刃牙を読んだ人はなぜすぐ刃牙の話をしたがるのか
刃牙を無料公開してるとかで、ちょっと語りたくなったので書いておこうと思う。
刃牙はひたすら殴り合う漫画ではないんですよ!
刃牙が格闘漫画であることを知ってる人は多いと思う。大まかに括ったらそれは間違っていないけど、じゃあその中身はずっと戦っているのかと言われると、そうではないのがこの刃牙という漫画。
この漫画の内訳は、私の印象では
戦闘シーンが3割、日常シーンが3割、エピソード(武勇伝)が3割、グルメが1割
という感じ。それぞれのシーンについて語っていきたいと思う。
戦闘シーン
意外と言及されることは少ないけれど、この漫画は本当に絵が上手い。もはや異形と言いたくなるくらいの筋肉量のキャラがたくさん出てくるけど、その肉体も美しい。
全く異なる、それも知らない格闘技同士の対決であっても美しい構図でその強みを見せてくれる。
日常シーン
酒飲んだり、デートしたり、鍛錬したりといった日常シーン。この漫画の異常さは、全てのシーンが「強さ」につなげてくるというところにある。常に戦いに身を置くものはどんなふうに生きているのかの描き方が、笑っちゃうほどメチャクチャな描写と共に出てくる。有名なのは主人公範馬刃牙の家。直接戦っても勝てないのがわかっている不良たちから壁から屋根までビッシリと落書きされている。
そのほかにも刃牙は学生なので体力測定をするんだけど、最低点を出し続ける。その理由も彼の強さと紐づいているんだけど…、など、予想もできない日常も見どころになっている。
エピソード(武勇伝)
いくら上手い絵でも、戦い方だけで強さを表すのには限界がある。そこでどうやってキャラの特徴を出すかという話になってくる。そこでエピソードの出番。この武勇伝の豪快さがこの漫画のキモと言ってもいいと思う。
例えばジャックハンマー。コイツはどんな代償を支払っても強くなりたいと思う男である。この紹介だけ読んでどんなことをしているか考えてほしい。
1番イメージしやすいのはトレーニングだろう。もちろん彼はトレーニングをしている。じゃあどれくらい?
答えは「日に30時間の鍛錬」である。四六時中どころではなく、30時間。精神と時の部屋などはないので当然比喩なんだけど、それにしてもこの表現が出てくるのは真の天才だと思っている。
彼が行っているのはトレーニングだけではない、大量のドーピングも行っている。スポーツであれば許されない行為でも、そんな栄誉は要らない彼にとっては手段のひとつとなる。
彼の戦い方は、噛みつきである。女子供の技だなどと言われても技ではなく力を求め、それで効率よく破壊するための技として辿り着いたのが噛みつきなのだ。
常識外れだけど、一貫した思想を持って強さを求めるキャラ。そんな奴らが何人も出てくる。そして、この漫画で繰り広げられる出来事や戦いによって、新たな武勇伝はリアルタイムで生まれてくる。そして、それを目撃した人はすごいものを見たと語りたくなる。だからこそ刃牙を読んだ人はすぐ刃牙の話をしたくなるのだ。
それはまるで、神話を語り継ぐのと同じ。刃牙のキャラクターたちは英雄そのものなのだ。
グルメシーン
食べているものがやたらと美味しそうなのもこの漫画の特徴だ。料理の細かい紹介があるわけでもなく、手間暇かかった料理というわけでもない。それでもなぜか食べているシーンが魅力的になっている。
格闘技に興味がないから刃牙を読まない。というのは本当にもったいないと思っていて、ネタではなく、漫画として面白い作品だと胸を張って言える作品だ。ぜひ読んでみてほしい。『グラップラー刃牙』を読んだ方にはこちらのオモコロの記事めちゃくちゃ面白いのでオススメです(ネタバレあり)
https://omocoro.jp/kiji/93564/
それでは。
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