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フリーランス薬剤師を副業から始めよう|派遣薬剤師との違いも解説
いつもご覧いただきありがとうございます。
私は、薬局とフリーランス薬剤師のマッチングサービスSUPPOND(サポンド)を運営しつつ、フリーランス薬剤師としても働いております。
今回は、副業でフリーランス薬剤師を始めたい方向けの内容です。派遣薬剤師との違いも解説しているので、副業を検討中の方はぜひ最後まで読んでみてください。
※本記事における「フリーランス薬剤師」とは、薬局と雇用契約ではなく業務委託契約を結び、現場で薬剤師業務を行う人のことを指します。
薬剤師の資格を持って、現場薬剤師以外の働き方で収入を得ているフリーランスは含めません。
フリーランス薬剤師を副業で始めることは可能|就業規則は要チェック
最初に結論をお伝えしておくと、正社員で薬局薬剤師として働いていてもフリーランス薬剤師を副業から始めることは可能です。
ただし、以下に当てはまる場合はフリーランス薬剤師として働けないため注意が必要です。
正社員として所属している店舗で管理薬剤師をしている場合
公務員の場合
就業規則で副業が禁止されている場合
管理薬剤師は、副業に関して薬機法で以下のように定められています。
薬局の管理者(第一項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第一項及び第三項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。
つまり、管理薬剤師を担当している店舗以外の薬局で薬剤師として仕事することはできません。
副業を検討する場合は薬剤師以外の仕事や、学校薬剤師に挙げられるような都道府県知事の許可を得た仕事を選びましょう。
公務員も管理薬剤師と同様、法律により以下のように定められています。
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
フリーランス薬剤師として現場に出ることは、「営利企業の役員として職を兼ねること」に当てはまるため兼業はできません。
一方就業規則で副業が禁止されている場合は、法律ほどの強い拘束力はありません。
ただ就業規則を破って副業していることが会社に判明した場合、トラブルになるリスクが考えられます。
管理薬剤師や公務員以外の方も、会社の就業規則はあらかじめチェックしておくことをおすすめします。
管理薬剤師の方や公務員の方、会社で副業が禁止されている方でなければ、最初は正社員を続けながらフリーランス薬剤師を経験してみるのが安心ではないでしょうか。
フリーランス薬剤師の業務内容
フリーランス薬剤師は、正社員やパート、派遣薬剤師として薬局で働いたことのある方であれば基本的に業務内容は変わりません。
社員とフリーランスの大きな違いは会社との契約形態であり、契約形態によって仕事内容が大幅に変わるわけではないのです。
実際に私もフリーランス薬剤師として現場に入っていますが、薬局で働いた経験があれば問題なく対応できます。
社員とやや異なるのは、初めての店舗でも臨機応変に対応する力や、指示がなくても主体的に仕事を進める力が求められることです。
フリーランス薬剤師は人手不足の薬局に期間限定で入る助っ人のような存在なので、周りを見ながら主体的に行動することが求められます。
もし普段の業務で「指示待ちで受動的になっていたな」と感じる方は、状況を見ながら自分がやるべきことを考えるよう意識してみるとよいでしょう。
フリーランス薬剤師を副業で選択するメリット|派遣薬剤師との違い
本業の職場とは別の薬局で働いて副業しようと考えている方の中には、派遣薬剤師に登録することを検討している方もいることでしょう。
フリーランス薬剤師と派遣薬剤師は働き方が似ていますが、大きく異なるのはスケジュールの自由度と報酬相場です。
基本的には、フリーランス薬剤師の方が派遣薬剤師と比較してよりスケジュールの自由度は高いといえます。
副業の場合は仕事ができる曜日や日数が限られているため、単発の条件や曜日を限定した条件の方が働きやすいですよね。
フリーランス薬剤師は1つの薬局に対して複数の薬剤師で人員を補うようなスタイルなので、派遣薬剤師よりも柔軟に予定を調整できます。
また、フリーランス薬剤師は派遣薬剤師と比較して報酬相場が高いのも特徴です。
一般的にフリーランス薬剤師向けのマッチングサービスを運営している会社は、派遣会社と比較して仲介手数料を低く設定しています。
手数料が取られない分、薬剤師の時間報酬に反映させられるのです。
フリーランス薬剤師の求人はマッチングサービスを利用して探すのが便利
最近では、フリーランス薬剤師向けのマッチングサービスを運営する会社がいくつか登場しています。
わたしが運営するSUPPONDもその一つです。SUPPONDでは薬剤師の方とお話をしながら、一人ひとりに合う条件を探して薬局とのマッチングをサポートしています。
契約前の面談から働き始めた後まで、薬局と薬剤師の方が良好な関係を続けられるようサポートします。
SUPPONDではマッチングだけでなく、フリーランス薬剤師として活躍している方の話を聞ける機会もセッティング可能です。
実際に働いている方から話を聞くことで、不安や疑問を解決して一歩踏み出すきっかけになりますよ。
なお下記記事では、実際にフリーランス薬剤師として薬局で仕事された方の体験談も掲載しています。ご興味のある方はぜひ合わせてご覧ください。
フリーランス薬剤師を副業から本業にする際に押さえておきたいポイント4つ
フリーランス薬剤師が気になっている方の中には、「いずれは副業ではなくフリーランス1本で稼げるようになりたい」と考えている方もいることでしょう。
会社員からフリーランスになることで、いくつか変化があるので押さえておきましょう。
社会的信用度を自力で築く必要がある
収入を自力で安定させる必要がある
会社員と同程度の社会保障や福利厚生はない
税金を得るために確定申告が必要になる
それぞれのポイントを詳しく解説します。
社会的信用度を自力で築く必要がある
フリーランスは、一般的に会社員よりも社会的信用度が低い傾向にあります。
会社が今まで社会に対して築いてきた信用を借りられないので、個人としての信用をゼロから築いていく必要があるためです。
たとえばクレジットカードや住宅ローンの審査、賃貸住宅の契約などは、フリーランスになりたての頃は審査を通過するのが厳しくなる可能性もあります。
クレジットカードや住宅ローンの契約、引っ越しなどを考えている方は、会社員を辞める前に手続きを済ませるのがおすすめです。
フリーランスとして信用を獲得するには、確定申告をして収入を証明できる状態になる必要があります。
確定申告は1年に1回なので、社会的信用を得るためにはある程度時間がかかることは心得ておきましょう。
収入を自力で安定させる必要がある
フリーランスになると、収入は毎月固定ではなくなります。正社員であれば月給制が基本ですが、フリーランスの場合は時間報酬になるためです。
自分が仕事をするかどうかはもちろんのこと、薬局側に人員の需要があるかどうかも収入に関わってきます。
収入源を1つの薬局に頼り切っていると、人員不足が解消されたタイミングで仕事がなくなってしまうリスクが考えられます。
副業期間中に複数の薬局と関係性を築いて、安定して仕事を得られる状態にしておくことが大切です。
会社員と同程度の社会保障や福利厚生はない
フリーランスになるうえで理解しておく必要があるのは、社会保障や福利厚生が手薄になることです。
たとえば健康保険や年金は、会社と折半ではなくなるために自己負担が大きくなる上にサポートは手薄です。
有給休暇や育児休暇などの福利厚生もなくなるため、休んだ分収入は減少します。
社会保険や厚生年金と比較してサポートが薄くなることから、必要な保障は自分で補う必要があるでしょう。
まずは仕組みの違いを理解して、副業しながら対策を練っていくことをおすすめします。
税金を納めるために確定申告が必要になる
税金を納めるための手続きも、フリーランスになったら自分で行う必要があります。
会社員の場合は給料から税金が天引きされ、1年間の帳尻合わせは年末調整で実施されます。
しかしフリーランスの場合は、収入を自分で申告して税金を納める必要があるのです。
いわゆる確定申告で、難しいイメージを持たれている方もいることでしょう。
SUPPONDでは毎年、確定申告の時期に税理士の方をお招きして無料でセミナーを実施しています。会員の方であればどなたでも受けられるので、ぜひ活用してください。
なお確定申告については、下記の記事でも解説しています。気になる方は合わせて読んでみてください。
会社員以外の働き方が気になる人はフリーランス薬剤師を経験してみよう
フリーランス薬剤師は仕事内容が会社員の薬剤師と大きく変わらない分、挑戦しやすい副業といえます。
副業禁止の条件がなければ会社員を続けながらでも始められるので、収入面は担保しながら安心してチャレンジしていきましょう。
仕事の獲得は、フリーランス薬剤師向けのマッチングサービスを利用するのがおすすめです。
SUPPONDでは薬局との契約から業務終了後までサポートするだけでなく、実際にフリーランス薬剤師の方と話せる機会もセッティングしています。
一人ひとりの要望に合わせて丁寧にお手伝いするので、少しでも興味がある方はお気軽にご連絡ください。