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きっかけはわたしから

今日は村のお手伝いで行ってるアルバイト。村の特産品ともいえる、この地域の大豆「西山大豆」を使ったお豆腐やおから、味噌、醤油を長野市内のコープや農協直売所に配達して回る。往復80キロ越え、マニュアルの軽トラ冷蔵車で。

直売所は3つ寄るけど、そのうち一つ、なんとなく気にいってるお店がある。単純に店舗が広くて天井が高く、明るい感じがするからかもしれないのだけど、そのお店ではなんかリラックスする気がする。
そんな訳でその店で店頭に商品を並べるときは「業者風」なフリで手早く作業しつつも、近くを通るお客さまがいらしたら「いらっしゃいませ!」と元気に声をかけたくなってしまう。他店でもときに声かけはするけれど、他店ではあまりやりとりまでは至ったことはないかもしれない。

今日もたまたまショッピングカートを押し歩くお客さまが近づいて来られたのでお声をおかけした。
「えー青豆豆腐?珍しいわね」「おからも普通のと青豆とあるんですよー」「あら、じゃあふたつとももらうわね。おからは何しようかしら、何してます?」「炊く以外ですか…ハンバーグや餃子の具、パンケーキに混ぜるとかどうですか?」「なるほど混ぜるのね!やってみるわ」

ほんの一分もないやりとり。マスクで目元しか見えないからお客さまの表情はわからないけど声だけであっても微笑みが感じられた気がした。
そして、少しだけ空気の流れが変わったようにも感じた。

つまり「きっかけはわたしから」なのかもしれない。
わたしから話しかける、オープンにしていく、こと。

といっても、いっつもこんな風な調子でもない。恥ずかしいし、こちらからどう接すればいいんだろう。戸惑ったり考えてしまってぎこちなくなったり、自然にふるまえないことも多々あるのだけど。
まぁ、そのときはそのときでいっか。気分が乗らないまま、だと自然にふるまえないのは最もだから。

それが何であっても、出会いでも、場づくりでも、機会でも。
「きっかけはわたしから」つくる、はじめる。
けれど、かっちりそうする!と決め過ぎずに、そうしたいときはそうできる、自然とそうなっている、という在り方で。

日常的なやりとりを書き留める中の、ふと、あらためて気づいたことだった。


答えはすでに自分の内にある。
わたしができるのはそのお手伝い、だけ。

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