ドラマ『ホットスポット』に救われる。「余白」「間」って大事ですね
最近、ドラマ『ホットスポット』がとても好きです。テレビやネットで、あまり触れたくないな、見聞きしたくないなと思うニュースが次々と流れてくるなか、ふと、この作品を見たのです。そうしたら、救われました。東京03の角田晃広さんが宇宙人という、現実ではあり得ない設定。それなのに、物語のセリフと役者陣のお芝居がリアルなものだから、一度見始めると笑いっぱなし! 和みます。
このドラマの大きな魅力は、「余白」にもあると思います。現代は情報過多で、テレビもネットもつけると何かと忙しく、映像は字幕付きがほとんどです。そんななか、シーーンと、ボソッと、ゆる~いコンテンツに触れるとホッとします(アキ・カウリスマキ監督の映画『枯れ葉』を見たときも、同じ感覚を味わいました)。
考えてみると、私が録画している番組のなかに、『徹子の部屋』と『ボクらの時代』があるのですが、これらをのんびり見る時間がなぜ好きなのか? と考えてみると、この2番組に字幕がないからという点も大きいです。情報が極力抑えめで、見ているこちらに「間」を与えてくれる。そういう時間が心を落ち着かせてくれるのかもしれません。
キクカクハナス仕事をしていると、お相手の話を聴くときの相槌の打ち方や、返答の際の言葉の選び方には、やはり気を配ります。ただ、「余白」「間」の大切さを考えると、黙って話を聴くほうが好意的な場合もあるのですよね。何も、いつもいつも「あ、そうなんですか!」とか「うわー、そうなんですね!」などと発さなくても、静かに口を閉じたまま、表情だけで感情を表すほうが、お相手に気持ちが伝わることもあります。
私の場合、「余白」「間」を意識しなかったために、過去に、取材対象のかたに注意をいただいたことがあります。お相手の業績が素晴らしすぎるので、「すごい!」という言葉を連発したところ、「それは……、ちょっとよくない」と。つまり、もっと違う表現を織り交ぜて、深みのある取材をしないでどうするんだ、という意味です。このときは、ご指摘にショックを受けるどころか、あ、ホントだ! と、自分の稚拙さを認識。注意いただいたことにお礼を申し上げました。
……とはいえ、今でも、ついついすぐに「すごい」と口にしてしまうのですけどね。そういうときは、できる限り、「す」の段階で言葉を飲み込み、「間」をもてる自分でいようと努めている次第です。
(※写真は、オンエア済みの放送話のなかで私が一番笑ったシーン。画面を一時停止して撮りました)
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