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手間暇かければ、もうドリップコーヒーしか飲めない! 極上の一口が生み出す日常のやすらぎ。

こんにちは。基弘会編集部の山本です。

私は自他ともに認める、大のコーヒー党。
好きが高じて、コーヒー豆の卸問屋から豆の挽き方・入れ方の本格レクチャーをわざわざ受けに行ったほどです。

きちんと入れられたコーヒーの、それはそれはおいしいこと!

ほっとひと息、こくりと飲んだ瞬間に感じるその旨味。
滋味深い苦みとコクと酸味の三重奏がもたらす至福。

ああ。コーヒーって、いいなぁと、しみじみ思うのです。

今回は、卸問屋のおやじさまからご教示頂いた珈琲のうんちくと、
私なりの自宅で手軽にできて極上の味を楽しめる、ハンドドリップコーヒーの淹れ方をご紹介します。

珈琲の「コク」について知ろう

珈琲の味を語るとき、必ず出てくる言葉が「コク」という言葉です。

一般的に「コクがある」という場合は、いくつもの味の成分が絡み合い、味わいが複雑で厚みがあるものを指していることが多いです。口の中で広がる味の広がり、余韻。そういう味覚を「コク」と表現しているのですね。
とすれば、珈琲の「コク」とは、珈琲が本来持つ独特の苦みを指すことになります。

珈琲豆は焙煎によって芳香・苦味・酸味・アクが生まれます。良質な珈琲豆とされる品種は、渋みや発酵臭がなく、芳香が良く酸味も持ち合わせているのです。その酸味を失わせてしまわないように苦みが程よく協調されているのが「コク」のある珈琲ということになります。

しかしながら珈琲の好みは人それぞれで、一概にこれが黄金バランスだというものはありません。それが珈琲が嗜好品たる所以で、奥が深いものだということですね。

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珈琲を購入するとき、たくさん種類があって何を買うか、とっても迷いますよね。
私は珈琲はぜひ豆から仕入れたいです。
豆については、種類がたくさんあって、産地や焙煎方法で風味や香り、酸味が大きく変わります。
代表的なもので、ブルーマウンテンやハワイ島のコナ、キリマンジャロ、モカなど、たくさん種類があり、焙煎によっても、季節によっても味が変わるわけで、ここから自分のお気に入りの1杯をゆっくり探していくというのも、また楽しみ方のひとつということになります。
ちなみに私はあまり酸味が強く主張しないものが好きなので、その時の気分で深煎りのものをチョイスしながら楽しむことが多いです。感覚値ですが、珈琲屋さんのショーウィンドウの豆をじーっと眺めて、こんがりして艶っぽい子を選ぶようにしています。

そして、ここだけは少しお金がかかるのですが、ぜひハンドミルを購入してください。
珈琲豆は、生鮮食品です。湿度、温度、空気、光に弱く、すぐに酸化してしまいますので、豆の状態で購入、飲む前に挽く。これが一番良いのです。
いや、そこまでは…という場合は、お店で挽いてもらった珈琲豆を少量ずつパックしてもらって冷凍庫で保管する、というのも香りを逃さないひとつの方法ですよ。

コーヒーカップは温めたい

冷たいカップに温かい飲み物を入れると、飲み物の温度がカップに奪われてしまい、飲み物の温度が急激に下がります。すると香りや風味が損なわれてしまうのです。そうなると、それまで豆の挽き方や淹れ方にこだわってきたこと全てが水の泡。ですから、あらかじめコーヒーカップは温めておくのがおいしいコーヒーを飲むために大事なことなんです。

ちなみに日本茶でもカップを温めて淹れたほうが最後まで香りや味が持続するそうなので、ぜひ器は温めるようにしてみてください。

ハンドドリップで淹れること

そして何よりの私のこだわりは、ハンドドリップで淹れること。
サイフォン式は、喫茶店で楽しめばよいのだから、家で飲む自分流珈琲は、気軽なハンドドリップなのです。

ハンドドリップに欠かせない道具はまず先の細い水差し。
そして、ドリッパーと、コーヒーフィルターペーパー。
このあたり、なんなら100円均一で揃います。
それで良いんです。
もちろん、お高めの道具を揃えて頂くと、その時間の自分的価値がより高まるのですから、ケチる必要もありません。要は、なんでもいいのです。

ドリッパーにペーパーをセットして、挽きたての豆を1杯分おおよそ10g程度を入れます。
さて、いよいよお湯を注ぐのですが、私は沸かしたてのお湯は注ぎません。
なぜかというと、その豆にもよって適温は変わるのですが、ぐらぐら沸かしたお湯でドリップすると、どうにも「えぐみ」を強く感じることがあるからです。
なので私は90度~93度のお湯でドリップするのが、珈琲の苦みに丸みが出て好きなので、やかんから先の細い水差しにお湯を移して、90度近くに温度が下がったころ合いで、円を描くようにゆっくりと細くお湯を注いでいきます。

可愛らしくもこっと盛り上がった豆が、沈まず、膨らみすぎないよう、珈琲がしたたり落ちるのと同じスピードで、ゆっくりと注ぎます。

淹れたらば、20分以内に味わいたい

珈琲の賞味期限は20分と心得たいところ。
お気に入りのカップにこだわりのドリップコーヒーを注いだらば、お気に入りの場所に座り、その一口をじっくりと味わっていただきたいですね。

現代の、なんでも効率化・迅速化の時代において、
「おいおい、そんなに生き急ぐなよ。あわてないあわてない、一休み、一休み」
そんなとんちを効かせる小坊主のようにコーヒーが言ってくれている気がするのは、私だけではないはず。

お気に入りのその1杯のために、日々コリコリと豆を挽くのです。

あなたも今日からコーヒー通!

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私は普段は珈琲に砂糖やミルクは入れていませんが、気分や珈琲の種類によって入れたくなることもあります。
珈琲そのものの味は、ブラックで飲むのが一番わかりやすいですが、だからといって何も入れずに飲むのがコーヒー通!とは言えないと思います。
お砂糖やミルクを加えることにより、味が驚くほど変化する珈琲があるからです。

「自分にとっていちばんおいしいと思える珈琲を淹れる」こと。

それをしみじみ味わう、やすらぎの時間。
忙しい現代において、そんなゆとりを、珈琲で取り入れてみてはいかがでしょうか。

Text by 山本 郁子



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