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黒って何種類もあんねん 岐阜県美術館 ルドン展感想
昨日の山本芳翠展に続いて、岐阜県美術館のルドン展の感想。山本芳翠展の感想はこちら。
ルドンは岐阜県美術館が多く収集している作家で、他には三菱一号館などでも見ることができる。
彼の作品は大まかに白黒のリトグラフと、優しい色彩の油彩画の2種類に分けられる。今回の展覧会の作品もその例に漏れない。…けど作品数があまりにも多い!なんと約300点にも及ぶ作品が展示されている。
これまでそこそこルドンの作品は見てきたもんだと思っていたけど、これだけの作品をまとめてみたのは初めてだし、だからこその発見があった。
展示の多くはリトグラフ。怪物のような不気味な雰囲気のものと、天使のような神秘的で神聖なものの両方があったけど、たくさんの作品を見たことで共通する雰囲気みたいなものも感じ取ることができた。対象の質感みたいなものを意識して、同じ黒でもさまざまな描き方を駆使していた。そのおかげで見た目はおぞましい雰囲気のものでも、どこか親しみを持って見ることができた。
作品のもう1種類は、カラフルな油彩画。白黒の不気味な雰囲気から一転して全く別々の絵画に見える。これまでの私は全く異なる絵画のように捉えていたけど、今回作品を見て感想を新たにした。
白黒のリトグラフによって塗り分けられていた質感が、油彩画にも生かされていて、油彩画は使う絵の具で色を変えられるのは当たり前なんだけど、それと合わせて塗り方まで工夫することで、想像を超えた表現の幅が出ていた。そんな視点で見ると彼の2種類の絵が繋がって見ることができて、楽しい鑑賞ができた。
花をはじめとするモチーフの形は結構独特なんだけど、色の調和によって、不思議とバランスよく見えた。
いちばんのお気に入りは『窓』。ステンドグラスをキラキラする感じではなく、優しく光を溜め込んだような雰囲気がうつくしかった。画像もいいんだけど生で見た時はやはり別格だと思った。
PARALLEL MODE:オディロン・ルドン-光の夢、影の輝き-
— 岐阜県美術館 (@gifukenbi) September 15, 2024
開催まであと12日・9/27オープン
\展示予定作品のご紹介/
オディロン・ルドン《窓》1906年頃 岐阜県美術館蔵
2022年収蔵後、展覧会としては初のお披露目です#オディロンルドン #ルドン #Redon #PARALLELMODE #窓 #岐阜県美術館 #清流の国 pic.twitter.com/7hwxpkT6F2
来年4月には東京のパナソニック汐留美術館にも巡回する予定だけど、山本芳翠展も素晴らしいのでぜひ岐阜までどうぞ。それでは。