気功と馬王堆導引|古代の気功法に学ぶ自分の心の開放する気功法のお話です。
中国正統派気功老師 盛鶴延先生の気功教室(毎週木曜日、東京自由が丘で開催)のお話しや参加者の体験談など、「気功で自分の健康を自分で守るために大切なこと」をつづっています。
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気功には
3000種類もの流派があるといいます。
武術気功、
道教気功、
密教気功、
・・・。
その気功法が
受け継がれてきた場所によっても
違いますし、
生まれた地域によっても
異なるそうです。
ある時の気功教室で
盛鶴延先生はこうおっしゃいました。
ん?
正直
このお話を聞いた時、
気功法って、
住んでいるところで
変わるものなの…?
と、ちょっと驚きました。
何となく
気功の流派とは
少林寺などの
武術気功法とか
チベット密教などの
密教気功法とか
それぞれの流派の
思想というか考えがあって、
それに沿って
色々な流派が
発展してきたものだと
勝手に思い込んでいたので、
寒い地域だから
足を動かさないと寒いでしょう。
とか。
暑い地域だから
動くと暑くて倒れちゃうでしょう。
とか、
そんな理由で(!)
流派ができていくというか、
気功法が発展していくとは
思っていなかったからです。
でも気功って、
実は意外と素朴に
発展してきたものかもしれません。
今回は
気功の発展の流れを
ご紹介しながら
古代の気功法に学ぶ
自分の心を開放する
気功法のお話です。
***
私の手元に
1993年に発行された
NHK趣味百科、
『気功専科II」という本があります。
この本は
1993年に
NHK教育テレビの
趣味百科で放映された
気功の番組のテキスト本です。
実は日本でも
1990年前半に
気功の大ブームがありました。
まさに
NHKの教育番組で
気功の番組が放映されるぐらいの
大ブームだったのですが、
この『気功専科』のテキストの中に
気功の潮流がまとめられています。
それによると、
気功の最古の資料は
新石器時代までさかのぼり、
気功舞踊らしきものを
舞っている五人の姿や
亀のまねをして
呼吸をしている人の姿が
土器に描かれているそうです。
そこから
巫舞、
治療の舞、
動物模倣、
自然治療
・・・
と発展していきました。
気功の資料として有名なものは
1970年代半ばに
湖南省長沙(ちょうさ)の
馬王堆と呼ばれる
2000年ほど昔の
王族の墓から出土した
「導引図」です。
44人もの男女が
さまざまな姿で
立ったり、
歩いたり、
前屈したり。
本当 に気持ち良さそうに
自由にのびのびと
身体を動かしている
様子が描かれています。
昔の人々は
自分の身体の手入れのために
身体を動かして
気を調節していたのです。
それを古来は
「導引」といったそうですが、
気功の源流です。
馬王堆の「導引図」の人たちは
皆、庶民的な服装をしていることから、
庶民が行うぐらい
「導引」が広く浸透していたと
推定されるそうです。
この「導引図」の中には
動の動きも
静の動きもあり、
本当に気持ちよさそうです。
こういう流れを知ると、
確かに、
気功は素朴に
自然の理にそって
北では
寒いから
動きのある気功法が、
南では
暑いから
動きの少ない気功法が
発展してきた
というのも
わかる気がします。
***
盛鶴延先生は
気功法の中でも特に
自発動功(じはつどうこう)
という
自分の身体の内側から
湧き上がってくる
動き出したくなる感覚に
身を任せて動く気功法
を大切にされています。
自発動は
自分の身体の中の
命のエネルギーのパワーを開放し、
人間の自然治癒力を高める
優れた気功法です。
やり方はとても簡単で、
しばらく
ぼーっと自然な感じで立って、
自然に動き出したい感覚に
したがって動くだけです。
形がないので、
気功を始めたばかりの方でもできます。
ある時の気功教室で
盛鶴延先生はそうおっしゃいました。
そういう束ねられたカーテンのように
ぎゅっと縮こまった心が
自発動をすることで
開放されます。
最近、ちょっと
気持ちが晴れないなぁ。
なんとなく鬱々としているなぁ。
そう感じたら
是非,一度
馬王堆の「導引図」の人たちのように
素朴に伸びやかに
自由に、自分の身体の赴くまま
動いてみてください。
馬王堆の「導引図」の人たちは
みんな
胸を大きく開いて
伸びやかに動いています。
こんな風に自発動ができたら
さぞ気持ちいいだろうなぁ。
心が開放されるだろうなぁ。
そう思います。
気軽に
自由に。
それこそ、
暑い時は暑いなりに、
寒い時は寒いなりに、
古代の人たちのように、
自分の身体と心に正直に
自由に素朴に
気楽に気功を楽しもうっと
思いました。
ではまた!
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