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気功と覚悟|事故で左手が上がらなくなった女性に伝えた自信のお話です。

気功ブログ|
中国正統派気功老師 盛鶴延先生の気功教室(毎週木曜日、東京自由が丘で開催)のお話しや参加者の体験談など、「気功で自分の健康を自分で守るために大切なこと」をつづっています。

***

ある日の
盛鶴延先生の気功教室に
母と娘と二人連れがいらっしゃいました。

盛鶴延先生の気功教室には
この方のように
親子や友達と一緒に
来られる方もいますが、
95%ぐらいは(多分!)
1人で来られるので、
珍しいなと思って見ていました。

しかも、
2人は新潟から、
東京自由が丘の
盛鶴延先生の気功教室まで
いらしたというのです。

「娘が事故にあって、
 内臓に大きな損傷を受けて
 しまいました」

お母さんはそう
教室を訪れた理由を話されました。

「手術をし、リハビリもし、
 日常生活を送れるぐらいまでは
 回復したのですが、
 やはり身体は元のようには
 ならないようです。

 何をしても疲れやすく、
 また、今でも
 左手が肩より上には上がりません」


盛鶴延先生は
娘さんを一目見ただけで、
娘さんの状態を
わかられていたと思います。

でももちろん、
教室のみんなの前では
娘さんの症状について
一言もおっしゃいません。

そして、
いつものように
その方にだけわかる形で
お話されていました。

そのため
同じ教室の場にはいましたが、
私は彼女が盛先生から
どのようなメッセージを
受け取っていたのかは
わからりません。

でも何か
受け取られているのだろうなと
思いながら見ていました。

そして、
たまたまなのですが、
その日の教室が終わり、
帰り支度をしている時、

そのお母さんと娘さんが2人、
帰り際に盛先生と
話されているところに
居合わせたのです。

その時、
盛先生は娘さんに
2つのアドバイスをされていました。

1つは、
上に上がらない左手ではなく、
右手を上に動かす練習をしたらよい
というアドバイスです。

一般的には
左手が悪くなると、
左手だけリハビリをします。

でも盛先生は
左手が悪いなら、
右手を動かす練習をしたらよいよ、
と言われます。

なぜなら
右手を動かすことで、
左手にも影響を
与えられるからだそうです。

もう1つは、
壁に身体の左側をつけるように
壁に対して90度に立ち、
左手を壁にそわせながら
少しずつ左手を
上に上げる訓練をするように
アドバイスされていました。

壁の力を借りて
少しずつ左手を上げるように
練習するとよいね。

今日は、胸まで。
それでいいね。
よく頑張ったね。

そして明日は、
今日より1mmでも上にあげてみる。
あー、疲れた。
よく頑張った。
それでいいね。

そうして、
1mmずつでもいいから
昨日より今日と、
今日より明日と
少しずつ上に上げる練習を
するとよいね。

そうおっしゃいながら、
盛先生ご自身が
壁にそって手を上に上げてみせながら、
やり方を教えて差し上げていました。

そして、
最後にこうおっしゃったのです。

私はあなたに
自信をつけて差し上げたい。

最初、この言葉を聞いた時、
私はその言葉通り、

左手のリハビリを諦めずに
自分を信じて続ける力(自信)を
つけて差し上げたい。

とおっしゃっているのだと思っていました。

でも、
今は少し違うと思っています。

今回は、
この時彼女に盛鶴延先生がおっしゃった
「自信」の意味について、
気功の視点からお伝えします。

***

気功の世界は
初めは感覚の世界です。

自分で自分の気を
感じることから始まります。

自分で自分の気を感じることが
できるようになったら、
それは初級のレベルです。


そして毎日、
気功をしていると
だんだん身体の中の気が
強くなってきます。

自分で自分の気をコントロール
できるようになってきます。
そうなると中級のレベルです。


ある時、気功教室で、
盛鶴延先生は
こんなお話をしてくださいました。


気功は最初、感覚です。

例えば
功(たんとうこう)で
長時間ずーっと立ち続けていると、

頭がぼぅーっとしてきます。

この感覚を
「覚」といいます。

「覚」は感覚です。

功を長くすると、
「一覚」「二覚」・・・と
 溜まっていきます。

そうおっしゃいながら、
ホワイトボードに、
「感覚」という文字を書かれました。

「覚」が溜まっていくと、
身体の中の気が強くなります。

身体の中の環境が変わってきます。

「覚」と「悟」になります。

身体で悟ることが
できるようになります。

そうおっしゃいながら、
「悟」という文字を書かれました。


この身体で悟ることを
表す日本語があります。

「覚悟」です。

覚悟とは
「覚」から「悟」になるということです。

「覚」は感覚です。

その「覚」という感覚が
「一覚」「二覚」・・・と
溜まっていくと
「悟」になります。

しかし、
「覚」が溜まって「悟」になる。

身体で悟るまでには
相当、長い時間かかります。

そうおっしゃいながら、
覚悟、という文字を囲まれました。

こういう世界は、
話よりも実際にやるしかありませんね。

こういうものは
身体で訓練していかないとダメです。



ただ、正直な話、
時間がかかります。

2千時間、3千時間站
をしないと
身体で悟ることは難しいですね。

ただ、たとえ
毎日30分、1時間でも
そういう「覚」という感覚は大切です。

「覚」があると
どんどん「悟」になります。

そうおっしゃったのです。

***

この「覚悟」のお話を聞いた時、

そうかぁ。
感覚が溜まって
覚から悟になるのかぁ。

漢字って、面白いな。

そんな風に
単純に面白なと思っていたのです。

でも、
ある時、ふっと
あのお母さんと娘さんのことが
思い出されたのです。
そして、突然、

あっ。
あの時、盛先生が
「自信をつけて差し上げたい」
とおっしゃっていたのは、

この「覚悟」のことだったんだ!

と思ったのです。

それと同時に

気功の世界は
最初は感覚の世界から。

と、なぜ盛先生がいつもおっしゃるのか、
少しわかった気がしたのです。


***

気功はまず感覚からです。
感じることから始まります。

なので、彼女に対しても

リハビリを行うことによって、
1mm上に上がるようになった、
ならなかったという結果よりも、
(それも大切ですが)

まず、
その時の左手の感覚を感じなさい。

とお伝えされていたのではないか
と思ったのです。

リハビリを行っている時の
自分の左手の感覚に意識を向けること。
その感覚をしっかりと感じること。

その感覚に集中すること。

そして、
毎日、少しずつでもいいから
毎日やることで
その感覚が自分の身体に溜まっていく。
「覚」が溜まっていく。
その感覚を信じること。

そうすれば、
それがいつか
身体で「悟る」につながっていく。
「覚」から「悟」になるよ。

そうお伝えされていたのではないかなと。

それが正しいかどうかは
わかりませんが、そう思いました。

***


いつか、
「覚」から「悟」になりたい。
「覚悟」を持ちたい。

そう思っている人は
私も含めて多いと思います。

しかし、正直
「覚」から「悟」になるのは
難しいです。
時間もかかります。

だからこそ

自信を差し上げたい。

という盛鶴延先生の言葉に
私はとても励まされます。

一緒に頑張りましょう!

では、また!

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