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100キロの山のレースで起きた奇跡①
「100キロの山のレースで起きた奇跡」
突然、こんなキャッチーなタイトルで書いてみようと思った。
2010年だから、もう15年前のことになるけど、わたしは100キロの山のレースで制限時間内にゴールした。このレースは木曽の御嶽山の周りを走るものだった。
木曽とはエリアは違うとはいえ、その数年後に同じ信州に移住することになった。そして、その移住に向けて最終的に動き出したきっかけは、また、ロングトレイルの大会で感じた「感覚」「直感」にあった。この話はまた、別の機会に。
現在は100マイルと100キロの二つの距離で行われている「OSJおんたけウルトラトレイル」。2010年当時は距離の設定は100キロしかなく、また大会直前のトレイル状況により、実測は105キロだと事前アナウンスがあった。
大会開催は7月、海の日連休。深夜0:00にスタート。
スタート前にトイレに入ってしゃがんだときに見た腕時計がゾロ目、つまり11:11だったのを今でも覚えている。当時はあまりそういうのにはなびかない方だったけど、単純に「何かあるな」と感じた。これから初めての100キロ、未知なる道になんとなくワクワクした。
ちなみに100キロなんて距離はそれまで走ったことも歩いたこともなく、御嶽山に行ったのもそのときが初めてだった。全くもって無謀な参加者だ。
「みんなでUTMB(ウルトラトレイルドゥモンブラン、モンブランを走る世界的な山岳レース)目指そうぜ!(UTMB参加は、指定されたレースを完走したポイント制)だから、まずはポイントレースである、おんたけに出よう!」
参加のきっかけはトレイルランに熱心な先輩のこんな誘いだった。
世界に名だたるモンブランを走る山岳耐久レースに出よう!なんてわたしも考えたわけじゃない。とりあえず、当時仲間うちでブームであったトレイルラン大会にみんなで出るのが楽しかった。そんなノリで参加を決めた。
とはいえ、その二年前に、やっぱり先輩方に誘われてノリで初めて出た「日本山岳耐久レース」(通称:ハセツネCUP) 71.5KM で24時間の制限時間ギリギリ23時間半でゴールした経験があったのでなんとかなるだろう、そんな楽観的な考えもあった。
おんたけウルトラトレイルの距離は100KMで、制限時間は20時間だった。
「単純計算で時速5キロで行けばゴールできるよ!普通に歩くのが時速4キロだから登りは早歩き、下りは走れば大丈夫!」
軽薄にそう言い放った、走り慣れているはずの先輩はなぜかトレーニングしすぎが祟り、レース当日は早々と第一関門でリタイアするのだが(笑)、この「時速5キロで行けばゴールできるよ!」がわたしの支えとなった。
今回の記事で出てきた奇跡はスタート前に見た時計がゾロ目だったこと
(長くなりそうなので、もったいぶるけど次回に続く)
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