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宮古・大神島 ②まず、本島へ

2024年11月、鳥取・大山(昔は大神山といった)の旅について書きはじめたけれど、その一年前に宮古島の大神島に行ったこととどこか繋がっているような気がして、書きはじめた第二回(以前Facebookに書いたものに加筆)。

前回の話はこちら↓


前回、大神島のことを書いたら、25年ほど前の学生時代にフィールドワークで行ったことがある、と某大学で教職にあたるアーティストからメッセージをもらった。当時の印象を色々ときいたけど「怖いところでしたー」と。その怖い話はここには書けないけど。

それ事前に知ってたら、めんどくなって行ってなかったかもしれない。いや、知らなくても今回の旅は今までにないくらいになぜだか行くのが面倒で気が進まなかった。
それでもなんとか宮古島に着いて、先乗りしていた友人、Wちゃんに空港まで迎えに来てもらって池間島まで向かった。

yurai *というグループの唄い手、Emaさんのワークショップが池間島の海を望む公民館で行われて、それに参加するのが一応、旅のメインの目的でもあった。Emaさんから伝えてもらった、うたとリズム、踊りはwautaと言う。11/8の立冬の日に奈良でみんなで集まって、輪になってうたい、おどる予定だ。

*翌2024年11月の大山でもyuraiさんのライブがあった

ワークショップの合間に一緒している宮古移住者に「竜宮の入口」の話をしてみた。
「それは知らない。けど、宮古島自体が太陽(ティーダ)と龍の島だときいたよ」。
太陽というときは天を指し、海を指差しながら
「珊瑚でできている島だからね」
と話してくれた。太陽と龍の島かぁ、それはなんだか素敵!

池間公民館下のビーチから海。左手に見える白い鳥居は大主神社だそう
行ってないけどネットには色々載ってた

ワークショップのあと、公民館のすぐ下のビーチで今回の旅にも持ってきていた法螺を練習した。見かねたのか、同じピンク法螺貝を持っているWちゃんがをコツを教えてくれた。そしたら今までなんだったんやろ、ってくらいに音出やすくなった。

法螺をきいて、近所のおじさんが話しかけてきた。
「それも法螺貝なの?」「そうなんです、山伏のとは違うでしょ」「初めて見た」「石垣の方では山伏の法螺貝は海で拾ったって話きいたけど、こっちでもあります?」「あるよ。ここらにもコロナの頃に宮古の街の方から買い取りの人が来て回って行った」「へぇ」「法螺貝買い取ります、ってチラシ持ってきてね」「そうだったんだ」「一つ一万円かな、大きいので二万円」「そう」…もう少し話し続けていたらどこかのうちに貝があるか訊いてまわってくれたかもしれない?けど、なんとなく話はそこで終わって翌日、そのときの買取人の名前と連絡先が載った紙だけ見せてくれた(笑)

その日はちょうど、宮古・島尻地区のお祭り「パーントゥ」の日。
泥まみれで泥の仮面を被った厄除けの神に泥を付けてもらうと無病息災になるのだというお祭り。気になりつつも宮古の街の方で友人と約束しているし一日に数本しかないバスで市街に向かうことにした。

池間漁港バス停でバスに乗り込むとわたし一人、先客なし。
運転手さんは「今日はパーントゥがあるよ。島尻通るからバスからも見える」と。途中のバス停で通勤帰りなのか、おばさんが乗ってきた。

バスは大神島を左手に見ながら池間大橋を走っていく。おばさんとなんとなく大神島の話になった。

「宮古で生まれ育ったけど大神島は行ったことないのよね。海の向こうに見るだけ」。

島尻の集落を通ると、話にきいていたように泥まみれのパーントゥ、それから観光客らしき人が続々と集まってくるのが見えた。今は新聞やテレビで取り上げられるこのお祭りも、島尻の集落以外の宮古の人にとっては縁がないものだったんだろう。

街中でバスを降りて、豊田監督に「宮古行ったら行くといいよ」と教えてもらったパリギャラリーに寄ってみる。
東京にあってもおかしくない、コンクリ打ちっぱなしでカフェバー併設のおしゃれなギャラリー。暑くて喉も乾くのでオリオンビールをもらってから、スタッフの人と話す。展示してあるのは宮古出身の書道のアーティストの作品と宮古に縁ある石川直樹の写真作品。中に先ほどバスから見たパーントゥの泥の神の写真があった、石川直樹の2007年頃の作品だそう。

おしゃれなパリギャラリー

カントクに教えてもらって来たこと、大神島の名前を伝えると
「宮古出身ですけど、地元が違うから大神島は行く機会なくて。監督に誘われて一緒に行くまで行ったことなかった」と。
そっか、そうなんだー、結構みんな知らないんだなぁ。

帰り際「宮古のことでなんかあったら連絡ください」カントクの名前を出したのもあるんだろう、そう声をかけてくれた。
でも、今知りたい大神島のことは詳しくないようだし、宮古のこと、どこまで首突っ込むのかわからない(というかそのつもりもあんまない)。
けど、その言葉はありがたかった。

(宮古・大神島の旅の話、つづく)

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