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Hamburg Ballet / Nijinsky Gala #3

ハンブルクバレエのシーズンを締めくくるニジンスキー・ガラ、第三部について。

◆THIRD PART

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Rose Adagio
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Marius Petipa
Alina Cojocaru (English National Ballet)
Spanish Prince: Karen Azatyan
Russian Prince: .Jacopo Bellussi
Indian Prince: Dario Franconi
Egyptian Prince: David Rodriguez

コジョカルのプティパ版眠りのローズ・アダージオ。いやはや素晴らしかったです・・・!私は彼女がBRB日本公演でオーロラを客演したのを観られていないのです(そのときハンブルクのニジンスキーを観に来ていた)が、日本の観客が感動したのが良く分かります。2月に日本で椿姫を踊って舞台復帰したころとは見違えるように体も引き締まり、とても調子がよかったのではないかな。テクニックも完璧、そしてオーロラの初々しい喜びが全身からほとばしり出ていて。久しぶりに私の好きなコジョカルに再会できてうれしかった!私はノイマイヤー作品を踊る彼女よりも古典やアシュトンを踊っている彼女の方が断然好き。

John's Dream – And What We Call Growing Up

"John's Dream"
Choreography and Text: National Youth Ballet

"Hallelujah"
Music: free after Leonard Cohen
Choreography: Yuka Oishi

"Coming Together"
Text: Charlotte Larzelere

"Just Like A Woman" / "Natural Woman"
Music: free after Bob Dylan / Carol King
Choreography: Sasha Riva / Sara Ezzell

"This Is Not a Song, It's an Outburst"
Music: free after Sixto Rodriguez
Choreography: Kristian Lever

"Humanity"
Choreography and Text: National Youth Ballet

"Talkin' Bout A Revolution"
Music: free after Tracy Chapman
Choreography: National Youth Ballet

National Youth Ballet:
Natsuka Abe, Sara Ezzell, Charlotte Larzelere, Freja Maria Lützhøft, Marcelo Ferreira, Artem Prokopchuk, Emiliano Torres, Ricardo Urbina
Musicians:
Joycelyn Homadi-Sewor (vocals), David Berton (vocals, guitar), Kellen McDaniel (vocals, guitar, viola), Amelie Wallner (violin), Lukas Plag (violoncello, bass guitar), Aike Errenst (piano, cajón)

全部で30分くらいの、ハンブルクのユースバレエの演目で、音楽も舞台上での生演奏。衣装はかなりラフな普段着っぽくて台詞もあり、芝居とダンスの中間みたいな感じかな(ただし全体を通して物語になっているわけではない)。即興的な振付が多くてストリート感もあり、ハンブルクバレエ本体とはかなり異質で現代っぽいと思った。残念ながら彼らの意図しているところを全部ちゃんと理解はできていないと思うけど、内面の葛藤だけでなく環境保護みたいな社会的な課題に対する問題提起も。観客には大ウケで拍手も大きかったです。
個人的には、若いダンサー達の熱意は美しかったけど、ダンス作品としてはまあ、よくあるタイプかなーという感じでした(すみません)。でもニジンスキーガラはお祭りだから、こういうのもあっていいと思う。

Excerpt from "Don Juan" for Rudolf Noureev
Music: Christoph Willibald Gluck, Tomás Luis de Victoria
Choreography: John Neumeier
Silvia Azzoni, Alexandre Riabko

大好きなシルヴィア&サーシャ組が出演したのはフィナーレを除いてはこの1演目のみ。幕が開いたとき下手側に黒いコートと帽子をかぶったサーシャがたたずんでいて、このシーンが照明含めてめちゃくちゃ美しかった・・・!
ドン・ジュアンが理想の女の影に引きずられてついに落命するシーン、なのかな。たぶんウェーブのあるつけ毛をしているシルヴィアがこれまためちゃめちゃ美しい。序盤はリフトが続くけど、途中のドン・ジュアンのソロはヌレエフに振付けられただけあって鬼難しい。それを涼しい顔してエレガントに踊るサーシャは流石。これをこういう風に踊れるダンサーって世界に何院もいないんじゃないでしょうかね・・・。
でも、サーシャは女ったらしにはどうしても見えないな。バレエフェスのAプロがこの演目ですが、そこは日本の方々には大目に見ていただきたいなーと思います。

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Pas de deux "The First Awakening"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: John Neumeier after Marius Petipa
Alina Cojocaru (English National Ballet)
Alexandr Trusch
Violin: Vadim Gluzman – Vadim Gluzman plays the Stradivarius violin known as "ex Leopold Auer"

ノイマイヤーの眠りから目覚めのシーン。眠りはまだ全幕を観たことがないのです。来々シーズンあたり再演してくれないかな。そうだとすると次回のハンブルク来日公演はコジョカル&トルシュ君の主役でノイマイヤーの眠りが観られるかも。
この抜粋に関しては踊りが少なくて、部分だけ取り出されてもねえ、っていう感じでした。でもノイマイヤーの眠り全幕は素敵だと、ハンブルクの古いファンの方々が口を揃えておっしゃいます。

"Tchaikovsky Pas de deux"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: George Balanchine
Tiler Peck (New York City Ballet)
Herman Cornejo (American Ballet Theatre)

ここからバランシン二連発。NYCBのタイラー・ペックは、物凄くがっちりとした体つきで、古典は見た目にちょっとバランスが悪いなと眠りで思ったのですが、なるほど確かにバランシンを踊らせたら凄いなと。本拠地ではバランシンはこうやって強靭な身体能力でアスリート的に魅せるものなのかもしれない。日本の新国立劇場バレエのバランシンなんかは、かなり繊細で、本家とは違う味になっているのだなー。反面エルマンは繊細な面もあってとっても素敵だったんですが、いっそのこと両方本家本元のNYCBだったらどうなったんだろうか、とも思いました。

Excerpt from "Jewels" – Diamonds
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: George Balanchine
Olga Smirnova, Semyon Chudin
(Bolshoi Ballet)

トリはスミルノワ&チュージンのダイヤモンド。これはもう大好物。スミルノワ、こちらではまったく危なげなく、彼女が本来持つ硬質な美しさを放ちまくってため息出るようなパフォーマンスでした。彼女もロパートキナと同じで、長い手が常にふわふわと微妙に風にゆらめいているような感じがあって、何とも素敵なんですよね。そしてチュージン!ダイヤモンドはとかく男性は単なる支え役になりがちなんですが、ゴメスでさえロパ様のお相手をしたときはそうだったんですが、チュージンが出てくると、ああパドドゥだったんだなと思う。彼、サポートしてるときも物凄く美しくて存在感があるのです。あーこの二人をバレエフェスによんでほしかったなあ(泣)
それにしてもジョン、この演目の前のトークでスミルノワとオフチャレンコって言いましたよね!チュージン、これのためだけにハンブルクにきてるのにひどいわ。会場も一瞬「え?!」ってなったけど、演目終わった後にジョンはさんざん謝ってました^^;

"Finale: Candide"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Ensemble

フィナーレは、ハンブルクバレエのダンサー全員がちょっとずつキャンディードを踊りました。その中心には・・・ロイド!彼、今シーズンはほとんどダンサーとしては舞台に出ていなかったけど、あのキレとそして内側から溢れるようなエネルギーは健在でした。嬉しいなあ。

最後は、ハンブルクバレエのプリンシパル+ゲストダンサー達に大きな花束が渡され、天井から滝のように紙吹雪が舞って幕。

5時間半以上にわたる長丁場、ジョンもダンサーもオケも指揮者もスタッフの皆さんも、本当にお疲れ様でした!


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