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チョン・ミョンフン×東京フィルハーモニー フィデリオ

2018/5/10木 19:00- 東京オペラシティ コンサートホール

ベートーヴェン/歌劇『フィデリオ』(演奏会形式)

指揮:チョン・ミョンフン

フロレスタン (テノール):ペーター・ザイフェルト
レオノーレ (ソプラノ):マヌエラ・ウール
ドン・フェルナンド(バリトン):小森輝彦
ドン・ピツァロ (バリトン):ルカ・ピサローニ
ロッコ(バス):フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ
マルツェリーネ(ソプラノ):シルヴィア・シュヴァルツ
ヤキーノ(テノール):大槻孝志
合唱:東京オペラシンガーズ(合唱指揮:田中祐子)
お話:篠井英介

今シーズンの東フィルのラインナップは物凄く魅力的なんですが、その初っ端としてフィデリオを聴いてきました。凄くよかった!大満足のコンサートでした!

錚々たるソリストの中でも、初めて生で聴くザイフェルトには、マジで驚嘆。一声目から、ハリのある若々しく澄んだ声に心を鷲掴みにされました。御年64歳だそうですが、オペラシティコンサートホールなどでは狭いのでは?というほどのエネルギー。ルックスはお年なりだなあという感じでしたが、声を聴いているうちに、若々しい理想に燃えるフロレスタンに見えてくるという。いやはやこの役で日本に来て下さってありがとうございます!

ロッコ役のゼーリヒも印象深かったです。温かく包容力を感じさせる声で、コミカルな善人の役を好演。初めてナマで聴けると楽しみにしていたピサローニさん、神経質そうなピツァロもお似合いでしたが、本来のチャーミングさが見られる役で観たくなっちゃった。彼、今回ロールデビューだったんですよね。小守さん、大槻さんも素晴らしかった。女性陣は悪くなかったんですが男性陣と比べるとちょっと弱かったかなー。ウールは、男装の女性という強さは合っていたと思いますが、不安定な音程がどうもすっきりしないなーと。シュヴァルツは凄い美人だなというルックスの印象の方が強かったです。そして、合唱が素晴らしかった!特に男性、とても感情豊かで、かつ迫力がありました。

オケもとてもよかったと思います。曲は第二幕が断然高揚感があって楽しい。暗から明へ、という構造だけでなく、音のハーモニーが、あの「第九」とかなり共通点があるなぁと思いました。平等とか自由というテーマも含めて。

こんな素晴らしい演奏と歌手陣が、あんな手頃なお値段で聴けるとは、なんと太っ腹な!東フィルさん、ありがとう。

ところで今年はなぜかフィデリオの当たり年で、一カ月たたずに新国立劇場でカタリナ・ワーグナーの演出のフィデリオを聴くことになってます。こちらのフィデリオに負けない素晴らしい公演でありますように。

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