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宅録家はレーベルに所属するべきか | カセットテープのリリース詳細など

『あなたの住む街にはもう行かない』(カセットテープ) ¥1500


All Produced by ヱスケー
support : NOSHI Z LABEL
サブスク& Bandcamp

A面

01. 静かに暮らす
02. 連休でもないのに
03. 冷たい頬、外の匂い
04. 何が欠けても
05. あなたの住む街にはもう行かない
06. ヱスケーは明日も生きるだろう
07. 旅の終わりはいつも少し寂しい(bonustrack)

B面

01. 静かに暮らす(instrumental)
02. 連休でもないのに (instrumental)
03. 冷たい頬、外の匂い(instrumental)
04. 何が欠けても (instrumental)
05. あなたの住む街にはもう行かない (instrumental)
06. 人生は洗濯の連続(bonustrack)

▽取扱店舗
【札幌】
シャンティブックス
HairCut VOX(LIKE A DREAMING GIRL)
【東京】
shibasaki mod
ゆうらん古書店
バサラブックス
ディスクユニオン(お茶の水店、池袋店、神保町店、渋谷クラブミュージックショップ、下北沢店、吉祥寺店、町田店、下北沢クラブミュージックショップ、シネマ館・ブックユニオン新宿、新宿ソウル・ダンスミュージックショップ)
【埼玉】 ディスクユニオン北浦和店
【千葉】 ディスクユニオン千葉店、柏店
【神奈川】 ディスクユニオン横浜西口店
【大阪】 ディスクユニオン大阪店

【オンラインストア】
WENOD
TOWER RECORDS
HMV
Amazon

今年の4月に配信したアルバムをカセットテープで出した。
今回はヒナノシ主宰のNOSHI Z LABELからのリリース
前回フィジカルリリースをしたのが2018年なので6年振りになる
僕のような無名な地方の宅録家がフィジカルリリースをするのはかなり難しい、難しいというより厳しい。自主制作ではなかなか元が取れない。そうなるとレーベルのバックアップが必要になってくる
そもそも話を持ちかけられなければ作ろうと思わなかった。

レーベルにはアーティストが自身の活動を行いながら運営を行うものと会社として運営されているものがあると思う。
以前所属していたTokyo Togari Nezumiは前者、今回は後者に当たる。
前者の形態は不安定だ。何しろアーティストが自身の活動の傍らレーベルの運営も行うのだからやれることが限られる。半ば趣味のようなものでちょっとしたことで存続が危ぶまれることになる(しかしそのアーティストに認められているというハンコがもらえるのは魅力的でもある)

それに対して今回お世話になったNOSHI Z LABELは仕事として業務にあたってくれるので安心感がある。そもそも母体がデカいし。
ディスクユニオン内のレーベル「DIW」の中の更に細分化されたレーベルが「NOSHI Z LABEL」だ。要するに「社員ひとりひとりがレーベルを持っていてリリースする権利がある」ということらしい。漫画で言うと担当がついたみたいなことかな

レーベルに所属するメリットはまだある。営業も告知も人付き合いも苦手な僕からすれば制作以外の負担を減らしてくれるのがありがたい。レーベルの規模によって当然パワーが変わってくるのだが、その力加減も自分にとっては調度良い。あまりに積極的に進められても疲れるし、やらなすぎても不安だし、交友関係の延長にありながら仕事として動いてくれるので気が楽だ。
ゆるさと熱量のバランスもいい

最初はCDで、という話だったが内容やサイズを考えてカセットテープに落ち着いた。できる限り自分でやりたいというのがあって前にCDを作った時も自分でやったし「まあいけるでしょ」と取り掛かったが思ったより難しい。
CDってデザインし易いように出来てたんだな〜
何個かミスったことにモノが届いてから気付いたんだけど、買ってくれた人は気付いてるのだろうか…できれば気付かないで欲しいけども。

デジタル配信ばかりやっていると収録分数に縛りがあることに慣れない。
EP自体が12-3分で片面15分のカセットテープを使用した。多少余裕があるのでボーナストラックを付けることになって、それも最初はB面の最後に2曲入れたかったんだけど、どうしても入らずA面とB面に一曲ずつ。分数の調整の為にB面にはアウトロを入れたのだけど、制限があるからこそ出来たものという感じで良かった。

ディスクユニオンの週間チャート4位という生々しい結果が出ていた

デジタル配信にしてもそうだけど数人が同時に買うだけで瞬間的にチャート上位に入ることができるものなのでこういうのはあまり気にしないのが吉だ。しかし、それなりに買った報告を受けたり既に売り切れている店舗が出ていたりするので普通に喜んでもいいのかも。やった〜

カセットテープにはインスト、ボーナストラックだけではなく吉田棒一さんの文章も付いてくる。タイトル曲をテーマに書いてもらった作文だ

ボーナストラック以外でフィジカルならではの特典をという話になった時に真っ先に吉田さんに文章を書いてもらうというのが思い浮かんだ。
以前から懇意にしてくれていたし、NOSHI Z LABELに声をかけてもらったのも吉田さん繋がりだったのだ。
吉田さんの文章はいつもの作品の延長上にありながら温度を合わせてくれたと感じた。依頼した時点では明確に「これ」というものがなかったのだけど、文章が送られてきた時に自分はこういう文章を求めていたんだなと気付かされた。それで自分も何か書きたいなと思ってEPの補足になるようなエピソードを書いたのだけど不快に感じないか少し心配だ。パーソナル過ぎるしネットには書きたくなくて、でもまあカセットを手に取った人だけ見るならいいかと思うところもあった

互いの作品にサインをし合うヱスケーと吉田棒一

で、カセットテープに書いた内容の後日談になるんだけど僕のYouTubeを見たらしい母親に「今も父親と繋がりがあるのか」と聞かれカセットテープに書いた内容を話した。墓まで持って行こうと思っていたのだけれど母親の態度が軟化したこともあり打ち明けることができてスッキリした。それだけの時間が経ったということなんだろうね

ダウンロードコードを付けないというのはヒナノシの提案なんだけど結果として付けなくて良かったと思う。前はCDだったからそんなに感じなかったんだけど、フィジカルリリースをする意味が少しわかった。時間を贅沢に使って音楽を聞くのっていいと思う。充実感がある。わざわざカセットで出したんだしカセットで聞こうぜ。

noteをしばらく書いてなかったので書くことがたまっている。タイトル曲のMVを友達のcola_drunkに撮ってもらった。

彼とも随分長い付き合いになった。colaくんも以前は曲を作ったりしていたが今はそういうことから少し距離を置いていて、僕はそれが寂しくていつも無理に誘っては映像を撮ってもらってる。頼んだら良いものになるってわかってるし特に良い曲ができた時だけ頼む。
「撮った映像の順番を入れ替えたりすると架空の街ができる」と言っていたのが印象的だった。

『何が欠けても』の歌詞のこの部分はcolaくんのこと

"会わない期間に同じものを見て過ごしていた 「僕たちはどこか似ている」 そう言われたことが嬉しかった"

https://kikuchisk.bandcamp.com/track/--161

映像は『あなたの住む街にはもう行かない』のループが組めた時点で撮っていてその映像をもとに歌詞を書いて構成を整えて、またそれに合わせて映像を編集してもらうという手間のかかることをした。
この曲は作業が難航して半年以上歌詞が書けなかったんだけどなんとか仕上げた。本当に終わらないかと思った。colaくんにも「思ったよりかかりましたね^^」と言われる

カセットテープの作業を終えてからは映像にBGMをつけるのが楽しくてそればかりやっている。使っていたデジタルハリネズミが壊れてすぐデジタルハリネズミを買った。少しバージョンが違うから映像が変わって見えるかも。
それと今まで時間をかけて作っていた反動でサクッと作れる曲を何個か出しているのでそろそろ纏めてもよさそう。
そういう曲って自分の場合は文句ばっかりになっちゃうんだけどね

生活に多少余裕が出てきたので子供の頃欲しかったものを見つけては買うということをしている。最近はドリームキャストを買ったのでゲームしながらなんか喋るみたいなことをしてもいいのかなと思ってる。それに需要あろうがなかろうがどうでもいいんだけどなんか、たまには。


旅の終わりはいつも少し寂しい(A面 ボーナストラック)
懐かしいこと不意に思い出して眠りにつけないまま
何が欲しいのか見つけた時に初めて知るみたいに
まだ知らない好きがきっとある
年を取って気付く言葉の意味 機微
皮肉にも全て終わった後で
黒ずんだ雪が残る路肩に駐車場
春が来るのはまだ先のことだ

昔 弟がくれたポケモンのフィギュアは
メタングって言うらしい最近知ったよ
同じ言葉を使っている筈なのに伝わらない歯痒さ
感覚は共有のものじゃない
一人で生きるのには限界があるという
限界まで突き詰めた奴はそれを言わない
誰も保証できない未来、責任 考え過ぎ
時間の経過は生々しく

似たような音と歌詞 俺が俺だって証
同じところループしているようで螺旋 緩やかに上っていく
引き際を弁えている奴だけが現役で居られる
現実を継接ぎにした架空の街
1日の終わりはひとりで迎えたい
自分が必要としているほど他人は必要としてくれない 
旅の終わりはいつも少し寂しい

あなたは同じ話を何度もする
その度に同じように相槌を打つんだ
他人の言葉や表情に人一倍敏感
勝手に突き放された気になる
懐かしいこと不意に思い出して
眠りにつけないまま
恥ずかしいことばかりを繰り返して
また年を取る 時間の経過は生々しく


人生は洗濯の連続(B面 ボーナストラック)
escape 2024年、6月 人生は洗濯の連続だ

旅が終わればまた次の旅の支度へ思ってもいない出会い
想像もつかない方向に知らない道の角を曲がる
VHSの予告映像 AMラジオの地方局
忘れては思い出してを繰り返しているうちに
テープはすっかり伸びてしまったようだ 

いつかの記憶と幾つかの教訓
克服よりも生きやすい環境に身を置く
好意を持つと同時に諦めていたこの恋も
受動的に生きてきたツケを払う
正しくなくても伝わるならそれでいいと思った
(下手糞な持ち方で美しい字を書く人)
居なくなると記憶を消されたみたいに
思い出せなくなるフォロワー
塞がらない穴から心が流れ出した
緩やかなだけに先が長い道
傾いた軸 回る地球 逸れた所 人生の中心
やり続けることでしか行けない場所
言い続けることで変わる意味

お気に入りの服に付いたシミが取れた
どこに付いていたのかとか形、色も 忘れた
人生は洗濯の連続
人生は洗濯の連続
人生は洗濯の連続
人生は洗濯の連続

30半ばになって初めて
恋人ができた友達の話
まだ手を繋いだこともないらしい
あまりにも平和な地元の集まり
刺激 安らぎ 両取りは 難しい
ヱスケーはまた少し形を変える
人生は洗濯の連続
毎日は無理でもそろそろやらなきゃなあ

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