見出し画像

個人的に外国人に紹介したいと思う日本のモノ(アニメ・漫画編)



好きなアニメ&漫画☞「ピンポン」


アニメと漫画だったら個人的には「ピンポン」を紹介する。

ドイツの人って卓球に馴染み深いから、もしかしたら共感できる部分が多いかも?笑

漫画版で主人公のペコが最後に登場するのって、ドイツの卓球リーグだし。

個人的に好きなのは、

①ペコがドラゴン戦前に「シャーっ!」って言う場面(0:50)

気合が入る


②ペコがドラゴンからゲームを奪った場面(2:01)

写真撮影の時に何度このポーズをしたことか…笑


③ペコとスマイルが決勝の舞台に行くシーン


子どもの頃はペコの方が実力が上だったけど、スマイルが遥か上のレベルに到達してしまう。

そこでペコは1回卓球から足を洗うけど、アクマとの交流をきっかけにもう一度卓球を始める。

そして、格上だったチャイナやドラゴンとの試合を通じてどんどん成長していって、ついにスマイルと対面。

「ビバっ!」
遅いよ、ペコ
「そう言ってくれるな。これでもすっ飛ばして来たんよ。」
「うん。」
「行くぜ相棒!」
「うん。」


スマイルはロボット並の強さを手に入れて、もう誰もスマイルを止められない、いわば「暴れ放題」のロボットになっていたんですよね。

ロボットと契約を交わすシーンがコチラ☟

チカラヲカイホウセヨ
オマエノカラダハテツ
オマエハナニモカンジナイ
ダレカラモキヅツケラレナイ
オマエハキカイダ
エネルギーゼンカイ
セイゲンカイジョ
フットバセ

(👆アニメ版ではめちゃくちゃ分かりやすく描かれているからこう表現されているけど、マンガ版ではこのような描写は無い。スマイルが常に持っていたロボットのゲームも自分自身を表している。)

このシーンで後のコーチとなる小泉先生との試合に勝ったスマイルは、ペコに「僕、先に行くよ」と言います。

https://note.com/t0m0y0/n/n87257050a903


これはもう、ペコの陰に隠れないで、ペコに卓球で迎合しないで、自分の強さを発揮していくというスマイルなりの宣言だったと思います。それから小泉先生との猛特訓が開始し、あれよあれよという間に、最強の卓球ロボットへと変化したスマイル

だけど最強が故に孤立してしまう状況に追い込まれていった。この苦しみはドラゴンのモノよりもさらに深刻だったかもしれない

だからこそ、ペコが子どもの時に言っていた「ピンチの時には心の中で3回唱えろ!ヒーロー見参、ヒーロー見参、ヒーロー見参!そうすりゃおいらがやってくる!ピンポン星からやってくる!」という言葉をスマイルは信じ続けていて、何度も唱えていたのだと思う。

スマイルにとって、最強が故に孤立してしまうという状況が、ピンチだったのである。だからこそ、自分を倒してくれるヒーロー(ペコ)の登場をずっと願っていたのだ(泣けてくる…)。

このスマイルの卓球が強くなりながらも、同時に孤立が襲ってきてピンチの状態に追い込まれるという視点が凄いし、誰にもスマイルを倒せなくなった時に現れたヒーローがペコであるという展開がなんとも胸熱すぎる!!!

ペコは心から卓球が好きで、卓球を心底楽しんでいるだからこそ、スマイルと戦えるし、勝つことが出来るし、勝ち続けても孤立しないのだと思う。

ホント、この決勝戦が「ペコvsスマイル」で良かったなと思う。ペコ以外が相手だったら、スマイルが優勝して、本当に孤立して、その後は悲惨な卓球人生を歩むことになっていたと思う。ペコじゃなければスマイルは倒せない。

そんなピンチに陥っていたスマイルの為に、ペコが決勝という舞台に駆けつける!ペコがチャイナやドラゴンを倒して、スマイルと互角以上にわたり合えるようになってから、スマイルの前に現れるというのはまさに、ペコはスマイルにとってのヒーローであることの証!

ペコがスマイルと戦えるようになるまでのストーリーで、1回卓球から足を洗ったり、チャイナやドラゴンを倒したりしてきたわけで、長くてかなりの険しい道をペコは歩んで来たわけである。

でもペコがスマイルの前に現れた時は、「ビバっ!」っていういつものおどけたペコでいたのが良い。そして、スマイルが「遅いよ」っていうのは、自分がペコに対して宣言をした日から、自分と同じレベルになるまでにかかった今日までの道のりに対してのコメントだと思う

そこでペコが、「そう言ってくれるな。これでもすっ飛ばして来たんよ。」ってペコらしい返答をして、スマイルもその苦労とかを理解したから「うん。」とうなづく。

「行くぜ相棒!」というペコの言葉から、二人の関係にはもう以前の上下は無いことが分かる。スマイルも「うん。」とうなづいて、2人は決勝の舞台へと向かう。

ペコとの試合を通じて、スマイルは自分がロボットではなくて「生きた人間」であることに気付くことが出来たし、ペコがスマイルに勝ってくれたからこそ、スマイルは孤立するというピンチを脱することが出来た。

無事に2位になることができて、スマイルは笑顔を取り戻す!

ドラゴンもペコとの試合を通じて”飛べる”ことを学んだから、
全員にとって最高の結果となったと思う。


そうやって、自分が「最強になって孤立してしまう」というピンチの時に目の前に現れたくれたヒーローの姿に涙しながら白球を打つスマイルの姿が、なんとも美しすぎる☟

そりゃあ、嬉しくて泣いちゃうよね、自分の為にここまでしてくれるヒーローが現れたのだから


この記事(https://note.com/kikun_waldkita/n/n07c7c4553ebe?from=notice)で書いた「最強になって孤立してしまう」ってのは、もっとスマートな表現をすると、『無敵になる』ということである。

敵がいなくなるほど強くなってしまうことによって陥る“孤立した状況”は、卓球をペコのように心底愛してないスマイルにとって、耐えがたい苦しみになることが予想できる。アニメ版で何度も登場するスマイルが遊んでいるゲームがそのメタファーになっている。中央のロボットが四方八方から来る敵をすべて倒して、1人ポツンとしているシーンが何度も描かれている。このロボットこそが、スマイルなのである。スマイルに挑んでくる相手を全員打ち負かし、最終的には一人ぼっちになってしまうのである。まさに「無敵」である。

あの決勝戦を制して、優勝したあかつきには、ただ勝利するだけの卓球をする、本当の「卓球ロボット」に、スマイルはなっていただろう。そんな機械的な人生ほどつまらないモノは無い。だからこそ、スマイルは“ヒーロー”を望んでいたのである。自分に黒星をつけて、自分を『無敵じゃなく』してくれるヒーローを。そして、その重役は卓球を心底愛しているペコしか担うことが出来ないという展開がめちゃくちゃ熱いし、それを実現させたペコの姿に読者は感動を覚えるのだと思う。

この、【負けることによって、スマイルが救われる】という構図が、勝利を追求する従来のスポーツ漫画と違っていて、独特の世界観を創り出していると思う!

https://note.com/kikun_waldkita/n/n1dd8d443597f


他人様の記事より抜粋☟

一方でスマイルも苦しんでいた。争いごとを好むタイプでもなかったのに、自らの才能によって、自分よりも卓球を愛している相手を次々と打ちのめしてしまうからだろう。

そんなスマイルの様子を目の当たりにしてペコは悩む。それでも踏ん切りのつかないペコをアクマが励ます。「お前才能あるんだからよ!」
ペコは一念発起して猛特訓を始め、そしてスマイルよりもさらにスケールの大きい、特別な才能を開花させる。

最後の大会、ペコは、チャイナ、ドラゴンという大きな壁を乗り越え、スマイルと決勝戦で対峙する。そして子どもの頃と同じように、ペコはスマイルをかっ飛ばし、無邪気に笑ってみせる。

そこでようやくスマイルに笑顔が戻る。ずっと憧れていた自分のヒーローが帰ってきてくれたからだ。加えて、自分自身の才能に押しつぶされそうだったところで、より強大な才能が登場してくれたからだ。

https://note.com/dogresiduewp/n/nf455656aedf2

そんな彼らの卓球を、ペコの特別な才能が粉砕していく。その瞬間、ライバル達は、自分自身の才能について腹の底から納得し、受け入れる。ここで彼らが感じたのは、敗北感ではなく、開放感だったのだろう。

https://note.com/dogresiduewp/n/nf455656aedf2

しかし、描いているのは才能の輝きと残酷さだけではない。「自分より大きな才能の前に挫折することになろうとも、真剣に取り組んだ末の挫折であれば、それを受け入れることができるし、人間として大きく成長することができるのだ」という、対象喪失の光景を、愛すべきライバル達を通じて鮮烈に描いているのである。

https://note.com/dogresiduewp/n/nf455656aedf2


ペコは膝に怪我をかかえながらもインターハイ2連覇王者であるドラゴンに勝利を挙げた。そして決勝戦が始まる。ついにペコとスマイルは対峙する。以下は試合直前の廊下で、遅れたペコと待っていたスマイルとの会話である。



スマイル「遅いよ。ペコ。」


ペコ 「そう言ってくれるな。これでもすっ飛ばしてやって来たんよ。」


スマイル「うん」


ペコ 「行くぜ、相棒」


スマイル 「うん」


ー松本大洋作 『ピンポン』5巻 145〜146ページー

 この一連のセリフは2つの意味で捉えられる。1つは遅刻してきたペコに対して。もう1つはヒーローとして遅れてきたことに対してである。2重の意味がありとつらも筋が通っていると言える。
 

https://note.com/bright_fairy722/n/na29e06d1413d

試合が始まる。セリフのない2人のスピード感ある試合が20ページにも渡って描かれる。

小学生のペコ 「球乗せるは握ったらダメだ。ほいでコートより高く構えんよ」
ー松本大洋作品 『ピンポン』5巻 166ページー

ペコがスマイルに初めて卓球を教えた回想描写が入ってくる。これは卓球の楽しみを教えてくれたヒーローとして表現されている。
彼らの真剣勝負は徐々に昔遊びでやっていた卓球と重なるようになる。無邪気に卓球をしていた昔の2人に戻る。転倒したスマイルの膝からは血が流れる。その血を指で触り、その血を舐める。同時にスマイルは微笑みながら、心理描写でセリフを述べる。

 「僕の血は鉄の味がする」
ー松本大洋作 『ピンポン』5巻164ページー

 このセリフは1章でも用いられたセリフである。しかしながらこのセリフは最初と最後で全く違う意味を持つ。最初は、笑うことなく、他人に興味を示さない性格であったスマイルが全身鉄で出来たロボットのようであるがゆえに「僕の血は鉄の味がする」と自分を卑下するための表現としてのセリフであった。しかし最後ではヒーローによって笑顔を与えられた。かつてロボットと揶揄されいじめられていた少年時代のスマイルをヒーローがいじめを救い、感情と人間性を与えたように、時を超えて、再びヒーローとしてロボットからを感情を与えた。ロボットから人間へと変化したことを示すために、人体の血管に流れる、鉄分の含まれる血の味がすると述べたのだ。つまり最初はロボットだから、最後は人間だから「僕の血は鉄の味がする」とスマイルは述べたのであった。これらからヒーローは喜びを与え、ロボットになった少年を救いだす、いわば「救世主」として表現されている。


https://note.com/bright_fairy722/n/na29e06d1413d

いいなと思ったら応援しよう!