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「Q;indivi Starring Rin Oikawa」に栄光あれ!

実はあまりドイツ語の歌が好きではないのです。

もちろん好きな歌はあります!

Roger Ciceroなら「Wenn sie dich fragt」Juliなら「Wir beide」、Marlaなら「Wie wäre es」

ただ、それ以外の曲はどうかと言われると、個人的には微妙なんですよね…

言わずもがな、ドイツの他の曲を聞いてみたことはあるけど、なんかピンとは来なかった…



「Q;indivi Starring Rin Oikawa」に栄光あれ!


英語の歌の中でも一番好きなのは、「Q;indivi Starring Rin Oikawa」の歌なんですよね。森の幼稚園と一緒で、日本でもっと流行らないかなって思ってます。笑

及川りんさんの歌がうますぎるし、英語の発音が凄すぎて、聞いてて素敵な気持ちになります。

大大大好きな「ひこうき雲」のカバー。最後のサビの高音(2:40)がヤバすぎ☟


「You can't hurry love」をキラキラにかわいらしく歌い上げてます☟


You gotta beは「lietune Remix」の方が個人的には好き☟


本家のLenny Kravitzより良いんじゃない?笑☟


「Colors in bloom」は、「はちみつとクローバー」の映画の挿入歌。森田とはぐちゃんが壁にペンキを塗りたくっていくシーンで流れる。この歌のテーマは「彩り」とか「カラフル」ってことなので、やっぱり「彩りみたいな感じ」が好きなんですよね…笑


ジブリの曲を歌ってるのも最高!「カントリーロード」とか「やさしさにつつまれたなら」とか「ルージュの伝言」が最高過ぎる!こちらでお試しが聞けるので、興味がある方はぜひ!☟


全曲載ってるのはコチラ☟


おまけ:及川リンさんのインタビュー記事を2つ


①インタビュー:Q;indivi Starring Rin Oikawa「いい楽曲を、いい声で歌う」


今年7月に「結婚行進曲」をはじめ、バッハ、モーツァルト、ベートーベンなどの耳なじみのある既存クラシック楽曲に、全編英語詞によるヴォーカルを乗せてPOPにリアレンジしたクラシックハウスの新定番アルバム「Celebration」を発売した、Q;indivi Starring Rin Oikawa。3万枚を越えるスマッシュ・ヒットを記録した同作に続き、11月21日にはQ;indivi starring Rin Oikawaが贈るWinterアルバムの決定盤「Winter Celebration」を発売。発売からひと月が経とうとする今も尚、iTunesトップアルバムで7位(12月18日現在)にランクインするなど、大ヒットを記録している。

――今回、取材させて頂くにあたって、事前にネットで色々と検索してみたのですが、なかなか情報が少なくて苦労しました。

及川リン(以降、及川):すみません(笑)。

――及川さんと田中さんがお仕事をご一緒されるようになったのは、いつ頃からですか?

及川:3年前ぐらいですね。

――第一印象は憶えてますか

及川:田中さんの第一印象はもう「雲の上の人がここにいる」みたいな感じでした。今、私が目指している世界に、すでにいる人だったので。曲も聴いてびっくりするくらい、いい曲でしたし。普段聴いていた曲が「田中さんの曲だったんだ!」というのもあって、とても光栄でした。

――田中さんが及川さんを起用したきっかけは?

田中ユウスケ(以降、田中):元々、Q;indiviを始める前にコマーシャルの音楽制作会社をやってまして、そこで常に歌を歌う女の子を探してたんですけど。その時に知り合いづてで、リンちゃんが仮歌を歌っているCDを聴いて、曲よりも声がすごく良かったんですよね。それでもう「この子が例えばこういうコマーシャルを歌ったら、絶対にハマる!」というのがすごく頭に浮かんで、アポって歌ってもらって。やっぱり、もう本当にCDで聴いているそのままだったので、どんどん一緒に仕事をしたいなということで。まずはコマーシャルの仕事を通じて、一緒にやるようになりましたね。

――及川さんのビジュアルがあまり表に出ていない分、ライブなどで人前に出た際に、イメージとのギャップ、もしくはイメージ通りだったと言われることはありますか?

及川:あまり表に出ないので、本当にライブぐらいなので、そんなに「違う」とは言われたことが無いです。

――自己分析すると、自分はどんなタイプの女性だと思いますか?

及川:基本的に平和主義ですね。平和が一番です。

――音楽以外の時間は何をすることが多いですか?

及川:映画がとても好きなので、時間があれば映画を観たいと思ってます。やることと言ったら、映画が一番先に思い浮かびますね。

――映画やCM音楽で起用される機会が多いように、映像と同居しても違和感無く、むしろ相乗効果が得られるような声質なんだと思いますが、及川さん自身は自分の声についてどう思いますか?

及川:私は最初、自分の声がすごく嫌いだったんです。なんか通らないし、遠くに届かないので(笑)、ヴォーカルとして不利とか思っていたりして、変な声だなとか結構思ってたんです。でも、やっぱり歌っていく内に、自分の声に合った歌い方とかが分かる様になってきてからは、すごく自分の声が好きになりましたね。

――歌を始めたのは、いつ位からですか?

及川:歌を始めたのは、もう小さい頃で。幼稚園とか小学校低学年とかから歌が好きで、いつも歌っていたので、いつ始めたかは境界線が分からないですけど。その時は童謡とか、親が聴いていた曲とかを歌ったりしてましたね。小学校低学年からアメリカに行ったので、アメリカのラジオで流れているポップスとかCDを買ったりして、聴いて憶えて歌ったり。

――前作の「Celebration」ではクラシックをモチーフにしていましたが、ご自身のルーツでは特にないですか?

及川:私がというよりは、親がクラシックを大好きで。家でよく掛かっていたので、クラシックを自分から聴きに行ったというよりは、自然に染み込んだという感じですね。曲は、聴けば「あぁー!」って知っている曲ばかりですし。

――田中さんが、前作の「Celebration」でQ;indivi Starring Rin Oikawaとして及川リンさんを起用された理由は何故ですか?

田中:元々、Q;indiviというのが覆面のユニットというか。自分が他のアーティストへの楽曲提供とかプロデュースとかで色々と仕事をやっていく中で、「こういうものも作りたいな」という気持ちが自然に生まれてきて。じゃあ遊び場じゃないですけど、そういうものを昇華させる場所を一つ作りたいなというサークル活動みたいな感じで始めたんですよね。それに対して、このシリーズは彼女の声にもう少しスポットを当てたもので、既存の楽曲、純粋に声の魅力を通じてアプローチをしていくという企画で最初は始まったんですよね。シンプルに「いい楽曲を、いい声で歌う」という企画なので、彼女がピッタリでした。

――前作の「Celebration」から、今回「Winter Celebration」を出された経緯は?

田中:「Celebration」は祝福感というか、お祝いするみたいなムードがあったので。やっぱり冬のお祝いと言えば、クリスマスソングかなという所で。やるからには、なるべく新鮮に聞こえるアプローチでトライしてみました。

――クリスマスソングは今回の収録曲以外にも存在しますが、選曲基準は?

田中:みんなが知ってる楽曲で、一度は口ずさんだことがある楽曲で。あと及川本人の声に合うもので、それによって新鮮に感じるものですね。やっぱりオペラっぽいとか、ゴスペルっぽいものが多いので。こういう声で、こういうサウンド感でやるとすごく新鮮に聴こえるな、という楽曲を基準に選びました。

及川:「White Christmas」と「Silent Night~きよしこの夜」の2曲はずっと前から歌ってみたかった曲で。特に「Silent Night~きよしこの夜」は歌い出しの部分がすごくコーラスが重なっているんですけど、それがずっと前からやってみたかったので、今回実現して「やったぁー!」と思いました(笑)。それが一番、念願叶って「あぁ、出来たなー!」と思いましたね。

――ボーナストラックとして「Silent Night~きよしこの夜―Japanese Ver.」が収録されていますが、日本語詞を入れた理由は?

及川:特に日本語の曲を入れる予定は無かったんですけど、いつも全部英語ばかりなので、ボーナストラックで。日本語の曲を出すのは初めてなんですけど、やってみてもいいかなと思って(笑)。

――周囲の反応は如何でしたか?

及川:「今回、日本語だねー」とか、意外に何も言われなかったんです。本当に一回も日本語で出したことがなかったんですけど、日本語が入っていても誰も何も違和感が無く(笑)。見事に何も言われなかったんですよ!今の所は。個人的には、「あっ!今回、日本語だ」って思っているんですけど、周りはそんなに違和感が無かったみたい。でも、それは逆に今後、日本語の曲を出すにあたって、「えっ?」って思われないという点では良かったなと思います。「日本語も歌えるんだ」みたいな。

――及川さんは、クリスマスの想い出は何かありますか?

及川:野外ライブを毎月やっていた時期がありまして、その頃12月のライブの時に「White Christmas」をやったんですね。それがすごく思い出されますね。今回もアルバムに入った曲なんですけど、クリスマスと言えば「White Christmas」という感じが未だにします。

――このアルバムを、こんなシチュエーションで聴いてもらえたら嬉しいな、というのはありますか?

及川:特に特定の「こういう時」というのは無くて。日常的に、生活の一部になってくれたら一番嬉しいなと思います。もう当たり前にそこにある、みたいな。だけど曲がかかっていたら、耳に障るというか、気になる感じじゃなくて。自然に側に置いておいて欲しい、という感じですね(笑)。

田中:「Celebration」もそうですけど、大切な人へのギフト的な、音のプレゼント的な用途もあるのかなと思います。

及川:聴いてくれた人が楽しくなれるような、ハッピーなアルバムにしたいなと思いました。「あっ!もうすぐクリスマスじゃん」みたいな、ちょっとウキウキできるようなアルバムに絶対にしたいなと思ってました。

田中:クリスマスアルバムへのモチベーションは、すごく高かったですね。

及川:クリスマスソングは好きな曲がいっぱいあるので、前からすごくクリスマスソングのアルバムは作ってみたくて。

――クリスマス以外にもありますか?「Winter Celebration」の次は…。

田中:「Spring Celebration」。日本の童謡の「さくら」とか、個人的には色々トライしてみたい楽曲はたくさんありますね。

――アルバムのジャケット写真は、どういう風に決まっていったんですか?

田中:Q;indiviは露出しないとか、記号性みたいな所にすごくこだわっているので、抽象的なジャケットでやっていたんですけど、今回のジャケットはQ;indivi Starring Rin Oikawaという所で。アルバムの趣旨をしっかりと表すものという基準で選定してみました。

――及川さんはインターネットなどで映画以外に、例えばファッションのサイトとかのジャンルのサイトを見ていますか?

及川:買い物とかだと、ZOZOTOWNは見ます。

――普段、あまり外には出ないですか?

及川:出ます。服を買う率はネットより普通に出歩いて買ってくる方が多いんですけど。体調が悪かったり、冬寒かったり、夏暑かったりすると、ネットで買う率が上がりますね(笑)。

――今後やってみたいと考えていることはありますか?

及川:次はQ;indiviのオリジナルをやりたいなと思っています。「Celebration」が続いて、そろそろ次回作も作っていきたいなと思っています。

田中:そうですね、今年はQ;indivi単独のリリースは無かった代わりに、今回のシリーズで少し間口や幅を広げることができたので、この経験を元に来年はオリジナルを含めまた新しいことに取りかかりたいなと思っています。

及川リンQ;indivi Starring Rin Oikawa- アーティスト情報
X'mas ソングス- iTunes Store


②Q;indivi Starring Rin Oikawaインタビュー


YUKI、いきものがかり、AKB48などのプロデュース/楽曲制作で知られる田中ユウスケ率いるクリエーター集団「Q;indivi」が、映画やCMなどを中心に透明感溢れる歌声を響かせているRin Oikawaをフィーチャーした『Happy Celebration』をリリースした。クラシックからジャズ、近代ポップスまで、誰もが知る名曲に祝福感満載のリアレンジを施した「Celebration」シリーズの最新作としてリリースされる今作は、エレクトロ、ピアノを中心としたキラキラのサウンドと、どこまでもピュアなRin Oikawaの歌声が、これでもかと幸福感を増幅させ、胸をキュンキュンさせまくるキラー・チューンのオンパレード。ポップ・シーンの最前線で活躍するクリエーターたちの実力を、まざまざと見せつけられる作品だ。田中ユウスケとRin Oikawaのインタビューをどうぞ!

(インタビュー・テキスト:タナカヒロシ)

CM音楽をベースに始まったプロジェクト

―Q;indiviって、あんまり表立って顔を見せてないじゃないですか。そもそもどういうきっかけで始まったプロジェクトなんですか?

田中:いわゆる普通のアーティストの成り立ちとは少し違っていて。普通はバンドを組んで、グループを組んでみたいな感じだと思うんですけど、もともと僕が広告関係の音楽を作っていくなかで知り合ったり、作品を通じて自然と広がっていったプロジェクトですね。

―これまで作ってきたCM音楽を、作品集的な形で発表しようと思って始めた?

田中:そうですね。せっかく作ったのだから形に残したいなというところで。

―Q;indiviの正式メンバーは?

田中:不特定なんですよね。ただ、今回の「Q;indivi Starring Rin Oikawa」っていうのは、Rin Oikawaの声にフォーカスを当てた、彼女メインのプロジェクトです。

―及川さんは、もともと歌うきっかけは何だったんですか?

及川:ほんと幼少の頃になってしまうんですけど、幼稚園のときくらいから、親が聴いていたレコードとか、ラジオから流れる音楽を聴いて、一緒に歌い始めて。それがきっかけですね。あと、小学校低学年のときに3年ほどアメリカに住んでいたので、アメリカのラジオでかかってる曲を聴いて、次々一緒に歌うみたいな。

―具体的にはどの辺の音楽を?

及川:一番影響を受けたのはマイケル・ジャクソンとか。その頃に流行っていた洋楽全般なんですけど、ニルヴァーナとか、ボーイズIIメンとか、ラジオっていろいろかかるじゃないですか。だから、何でも聴いて、歌ってましたね。

―じゃあ、本格的に音楽を始めたきっかけは?

及川:もうずっと歌手になりたいと思って育ってきたので、特にきっかけというのがなくて。高校を卒業して、音楽の専門学校に行って、ずっとそのためにいいと思う道を選んできたっていう感じでした。

一緒にやってみてフィットする感覚は、もしかしたらバンドを組んだときの初期衝動に似てるかもしれない。

―田中さんと及川さんは、どうやって出会ったんですか?

田中:ボーカリストを探しているときに、知人の紹介で及川が歌ってるデモCDを聴かせてもらったんです。それで、聴いた瞬間に一緒に仕事がしてみたいなと思って、すぐにオファーをさせてもらって。そこで一緒にやってみてフィットする感覚は、もしかしたらバンドを組んだときの初期衝動に似てたのかもしれないですね。仕事を通じてではありましたけど。

―そこまで惹かれた魅力っていうのは?

田中:言葉にするのは難しいんですけど、声がすごく琴線に触れるというか。彼女が本来持っている声の質に一番惹かれましたね。

―面と向かって言うのはあれですけど、すごくピュアな声をしてますよね。淀んだものがないというか。

及川:ありがとうございます。

―田中さんと及川さんが最初にやった作品は?

田中:とあるコマーシャルで、クラシックの楽曲をアレンジして、歌ってもらったのが最初のキッカケですね。そのときに何かこれから一緒にできるかもって、手応えというか、達成感がありました。その楽曲自体も「Celebration」シリーズのヒントにもなっていて。

―もっと「Q;indivi Starring Rin Oikawa」での作品を作っていきたいと?

田中:そうですね。広告とか、外部プロデュースの仕事で面白いのは、企画をはじめ、いろんな人からのアイディアに触れることができるところだと思うんですよね。自分が予想もつかない考え方だったり、価値観だったり、そういうものに積極的に触れられることが、何よりも自分にとって非常にありがたい環境だと思います。

大事な人に対してとか、一緒に祝いたい人がいる、そういう幸せがあるなと思って歌いました。

―今回の『Happy Celebration』の曲は、どうやって選んだんですか?

田中:40〜50曲くらい候補を出して、全員で話し合いながら決めていく形ですね。今回はテーマが「Happy」だったので、それにちなんだ楽曲を。

―40〜50曲も候補があったんですね! やっぱりそういうのって、仕事柄っていう部分も含めて、普段からいろんな音楽を聴いているからアイディアが出てくるというか。

田中:そうですね。仕事でジャンル問わずいろいろな音楽に触れる機会が多いので、それはいまの環境に感謝です。『Happy Celebration』のことだけを考える時間も大切なんですけど、無意識のうちに「あ、これいいかな」と思いついたりとか、常日頃別の動きがあるなかで、また違うものが生まれていくっていう。その化学反応が自分にとっては大切なんだと思いますね。

―やっぱりハッピーな感じを出すことに重点を置かれてると思うんですけど、その辺で意識されたことは?

及川:このシリーズは特になんですけど、全編を通してキーを高めにとってるんですよ。明るく聴こえるように、一回歌うごとに録ったものを聴き直して、口の開け方を変えてみたりとか、歌い方をちょっとずつ変えて、「Celebration」のイメージに合うように持っていきました。最初は低いキーで歌い始めるんですけど、「やっぱりちょっと低いね」ってどんどん上げていって、最終的にめちゃめちゃ高くなって。もう「これ、ライブでできないね」みたいな曲もあるんですけど(笑)。

―キーを上げれば上げるほどハッピー感が出るみたいな法則があるんですかね?

及川:上げすぎて全部裏声になってしまったりすると、弱々しくなったりするので、地声と裏声の微妙なバランスを保てるキーというか。曲によっては全部裏声だったりもするんですけど、地声でちゃんと出るところもあり、裏声で抜けるところもある、絶妙なキーを探して録っています。

―でも、及川さんなりのハッピーとはなんぞやみたいなものはあるわけですよね?

及川:はい。

―言葉にするのは難しいかもしれないですけど、今回イメージしていたものとかは?

及川:例えば“Happy Birthday”だったら、大事な人に対してとか、一緒に祝いたい人がいる、そういう幸せがあるなと思って歌いました。でも基本的には、このCDを出せるだけで私はハッピーで。本当にそういう素直な気持ちでリリースを迎えられたなと思っています。

―なんか、ハッピーな体験を思い返してとか、そういうのはなかったんですか?

及川:あー、過去のことはないですね。

田中:なんかあるでしょ(笑)。

及川:でも、なんか、モノを作っていくのって、それだけで楽しいと私は思うんですよ。レコーディングが終わるたびに、これからこの曲がどうなるのか楽しみだし、歌う前も、自分がどういうふうに歌えるのかなっていうのはいつも楽しみにしているので。

原点は、モノを作る喜び、モノを発表できる事の喜び。

―こういう作品を作っていくのって、普通のシンガー・ソングライターとか、バンドマンとは、音楽に向き合う気持ちも違ってくるのかなと思うんですけど。

田中:バンドはもう10年以上やってないので比較するのが難しいんですけど、さっき及川が言ったように、根底はシンプルに音楽を作るだけで楽しいんですよね。もちろん、作れないときのジレンマとかはつきものなんですけど、できあがったときの達成感は、作品が売れようと売れまいと、実はそんなに関係なくて。テクニックみたいなものは、大人になって身に付くのかもしれないですけど、最初の原点は、モノを作る喜び、モノを発表できる事の喜び、そう考えると向き合う姿勢や気持ちは大きく変わらないのかもしれませんね。

―作ることへの純粋な初期衝動みたいな。

田中:そうですね。自分たちのアイディアが目の前で形になっていくのは純粋に楽しいですよね。それを聞いてくれる人がいるというが、クリエイターとしてはやっぱりそれが一番幸せなんじゃないかなと思います。

―例えば今回みたいにハッピーな気持ちを増幅させるものとか、理想とする音楽の在り方は、どんなものだと思いますか?

田中:僕が規定できるようなものでは全然ないですけど、過去の素晴らしい楽曲、いわゆる名曲と言われてるものを、フィジカルに実際に声に出して歌ってみたり、演奏することでは、また聞くのとは違った吸収の仕方があると思うんですよね。なので、いい意味でそういう名曲たちを、自分たちの中にしっかりと取り入れて、この経験を活かしたうえで、新しいオリジナル作品をまた発表していきたいなっていうのが理想ですね。

―及川さんはいかがですか?

及川:すごい壮大なメッセージの後でなんと言えばいいのかわからないですけど…。

―いやいや、遠慮なく(笑)。

及川:あの、音楽はこうあるべきだというよりは、やるからには誰かのお気に入りになりたいなとは思ってます。誰かが私たちのCDを「これ、お気に入りなんだ」と言って聴いてくれるっていうのは、一番うれしいことなので。音楽家としてはそれを目指してやっていきたいなと思います。

―今回の作品はまさにそうだと思うんですけど、思い出が甦ってくるみたいな曲って素敵だなと思うんですよね。例えば誕生日とか結婚式にこのCDがかかっていて、後々またこのCDを聴いたら、そのときの記憶が甦ってくるみたいな。

田中:そうですね。結果的にそうなってくる事が何より嬉しいですね。



プロフィールQ;indiv

第三世代のミュージックプロダクトとして始動。特定のメンバーをもたず「Q;」というアイコンをベースに匿名性の高い活動を開始。赤、青、黄色というコンセプチュアルなオリジナルアルバム3作品をavexよりリリース。“Part of Your World”はYoutubeにて250万再生を記録するなど、House Nationをはじめピークタイムのアンセムとしてクラブヒットを記録。「Rin OIkawa」の声にフォーカスしたスピンオフ企画「Celebration」シリーズは、様々な祝祭をテーマとして、インディーズながらも10万枚を超えるセールスを記録。iTunesミュージックストアでは総合チャート1位などロングセールスを記録。2010年はワーナーミュージックジャパンより様々な男性ボーカリストとコラボレートした意欲作「Q;indivi+」を発表。


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