維新・機関紙問題に憂う
事の経緯は足立議員のブログをお読みいただくとして、
一連の流れをリアルタイムに見てきた者として、記録しておかねばならない思いでこちらを書いていきます。
まず今回の焦点である、機関紙の「通常の頒布方法」ですが、「通常」に明確な指定はありません。
ただし条文に書かれてある「機関紙」とは、政治業界の常識的には、しんぶん赤旗や公明新聞のような、有料かつ定期的に発行される読み物のことを指すと考えるのが自然です。
※街頭配布やポスティングに使用するビラのことを「機関紙」と銘打つこともあるので注意。機関紙と銘打つことに法的な根拠や認可はありません。
定義の曖昧な「自称:機関紙」は、選挙期間中も通常の配布方法に限り配布が認められています。これが想定しているのは、年間購読している家庭への配達日が選挙期間内と重なることもあるよね。ということです。
毎月発行でも3ヶ月に一度の発行でも、定期的に発行する機関紙であれば、どこかの地域では必ず選挙期間と重なります。
全国いずれの自治体でも選挙がないという週の方が少ないですから。
毎週のように全国いずれかの地域で起きる現象にまでいちいち規制はできよね、という主旨で認められているものだと思うのです。
その前提があった中、今回の衆院東京15区補選では、維新東京都総支部は本部指示のもと、選挙期間中に街頭配布ビラを機関紙と銘打ち、議員や秘書やボランティアさんに配布させていました。
この指示について、現代ビジネスのインタビューに維新秘書が答えたように、法の隙を突いた、グレーな指示であったと言わざるを得ません。
現場から配布を続けていいのかと懸念する声や、配布を止めておこうという声が上がるのは至って自然なことです。
本部からの指示だからいいんだ。
総務省に確認したから大丈夫だ。
と陣営幹部に言われても、応援に入った議員や秘書やボランティアからしたら、過去に手伝った選挙では一度も取ったことのない作戦だったはずです。
選挙ボランティアでいくつかの陣営に入った経験のある人なら分かると思いますが、1つの陣営だけイレギュラーな行動をしていて、その中に自分自身が入っていたら、そりゃ不安になりますよね。
選挙ボランティアをしたことがない人でも、街を歩いていて、選挙期間中に証紙を貼っていない候補者の名前と顔写真が入ったビラを渡されたら、これ大丈夫なん?と感じますよね。
もし私が支持していない政党が同じことをしていたら、写真を撮ってSNSにアップします(笑)
以上の極めてイレギュラーな、前例のないリスクある行動に対し、足立議員はまず藤田幹事長に直接、忠告を申し上げたとのこと。
しかしそこでは安心できる返答はもらえず最小限の発信をした。
その日の夜に電話で柳ヶ瀬東京都総支部代表にも忠告したが、そこでも説明を拒否された。
そのため、当該選挙に応援に入る人たちのためにSNSやYouTubeで時間をかけ取り上げることになったというのが経緯です。
足立議員がSNSで発信する前に藤田氏か柳ヶ瀬氏が「機関紙は15区内で普段、このような方法で・このような頻度で配布しています。ですので現在のやり方も通常の配布方法です。」と足立議員に、いや、対外的に説明すればそれで話は終わっていたでしょう。
しかしそれをしなかった。
なぜなのか。
相手が足立議員だったから?
それとも別の説明できない理由があったから?
今回、足立議員の処分を求める上申書が党に出され、党紀委員会に諮問する予定とのことですが、その場では「通常の頒布方法がどのようなものだったか」を事実認定しなくてはなりません。
軽微であっても、処分相当であるとの判断を下すには事実認定が欠かせません。もしかしたら、党紀委員会はそれは仕事に含まれていないと言うかもしれませんが、そうであれば執行部が事実認定をしなくてはなりませんし、処分を最終的に承認する党の常任役員会は、事実認定をもとに判断する必要が出てきます。
つまりいずれかの段階では、必ず事実認定をしなくてはなりません。
もし今回、事実認定がされず足立議員が処分されてしまおうものなら、でっち上げでも何でもありの最低な政党ということになります。
そんな政党ではないと信じてこれまで私は応援してきました。
立憲民主党が本多平直議員に対し党員資格停止処分を下す判断をしたケースに近いものを今回感じています。
いやもっと酷いかもしれません。そうはなってほしくありません。
足立議員の一連の行動に対し、「仲間が戦ってるから今だけは大人しくしといてくれ。終わったら発信してもいいから。」くらいのことで済む話が、なぜ処分を求められる、しかも除名処分まで求められないといけないのでしょうか。まったく理解不能。
足立議員が起こした行動と、求める処分の軽重がどう考えてもアンバランスです。
「高めの処分を求めてそのまま通ればラッキー、それより下の処分になってもダメージを与えられる」のような恣意的なものを感じてしまいますが、そこは見る人によって様々な視点があるので何とも言えません。
党紀委員会ならびに執行部、常任役員会の皆さまには適切な判断を求めます。