見出し画像

保護犬の譲渡会にて、菊子と犬凛は一瞬で
両想い運命的な出会いとなり一緒に暮らしている

 ~Story~

教育熱心な父親と自然志向が強すぎる母親の
もとで育った菊子。医学部を首席で卒業した菊子は、
在学中に海外の医療現場での研修に参加した経験もある。

そのころの菊子は常に、勉強や食生活、すべてにおいて
完璧主義。ただ卒業と同時に完璧を求めるあまり、
自分を追い込みすぎてしまう。

体を整える方にも神経を使い過ぎてしまいついに
体調を崩してしまう。

いったん立ち止まり、思い切って旅に出る。
何かからの逃げたかったのかもしれない。
それは今の自分を一旦忘れるため国内外を巡る旅にでる。

旅先では色んな人々やたくさんの料理に出会う。
海外での市場や屋台では、その料理をみても、
日本のように細かく計算されたものではなく、
もっと自由で心に響く。

そこにいる人々は、種類問わずなんでも
食べることを純粋に楽しむ。お酒も朝から
飲んではとても陽気で長生きの方も。

次第に菊子はこれまで自分なりの完璧主義、
家庭環境に囚われ、また食べる楽しさを
忘れていたことに気づく。

しばらく長い旅から戻ってきた菊子は、
30歳の時にずっと憧れていた東京の神楽坂に
小さな小料理屋を開業することを決意。
菊子にとって、料理を作ること、そしてそれを
通じて人と触れ合うことが何よりも大切に思えていた。

暖簾をくぐって来るお客さんに笑顔で迎え入れ、
その一瞬一瞬に喜びをかみしめる。

カウンター越しに客と会話し、料理を出すたびに、
彼らの表情や体調を観察するのが何よりの
楽しみになっている。

菊子は腸活が苦手、医学を学んだ経験から
自分の身体に気を使うべきだというのは
分かっていたが、なぜかそれを避けてしまう・・・

犬凛はいつもお店の奥でパソコンをしながら
静かにお留守番。結構忙しくしている。

菊子さんと自宅からお店への往復の散歩が日々の楽しみ。
また、バイリンガルな上に耳もいいので行き交う
外国人の言葉がすぐにわかるため、何を話しているのかを
すぐに菊子さんに伝えると会話が弾み、
菊子さんは楽しそうに聞いてケラケラ笑っている。
そんな姿をみて犬凛は心から幸せな気持ちになる。

つづく・・・・・