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<第4章>活動による言語育成の手引き(Handbuch Sprachförderung durch Bewegung)
<まとめ>
・言語の習得とは、遺伝的素質、お手本となる人の真似、周囲の環境へのの交流が組み合わさってできた産物なのである。
・幼稚園を卒園する頃になると、語彙力は平均4000単語から5000単語になる。
・文法的な間違いを正す代わりに、子どもの発言を質問しながら繰り返すことて、正しい表現を示すべきである。例えば、子どもが「遊ぶ、ボールで」と言ってきたら、大人は「あなたはボールと遊びたいのね?」と繰り返す感じである。
・テレビ放送は、たとえ多くの会話が話されていたとしても、子ども達の言語能力を伸ばすことが出来ないのである。テレビはダイアログを生み出さない。ただただモノローグを見せつけるだけであり、子どもの自主性を阻害する。
<感想>
この方が書いて下さっているように、
アウトプットが一番重要だと思う。
そして、そのアウトプットする為に大切なのが、
・伝えたいという気持ち
であったり、
・伝えたい出来事をちゃんと聞いてくれる人間がいるか
であったりすると思う。
なので、ドイツ語学習者としては、自分の伝えたいことを正確に表現する為にも、「武器探し」をしながら「My 辞書」を創っているという理屈である。
環境としては、実習という最高の環境を手に入れている状態なので、この機会を十二分に活用したいと思う。
森の幼稚園の先生としては、各子ども達がどんなことに興味を持っているのかを把握して、そのツボを刺激するのが重要だと思うし、子ども達の社会的環境を構成する一員の自覚を持って、子どもが話したい時はしっかりと耳を傾けて、子ども達の言語発達を促進できる機会を多く作り出していきたい。
<気になった個所>
子ども達は努力することなく、短期間で、教えられることなく、母国語を習得しているように見える。子ども達は言葉を獲得することを可能とする遺伝的な装置を持っているのだ。しかしそれはつまり、子ども達は既に言葉を習得していることを意味するものではない。そうではなく、子ども達の脳は言語の習得準備が既にできているということ、そして、子どもは言語環境を得られるような魅力的な環境で成長しなければならないということである。言語の習得とは、遺伝的素質、お手本となる人の真似、周囲の環境への子ども達の交流が組み合わさってできた産物なのである。
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4.1.2 言語の生成~音や綴りから単語まで~
最初の音というのは、頭や首や口の筋肉が動くことで偶然に発生する。6週間から8週間目の年齢において、
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赤ん坊は唸ることを始める。2カ月目から4カ月目の間には笑顔を見せるようになり、特に真似を通じてどんどん音を作れるようになっていく。(2008年のWeinertとGrimmの論文より)
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6か月目から”鉄道段階”、つまり、「jaja」や「dada」のように続けて綴るようになる。これらは、母音と子音が互いに組み合わさることによって話すことが出来るようになる。赤ちゃんの中には既に母国語のリズムモデル(リズムや音程やメロディーに関しても同様)があることが確認されている。新生児は最初の方は世界の何百個以上の言葉の音を音律的な特徴を手掛かりにして区別したり、聞きなれた音に反応する一方で、大体10カ月目になるとその能力は消え去ってしまう。赤ちゃんは周囲の音に対して特化するのである。母国語の特徴的な音の繋がりは、言葉をどんどん操ろうとする赤ちゃんにとって目印となる(Pennerの2000年の論文)。子どもは2重にする(mama)やり方を学び、それが褒められることで、意味の無い音のつながりと意味のある単語を区別していく。
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9カ月目から12か月目において言語発達における大切な出来事が起こる。それは、母と子どものコミュニケーションに物体が入り込んでくることである。母親は子どもの注意を物体に向けて、物体を示して、その名前を言う。子どもは物体を見て、音的にそれを真似しようと試みる。
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12カ月を過ぎると「ワンワン」や「パパ」といった最初の言葉が生まれる。最初はある特定の場面でしかそれらは使われないが、後に、子どもにとっては誰もが「ママ」や「パパ」になってしまう(恥ずかしいのは、スーパーマーケットで子どもの横にいる見知らぬ男性に向かって、子どもが「パパ」と言ってしまうことである)。・・・。その後には2単語の文章を作れるようになり、第1次質問期が始まる。疑問文を作り、動詞を活用したり、複数形を作ったりする。基本的な文法ルールは認識できるようになる。例えば、「遊ぶボールで」ではなく、「ボールで遊ぶ」と言う。
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2歳から3歳にかけて、子ども達は特に、単語や文章の意味を理解しながら語彙力の構築に精を出す。1歳半の子どもは一般的には語彙力が50単語から100単語であるが、2歳半から3歳までにすでに500単語から1000単語へと成長する。幼稚園を卒園する頃になると、語彙力は平均4000単語から5000単語になる。・・・。2歳半から3歳は2回目の「質問期」に入る。子ども達は名前を知りたがると同時に、それがどう機能するのかにも興味を示す。・・・。ここでも大人の存在はこのプロセスにおいて重要である。質問やオウム返しによって活性化したり、子どもの発言を正しいフィードバックによって膨らませたりするが、その際は内容的なレベルが大事である。子ども達は何を伝えようとしているのか?文法的な間違いを正す代わりに、子どもの発言を質問しながら繰り返すことて、正しい表現を示すべきである。例えば、子どもが「遊ぶ、ボールで」と言ってきたら、大人は「あなたはボールと遊びたいのね?」と繰り返す感じである。
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5歳から6歳頃になると子どもは少なくとも韻を踏んだり、単語の綴りを分解することが出来る。これは、読み書きを学ぶ際に必要となる能力である。・・・。大切なのは、話すことの喜びを感じ、楽しみながら言語能力を育成を出来るような状況である。社会的環境は言語習得において大切な役割を果たす。その際は、真似の他にも、社会的精神的交流が大きな役割を果たす。刺激が無ければ言語の獲得は遅くなるどころか、気力さえ無くなりかねない。それ故に、テレビ放送は、たとえ多くの会話が話されていたとしても、子ども達の言語能力を伸ばすことが出来ないのである。テレビはダイアログを生み出さない。ただただモノローグを見せつけるだけであり、子どもの自主性を阻害する。
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