国会議員は即戦力?育成?維新の弱点は―
「外交・防衛分野の経験がある人材を維新はリクルートしてほしい」という声をよく目にします。
私も、維新国会議員団にはまだまだ弱い政策分野がいくつもあると感じていますし、農林水産なんかは活躍できる人材を入れてほしいと思っています。
では、その分野の経験がない議員ばかりだと将来、野党第一党や政権入りしたときに苦労するのでしょうか。
議員になる以前にその道の経験がないと大臣に就任しづらいのかを、防衛大臣・農林水産大臣で10代分遡って見ていきましょう。
関係分野の経歴が確認できた者を太字にしています。
防衛大臣では中谷元のみ。(陸上自衛隊4年)
農林水産大臣では野村哲郎(農業協同組合中央会35年)、金子原二郎(現ニッスイ7年)の2名。
このように、議員になる前の経歴と大臣経験はほとんど一致しないことがわかります。
ただし、自民党は各分野に精通した議員が多くおり、部会でも勉強の機会が多いというのは留めておかなくてはなりません。
また、政務官や副大臣ポストも回ってきやすく、議員になった後の方がむしろ広く知識・経験を積むことができるようになっています。
【結論】
議員になる前にその分野の経験があるに越したことはないが、なくても、経験を積んでいくうちに能力はついてくる。
議員になる前の経験よりも、議員になったあとに勉強することの方が大切。
野党議員であっても、本や論文を読んだり、専門家に教えを乞うことはいくらでもできますし、官僚とのやりとりから学ぶことも多いでしょう。
維新としては弱い分野を補ってくれる即戦力的な議員に入ってもらうのもひとつの手ではありますが、それと同時に、当選後にどれだけ議員を育成できるかに今後が懸かっています。
「維新は外交が弱いな」とか「維新はマクロ経済政策をわかっていない」といった声を真摯に受け止め、他党と論戦を張っても恥ずかしくないレベルまで全議員が成長してほしいです。
いつか政権入りした暁には役所でやっていけるように、日々の研鑽を期待します。