8000円のパソコンを2万円で売った話
先日面白い体験をしたので忘れないように残していこう。
妻が持っているパソコンを売りに出そうとしていた。
まだ買って数ヶ月であったが、どうも使い勝手が悪いらしい。
そのPCを買った大手家電量販店には中古PC買い取りコーナーがあるらしく、そこで査定して貰えるらしい。
暑い夏の日、妻と二人でそのお店に行った。
中古PC買い取りコーナーはお店の角の角。店員さんに案内してもらわないと分からないほどお店の奥にひっそりとあった。
明らかにテンションの低い店員さんが、持参したPCを査定する。
妻はソフトウェア開発のエンジニアなので、そこそこPCには詳しい。なので店員の手つきを見て明らかに専門でないと分かったようだ。
店員は我々のPCを一通りみて
「おそらく高く見積もっても8000円ですね。ここから詳しく査定してみますが、いかがなさいますか?」と話した。
どうする?と僕が妻に声をかける前に彼女は「じゃあ、いいです」とPCを引き取った。
その判断の速さに頼もしさを感じながら、相手の店員もめんどくさい儲からない案件なので、全く惜しくもないという感じだった。
帰ってから彼女が行ったのは、そのPCに付随しているWindowsのソフトウェアライセンスをメルカリで販売することだった。
今Windowsの最新版はサブスクモデルに移行したので、毎年チャリンチャリンお金を払う仕組みになっているが、ご存じのようについ最近まではライセンスを買えばずっと使うことが出来た。(まぁ定期的に最新版が出るのだが)
よって、Windowsユーザーの中には、サブスクモデルに移行せずに、この古き良きやり方でライセンスを買っている人がいるらしいのだ。
実際にメルカリで妻が売った商品を検索するとこんなに出品している。
そして何よりびっくりするのがその価格だ。
多少の前後はあるが、2万円から1万5000円ぐらいの幅で取引されているのだ。しかも、販売したら速攻で売れているらしい。
改めて整理しよう。このソフトウェアを搭載したPCを、大手家電量販店に売りに行ったら8000円と言われたのだ。
これを見て妻も18,000円で価格設定して即日売れていた。
さらに残ったPCだ。
もうWindowsさえ入っていない中古のPCだ。
さすがに値が付くのかと思ったが、ものは試しにメルカリに出品してみた。(もちろんすべて詳細を書いて)
出品した価格およそ1万円。。。
さすがに無理だろうと思ったら、即売れた。驚きだ。
購入者も勘違いしていないか不安になるぐらいの即売れだったが、画面の小さな傷に至るまで詳細に書いてあるのでそれも考慮してくれたのだろう。
なぜ売れたんだろう。
完全に考察でしかないが、ほぼ新品に近いPC「部品」を購入したい人にとってはお買い得だったのではないかと考えた。
私の知人にも買った中古PCを解体して、必要な部品だけ使って自作のPCを創るのが好きな人がいる。
購入者がその目的かどうかは分からないが、何か意図があったのだろう。
長くなったが、改めての一連の出来事を通じた学び。
中古PC屋さんにとっては、価値のないPC。
でも、違った観点から価値を感じる人はいる。
世の中便利になって「買ってくれる人(中間業者)」はたくさんいる。
その便利さに油断をしてしまうと、ビックチャンスを逃してしまうこともある。
その製品を求めている本人に売るという当たり前のことだが、こうまでも結果が違うのだ。
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