「建築士が築45年の中古物件を買ってリフォームしてみた」②-2 建築士が物件探しのポイントとしたところ 間取り変更の考え方編
おはようございます。設計部の室木です。
今回のNOTE記事は私が担当いたします。
私の記事では、「建築士が築45年の中古物件を買ってリフォームしてみた」として建築士主観での内覧の経緯からリフォーム完了後の住み心地(予定)までを連載記事としてリポートいたします。
前回に引き続き今回は 間取り変更の考え方 をお送りします。
間取りを元に話し合う
まずは不動産の物件情報から間取り図を印刷します。
そしてコピー機の倍率で間取りの縮尺が1/100(定規の1cm=図面の1m)になるように拡大・縮小コピーをします。このとき、図面内に寸法が記入してあれば計算で出るのでわかりやすいです。ちょうど1/100になるようにコピー倍率を101%や99%に微調整して数回印刷します。
例:
図面では1mで記載されているところが、定規では1.5cmだった場合
1.0m÷1.5m=0.6666・・・
66%で縮小印刷すれば図面の1m=定規の1cmになる(・・よね?あれ?なる?)よし、急に数字がたくさん出てきましたがまだ難しくありません。一旦深呼吸して落ち着きましょう。ダイジョブケイサンコワクナイ。
このとき図面に寸法の記載がない場合は少し難しいです。和室の畳を1枚910mm×1820mmと仮定(地域によってサイズが違いますが今回は計算しやすい数値で仮定)などの建築ルールを元に家の大きさを割り出します。ケイサンコワイ。
だいたい縮尺が定規の1cm=図面の1mに合ってくれば、次はそこに基準の線を縦と横に書き入れます。木造の場合は図面910mm毎、マンションなどの場合は1000mm毎で書き込みます。(何故木造とマンションで違うのかは長くなるので省きます。気になる方は「木造 910」などで検索!)
縦線と横線を定規で9.1mm毎に書き入れた図。スタートは1階の右上角からにしてみた。
やっとプラン作成です!
図面にトレーシングペーパーを重ねて、マスキングテープで借り止めし、定規の1cm=図面の1mを意識しながら間取りを書き込んでいきます。
左のをぺラッと重ねるとプランA、右のを重ねるとプランB
ご自身の家のキッチンの長さや、冷蔵庫の大きさ、お風呂の広さなどを図りながら、もっと大きくしたい、広くしたいなど家族と一緒に話し合いながら書いては消して進めてください。
このとき、大きくリフォーム価格を上げないためのポイントは
① 水周りは基本あまり動かさない(壁付けキッチンを対面式になどはOK)
② 階段の位置は極力動かさない
③ 2階の外周直下の壁・柱は極力動かさない(耐力壁であることが多い)
④ 窓の位置は極力動かさない
⑤ 外壁の位置は極力かえない(容積率や建蔽率などのややこしい法律が顔を覗かせます|ω・`)チラ)
になります。
こういったところが新築と違うポイントですね。
いかに既存のものをうまく利用できるかがリフォームの価格を抑えるキモとなります。
ちなみに我が家の場合は階段の位置はリビング希望でしたのでそこはしっかり動かしました。
間取りを考えるときは一日の生活動線、家事の生活動線などをシミュレーションしてみましょう。
我が家は家族それぞれの朝起きてからの一日を子供の指人形を使って人形遊びをするようにシミュレーションしました。こら!早く着替えなさい!
結果、トイレが二つ必要、各部屋の収納不要でファミリークローゼットを選びました。
トレーシングペーパーは何枚も重ねたり剥がしたりしながら納得のいく間取りをつくっていきましょう。
以上の方法で間取りを考える流れが意外に簡単にできます。
うちは一度作ってみせると私が仕事の間に奥様がどんどん間取り案を作成してましたね。
ですがそれでもどうしてもうまくいかない場合は、その物件では自分の納得できる間取りにはならないのかもしれません。
でもこの物件が諦められない・・・そんな場合はお近くの建築士さんに相談してみるのも手です。なんといっても間取り作成のプロですので。
最後に注意点です!
元の建物には構造耐力上動かせない柱や壁などが存在します。
また階段がかけたい位置に大きな梁がいることもあるでしょう。
ですので作成した間取りが100%実現するわけではなく、あくまでも施主としてこうしたい間取り案!として考えてください。
またまた長くなっちゃいましたので
次回、建築士が物件探しのポイントとしたところ-3 内覧編
に続きます!
設計部 室木
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