cmくらいの小型のものならなんとか回せる。
3)ご飯
小鳥の餌として販売されている配合飼料やブレンドフードがおすすめ。
ハムスターフードなどを細かく砕いて与えても良い。
偶に小松菜などの生の葉野菜を与えても良い。ハムスターが食べるものなら大体食べるし、害はないと思う。
私は小鳥用の配合飼料を与えている。今のところ繁殖や成長、健康に影響は見られない。
ミルワームなども与えると食べる。与える際には頭を潰しておくと反撃による怪我を防ぐことができる。
脂肪分、動物タンパク質が豊富で与えすぎると肥満になる。
日常的な主食は小鳥の餌やハムスターフード、生野菜を与え、数週間に1回ミルワームを与えるのが基本。
ミルワームは嗜好品的な扱いなので与えても与えなくても良い。
4)日常的なメンテナンス
ご飯、水が不足すると空腹とストレスから自分の尻尾を食べたり(ホントにやる)他の個体の耳を食べたり(ホントにやる)する。
また、超小型哺乳類らしく(?)代謝が高く飢えや脱水で死に至るまでが極端に早い。
お世話は毎日欠かさず行うこと。
5)臭いについて
マウス、ラット類の飼育方法に際してよく言及されるのが臭いだが、本種に関してもアンモニア臭がある。
だが、床材の定期交換で限りなく臭いが無い状態で維持することもできなくはない。
まあ、生き物を飼う時点で多少臭いのは仕方がないので我慢して欲しい。
6)チビネズミとの接し方
残念ながらチビネズミは人とのスキンシップが得意ではない。
更に言えば脱走の危険があるので、ケージから外に出すこともできる限り控えたい。
完全に観賞用、ケースを隔てて愛でる以外は基本的にできないと思っていた方が良い。
そもそも、触れ合いたいならチビネズミではなくモルモットやゴールデンハムスター、ラット、チンチラなど比較的大型で落ち着いた種類を選ぶべきだろう。(まあ、それらも比較的スキンシップがしやすいだけで人との関わりを楽しんでいるかは不明だが)
7)繁殖
気温23℃以上で飼育していると1年を通して繁殖行動を行う。
オスとメスを同居させると交尾を行い、1週間程度経つとメスの腹部が膨らんでくる。
2週間程度の妊娠期間を経て出産。
1度の出産数は4〜6匹。
出産後はオスが育児の邪魔をする場合があるためメスのみにすると子食いのリスクが低くなる。
繁殖はオスメス双方にとって体力を使うことなので、繁殖行動を経験していない個体より経験している個体の方が寿命は短くなる。
8)モルフ(品種)について
ネズミの仲間なのでブルー(劣勢遺伝)は例に倣ってこの種にも存在する。
ブルーは小型化、低寿命、虚弱と言った特徴を有することがある。
今後の改良次第でパイドやアルビノ、イエロー、パンダなどが生まれる可能性はなくも無い。
ペット化されてから比較的歴史の浅い生き物なので、根気が有れば新モルフの開発者となれるかもしれない。
頑張れ。
9)最後に
私が知り得る情報にも限りがある為、この記事の情報を鵜呑みにすることはやめてほしい。
色々な人の書いた本、記事を読んで総合的に情報を収集、取捨選択して頂きたい。
また、こんなことが知りたいなどの希望があればコメントして頂けると、知らぬ間に更新されていることがある。
以上