クトゥルフ神話TRPGにおける、あなたにとっての「クラシックシナリオ」とは?

クトゥルフ神話TRPGを遊んで8年目になりました。
最近では公式シナリオから同人シナリオまでいろいろと経験し、比較的キーパーで遊ぶことが多い日々です。版は6と7どちらも遊びますが、7版をより好んでいます。

さまざまなトーンのシナリオを楽しむことができつつも、クラシックシナリオ、のことが結構好きなのですが……
クラシックシナリオって、人によっての解釈が違う気がしませんか?

ふと、個人によっての「クラシックシナリオ」に対してのイメージが知りたくなってTwitterでアンケートを取ったところ、なんと101人もの方が回答してくれました。
これだけの人数に答えていただいたアンケートを一人で眺めるのも勿体ないので、頑張って記事に起こしてみました。感謝!

今回のアンケートの設問は4つ。

1.いつも遊んでいるクトゥルフ神話TRPGの版を教えてください。
2.公式シナリオで遊んだことはありますか?
3.お好きな公式シナリオがあればタイトルを教えてください。
4.あなたがイメージする「クラシックシナリオ」の要素は?

メインで遊んでいる版、公式シナリオの経験の有無によって「クラシックシナリオ」のイメージが異なるのではないか? という予想によって、前ふたつの設問を作っていました。

三問目はただ単に私が聞きたかっただけですが、なかなかに素敵な情報が集まってきたので、のちほど結果を掲載します。

そして四問目が本命の、「クラシックシナリオ」についてのイメージです。
記事が長くなりそうな予感が今からしているので、ご興味のある部分だけでも是非眺めていってください~!



6版7版どっちで遊んでる?

7版メインで遊んでいる方々が25.7%、6版メインで遊んでいる方々が64.3%と、これは世間的にもおおむね予想通りというところでしょうか。2019年末に新クトゥルフ神話TRPGルールブックが発売されてから5年ほど経とうとしていますが、まだまだ6版の根強さを感じます。

今回は当然ではありますが「クラシックシナリオ」に興味のある方がアンケートに答えてくれたであろうことを加味すると、界隈全体ではもう少し6版の割合が高いような気もします。


公式シナリオ遊んだことある?

続いて、公式シナリオのプレイ経験についてです。
こちらは綺麗にばらけた印象がありますね。公式=クラシックと定義するわけではありませんが、「クラシックシナリオ」についてのアンケートであるためか、公式シナリオの経験がある方も結構多いです。

ここまでのデータについて、遊んでいる版ごとの分布をマトリクス図にしてみたところ、このような結果となりました。

※表内の%は左側の項目(遊んでいる版)から見た割合を示しています。

こちらも想定通りと言えそうではありますが、やはり7版プレイヤーは公式シナリオを遊んでいる場合が多いようです。7版に触れたことのある方で、一本も公式シナリオを遊んだことのない方は少ないですね。

また、主に7版で遊んでいると答えた方の88%は、10シナリオ以上を遊んでいる経験豊富なタイプが多いのも特徴的でした。

私自身、6版で遊んでいた頃には公式シナリオを1本も通過して来なかったので、遊戯環境によるものもありそうです。7版を多く遊ぶようになってから、周囲に公式シナリオを回しているキーパーと知り合うようになり、通過本数が増えてきたように体感しています。


評価の高い公式シナリオ

では、公式シナリオを遊んだことのある方の中で「好きだ」と感じるシナリオは何が挙げられているのでしょうか?

※全体の集計で3票以上を獲得したシナリオを掲載しています。
2票以下、また、遊んでいる版ごとに結果を分けた詳細は別記事にてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧ください。シナリオごとの簡単な概要も載せています。

▎10票獲得
『腕に刻まれる死』クトゥルフ2010

▎9票獲得
『もっと食べたい』クトゥルフ2010

▎8票獲得
『コーヒー一杯分の恐怖』ビブリオテーク13
『とある漫画家に起きたこと』クトゥルフカルト・ナウ
『悪霊の家』6版基本ルールブック
『紅文字』7版基本ルールブック
『浅草十二階』クトゥルフと帝国

▎7票獲得
『ガシャン!』クトゥルフ2015

▎6票獲得
『奇妙な共闘』クトゥルフ2010
『銀座うずまき』クトゥルフと帝国

▎5票獲得

『ここで長く生きて』アカシック13
『殺人リスト』アーカムのすべて

▎4票獲得
『カートゥーン・リアニメーション』ビブリオテーク13
『ストラフトン山の火』6版基本ルールブック
『死者のストンプ』6版基本ルールブック

3票獲得
『インスマスからの脱出』インスマスからの脱出
『ナギサの物語』アカシック13
『ペーパー・チェイス』新クトゥルフ神話TRPGスタートセット
『ミサキバス』アカシック13
『遺棄された船』ピーターセンの忌まわしき物語
『赤い窓』クイックスタート


なかなか堅い結果となったのではないでしょうか。一部初耳のタイトルもありましたが、過半はよく名前を聞くシナリオでした。基本ルールブック、2010、アカシック13が強いですね。アカシック13、ビブリオテーク13は2票以下でもシナリオ名が多く挙げられている印象がありました。


「クラシックシナリオ」のイメージ

お待たせしました。こちらが今回のメインコンテンツです。上記のような回答者層が答えてくれた、「クラシックシナリオ」のイメージについて見ていきましょう!
※内容は一部要約、表現を変更しています。

ほとんど7版・比較的7版が多いユーザーの回答

日常の中の非日常。罠にかかった獲物。

・ただの一般人が気付いたら宇宙的恐怖の片鱗に気付いてしまうもの。神話的な事象、生物、神格に翻弄されながらもどうにかして生還を目指すもの。

神話的事象によって通常では考えられないことに巻き込まれること。原因を理解したことで恐怖を感じること。

・クラシックシナリオの定義を「古典的で伝統を重んじるシナリオ」と解釈すると、ラヴクラフトらが創造したクトゥルフ神話の世界観(コズミックホラー)に沿ったシナリオ。秘匿ハンドアウトが用意されていようが、世界が滅んだ後であろうが、探索者同士が恋人であろうが、テーマとして古典と化しつつある「コズミックホラー」という要素を原題と据えているものはクラシックシナリオだと思います。

クトゥルフ神話要素がある。ルールブックに準拠している。

原作小説、公式シナリオの雰囲気をリスペクトしたシナリオ。

・描写やマップの提示と、探索者の目的の明確化による、探索者の能動的な行動の促進がなされている。

非線形。解法がいくつもある。人物というよりも舞台そのものを回しているため要素の追加や変更をしやすい(せざるを得ない)。絶対的なエンディングが存在しない。

非線形シティ、高自由度。シナリオ側から提示される情緒的なドラマ成分が薄め。原典に対するリスペクトやオマージュが強め。

・明確な探索場所がキーパーから明示こそされないが、プレイヤーの『ではどこに向かうのか』という発想を助けるために地図が用意されている印象。

プレイヤーが自由に探索箇所を選択しキーパーがそこに対してシナリオというガイドラインを用いて自由にレスポンスを行うことができる。

ゲーム的、システム的な部分が第一にあり、情緒的な都合によってこれが損なわれない(ストーリーにそのような要素が入っていてはいけないという意味ではない)。システム部分は担保されつつ、ストーリー部分についても背景や展開に納得ができ、かつ面白い。ストーリーが一部のシチュエーションのための前座になっていない、もしくは前座の部分も十分に面白い。キーパーがストーリーを進行するばかりでなく、プレイヤーも自発的に方向性を決めることができる。

・最低でも公式シナリオを参考にして書かれているもの。イベントには可変領域があって、情報の量や出し方はキーパーの裁量で工夫を凝らされるものであるという前提の元で書かれたシナリオ。上記の特徴から、展開が同一のものである必要は全くないということがクラシックの魅力であると感じる(一本道の場合でも、卓やキーパーによってイベントを増やしたり斬り捨てたりすることが殆ど)。

目標が提示され、解決方法は自分で考える。

・探索が多く、取れる手段の自由が利きやすい。

探索中心。文献等の情報量が多い(クリアに必須とは限らない)。探索者に対して容赦がなく理不尽な発狂や死亡が起きやすい。

探索中心、ラスボスへの対抗手段がある、シナリオ独自の要素が少ない。

探索重視。解決方法の選択肢の広さ。シナリオ内にあるものや情報などを使ってやりくりしていく部分。原作の雰囲気を重視、オマージュする形で表現している描写など。

・シナリオの結末に対して決まった選択肢が存在せず、それがその場のプレイヤーとキーパーに一任されるもの。

探索者が途中離脱しても代わりの探索者が登場してシナリオは変わらず進む。探索者人数が可変。「探索可能箇所」が明示されない、探索者は自由に行動することができ、キーパーは自由に情報を出したり出さなかったりできる。事前情報(キャラクターの個別ハンドアウト)の分量がないか少ない、プレイヤーごとに秘匿された情報がない。『ナギサの物語』をクラシックシナリオだとは認めたくない。『地獄のホテル』はクラシックシナリオだと思うが、未完成品に近いものを世に出すのはいかがなものかと思う。

5版以前の非線形みが強い海外公式シナリオ、あるいはそれに準ずる雰囲気や探索の仕方ができるシナリオ。

アメリカ舞台、公式シナリオ風の描写、進行。現代ではない。洋画のような世界観。

1920年代アメリカ。行動宣言で調べやすい。

銃が撃てる、暴力で解決できる。舞台が海外。ロールプレイをシナリオの主軸に添えていない。クトゥルフ神話的要素が多分に含まれている。

・多分クラシックシナリオ、というものはないのかもしれません。

一番「クラシックシナリオ」への拘りがある人が多そうなグループ。強い考えや熱意を感じるコメントも多いです。
『ナギサの物語』『地獄のホテル』を挙げてる方は強い気持ちを感じました……『地獄のホテル』のこと、噂にだけめちゃくちゃ聞くのですが全ての噂がヤバいのでそういうことなのだと思っています。

コズミックホラーの話、非線形であること、手段の自由度、海外舞台であること、など色々出ておりますが、シナリオを回すキーパー側の視点が多いことも特徴的でした。


7版・6版どちらも同じくらいのユーザーの回答

・ミクロ/マクロ共にアプローチの自由度が高い。シナリオにプレイヤーの提案を受け止める余裕がある。探索者の死亡可能性が高い。探索者の思想/行動/感情を(過剰に)制御しない。NPCに必要以上の重きを置かない。時折理不尽な展開もあるが、ある程度は推論が可能。版元(各国公式)によって色合いが大きく異なる。

・問題に対する解決方法が多くある。

解法がいくつか存在し、また自由に発想してもよいもの。キャラクター設定の縛りの有無はあれど、セッション中の行動に強い制限がないもの。

・積極的に首を突っ込めるならどんな探索者でもよい。シナリオにゆとりや強度があり、想定されている道筋を辿らなければ、という息苦しさや不安を感じない。様々な場所を探索でき、解決方法が複数ある、もしくは自由に結末を迎えることができる。危険なシーンが派手で楽しい。頑張らないと簡単に死ぬこともある。

シナリオの余白(ロールプレイをする間ではなく、探索順序や解決法)が多く、その場の提案や所持している技能等によって様々な道筋を辿る可能性がある。わりと想定されている道筋でもパワープレイが多い印象。

NPCは恐怖や無力感を演出するための舞台装置でしかない。探索者は神話的事象に対して根本的な解決はできないか、可能だとしてもロストなど大きなリスクを伴う。探索者目線では不可解な点が残されたままシナリオが終了する。探索者は生還のために自発的に行動する必要がある。

秘匿ハンドアウトが存在せず、シティ、クローズド問わず探索者が自力で動機付けをして調査や探索を進め、問題解決するシナリオ。終盤に神話生物と対峙する場面があり、退散の呪文を唱えるイメージもある。原作でいうと『ダンウィッチの怪』のような感じ。

ハンドアウトなし。探索者ごとに出て来る情報の偏りがなく統一されている。神話生物が必ず出て来る。

・正面から戦って殺して勝つというより、災害級の神話生物の前では紙切れ当然の命であるただの人間達が創意工夫をして命からがら助かる。対立型ではなく完全協力型で、非公式文化における「秘匿」というものを導入していない。情報をすべて拾いきれなくともアイデアでどうにか切り抜けられる要素を持つ。

・戦闘しようとしたらミ=ゴ、食屍鬼相手じゃないと7割死ぬ。戦闘しようとせずに逃げ道を探す。もしくはそもそも戦闘を想定していない。ストーリーラインは皆無である程度好きに動ける。館か白い空間が多い。血や死体を見ての正気度ロールが多い。神話的事象に遭遇したら正気度がガリッと下がる。ニャルラトホテプやイゴーロナクが黒幕なことが多いがそのものとして出ることは少ない。低ロストは滅多にない。

・ドアを開けたら死ぬ。
変なところを開けたら正気度ロール1d10/1d100。絶妙に使いにくい技能値のプレロールドキャラクター。導入で何をしたらいいか分からなくなる(海外公式?)。NPCは死ぬのが前提。

なんだか生死の話をしている人が多い……? 結構死ぬイメージがあるんでしょうか。
秘匿がない、という意見も散見されます。自発的な探索と行動が求められる、解決の方法がいくつかある、というのはここでもよく出ておりますね。


ほとんど6版・比較的6版が多いユーザーの回答

神話的事象や恐ろしい生物におびえながらも日常に帰ることを目的とするシナリオ。

・きちんと神話的事象に巻き込まれる、遭遇する。末端の事件は解決する(したように見える)が、根本の解決はできない(人間は敵わない)。

・詳しくはないのですが、ホラー要素を多分に含んだシナリオ……という印象。

・神話生物が宇宙的恐怖としての様相をきちんと有している、動線がどうあれ最終的に様々な終幕に結びつく、イベント外でも時間経過が不自然でない。

ラブクラフト的価値観に基づいた無慈悲で不条理な要素を含むもの(エンディングはメリーバッドエンドであればなお良い)。

クトゥルフ神話、およびクトゥルフ神話TRPGの世界観を重視したもの。

・探索重視。探索の自由度が高い(シナリオ側から探索箇所や技能の提示がない、もしくは少ない)。神話的事象の解釈が原作、原作小説に忠実。

作中で明確にクトゥルフ神話関連の生物と対峙する、もしくは黒幕の関わっている形がしっかりとその神話生物の特性を表している。

・シナリオ内では全容がわからない。シナリオそのものよりもNPCの情報や舞台の背景等の描写が丁寧に記載されている。神話的恐怖に重きを置いている。

秘匿やハンドアウトがなく、「一般人がたまたま巻き込まれた」というシチュエーションから始まって、日常に帰ることを目的としたもの。NPCもわりと最小限で、ラスボスか犠牲者かみたいなイメージが強い。

自由度が高い、プレイヤーに積極性が求められる、原作小説の流れを踏襲している。

・どんな探索者でも適応できる間口の広い導入。解決策がいくつも取れプレイヤーの提案を通しやすい背景設定。探索箇所やイベントの順番を順不同にしやすい。良くも悪くも薄味なストーリー。良く言えばキーパー、プレイヤーに任せられている部分が多い。

・キーパー目線で動線が煩雑(自由度が高い)。成功を前提としたダイス判定はあまりない。依頼/任務失敗でもロストではない。巻き込まれ型/依頼型が多い、渦中の人であることは少ないので「探索者の物語」とできるかはプレイヤーの技量やロールプレイの方向性に依存する。大抵はNPCの物語/人生に介入する形が多い。

・いわゆる「秘匿HO」がない状態からスタートする。キーパーからシナリオを遊ぶために必要な情報を提供しつつ、プレイヤーは自由にキャラクターメイクして遊ぶシナリオ。探索者と事件の黒幕に直接の因縁がない(知人親戚などのNPCが関係していて巻き込まれる、たまたま黒幕主催のイベントに参加するなど)とより感じる。

秘匿ハンドアウトや秘匿シーンの処理がないシナリオ。エモーショナルさはないもの。

特殊ハンドアウトなし。継続探索者の使用が可能(シナリオ参加に大きな縛りがない)、探索者が特殊能力を持たない、神話的事象に立ち向かう<<<神話的事象から逃げる。

・ハンドアウトなし。秘匿なし。
ある程度自由なプレイができる。探索場所を自分から提案したりするプレイが求められる。

フリースタイル。自由発想制。キーパーがアドリブしなければならない。神話生物から逃げるだけ。救いがない。

探索可能箇所が提示されない。神話生物そのものではなく、その信者や影響された元人間など、人が黒幕なことが多い。神話生物との戦闘が無い。あったとしても負けイベか一時的退散の2択。

・シナリオの自由度が高い。シナリオから探索箇所が提示されることが少ない。シナリオの地の文に真相が書いてある(例:NPCはこう行動をとる。理由は神話生物の◯◯をうんぬん……であるから)。良い意味で作者の顔が見えない。作者のニチャ感が少ない。ハンドアウトがない。エモ要素がない。プレイヤーや探索者を「刺す」ような要素がない。

キャラクターシートを確認しつつ技能ロールを提案したりするもの。描写を聞いて行動(探索)を考えるもの。

探索の動機付けがプレイヤー側で必要。探索箇所を自ら見つける推理シナリオ。

・探索箇所が提示されない、
結末に至るためのアプローチの自由度が高い。

問題に対しての解決手段がいくつか用意されており、また、シナリオ上では想定されていない手段も取れるもの。

・NPCとの掛け合いが少ない
(あくまでモブ)。秘匿や、キャラクターシート設定に制限がない。デストラがある。出目もそうだがアイデアやリアルINTで唸らせる。キャラクターシートで個性を出しやすい。探索者は初対面から徐々に本編中で仲良くなる。

秘匿が無い。仮にハンドアウトがあったとしても職業や性別といった指定があるぐらい。 途中ロストやデストラップがある。コズミックホラー成分が強い。「エモ」要素は控えめ。NPCがあくまで脇役。あくまで舞台装置としての役割を徹底されている。

探索、戦闘、ギミックがメイン。ロールプレイが必須ではなく、ロールプレイは「あると楽しめる」程度。

・探索者のバックグラウンドにおいて、シナリオによる制限が少ない。探索行動が多い。

・キャラクターの作成条件がないor少ない。問題の解決方法があまり固定化されていない。技能判定がシナリオ側にはっきりと指定されておらず(目星のみ、のように)、幅が広いことが多い。

ハンドアウトや秘匿がない。探索者同士の関係性の構築など自由な導入。

ハンドアウトやプレイヤーの秘匿がない。

探索者作成時のハンドアウトがない。継続探索者が参加してもシナリオが崩壊しない、もしくはしにくい。探索者に付与される設定はせいぜい一時的なものである。正気度判定の回数に比べて生還時の正気度回復が明らかに少ない、もしくは無い。

秘匿ハンドアウトなし。探索者作成時の自由度が高い(職業等の指定がない)。探索メインで協力型(PvPが起きない)。NPCだけで話が完結するシナリオ(吟遊詩人シナリオ)ではない。

探索導線が自由であったり、ダイスによるランダム要素で、一回一回再現度の低いセッションが出来るシナリオ。

自由。探索者の行動でもろにエンディングが変わる。

・非線形、サンドボックス型。

・ストーリーの流れのメインが探索者ではなくNPC(黒幕側)にあり、探索者はいかなる立場でも(探偵や刑事といった立場も含めて)「今回たまたま選ばれた/巻き込まれただけの存在」であり、秘匿ハンドアウトのように過去や人間関係に関与してくる要素がない。「解決」の方法も、過程や手段、結末をある程度自由に遊べる。

・道筋が決まっておらず、
導入と結末、想定される解決方法がある程度設定され、プレイヤーが解決方法を探り、キーパーがそれに合わせて状況を描写することで話が進んでいくもの。

・解決方法が複数ある。
シナリオ上の描写文が少ない。想定しない解決策、回答に対する許容量が広い。自由な遊び方をしてもシナリオの楽しさが損なわれない。

・生還方法が複数存在し、情報が点になっている。

細かなロールプレイ指針や描写などがなく、あくまでシナリオからは状況の説明にとどまっている(良くも悪くも自由度が高いが、探索に移れるタイミングを明示しづらいデメリットもある気がする)。「〜するならば」というようなアプローチが多く、「ここに<目星>」などの指定系があまりない。あくまで判定は任意としている。時間制限系や日数、アイテム管理などがよりシビアなイメージ。

・キャラクターの設定や行動に対するシナリオの強制力が低い。起きる事象や得られる情報によって、プレイヤーとキーパーがストーリーを生み出す想定で作られている。細かい演出や描写はシナリオの主眼ではない。導入や結末はざっくりとした方向性のみ。

・感情的なシーンよりも淡々としたシーン、描写が多く、感情や見せ場については殆どシナリオではなくキーパーとプレイヤーに委ねられているようなもの。

・問題、困難に対しての解決方法が多岐にわたる。情報や背景は存在するが筋書きなどの流れがない。

・背景はあるものの、探索者の行動を固定しないと成立しない物語は存在しない。秘匿ハンドアウトにより作られた各キャラの見せ場が保証されている訳ではない為、陣によって展開にばらつきが生じ、セッション終了時に旅路を振り返ると物語が完成しているシナリオ。

・キャラクターの台詞が字の文の中に組み込まれている。技能提示がほぼない。終盤、巨大な神格が現れる。クラシックシナリオ系のシナリオはテキストセッションでキーパーをする際、描写の調整が大変な印象があります。

・いわゆる「読み上げればいい」みたいな地の文はあまりなく、シチュエーションや舞台設定や処理についてなどが主に書かれている。探索者たちが基本自由に探索ができる。

・技能で出た情報はシナリオ攻略の手助けになるが、シナリオクリアに必須ではない(情報の入手ができなかった場合に詰むということがない)。神話生物への突拍子もない独自解釈がない。

物語のタイムスケールがマクロではなくマクロ。戦闘が一度は企画されている。裁定に必須な技能が固定されていない。
(※どっちもマクロだったのでどっちだ……の顔をしています。おそらくミクロではなくマクロですかね……?)

ダイスゲームとしての側面が強く出ているもの。

公式シナリオに載っているようなもの。

公式シナリオのこと。またはシナリオ内容の記述形式が公式シナリオと殆ど同じであるシナリオのこと。

公式ルールブックもしくはサプリに掲載されている、細かい描写やセリフが少なくキーパーにより描写が大きく異なる、事態の解決策が一つに限らない……など。

・探索者同士の関係性(感情)を固定させることが少ない。シナリオからプレイヤーに公開する前提の情報以外のテキスト量が少ない。ルールブックに沿ったデータの処理を前提としたシナリオ。

・NPCとの関わりが薄く、探索者の生還のためならばNPCの犠牲も厭わないシナリオ。探索の自由度が高く、探索し尽くさなくてもハッピーエンドに繋がる。即死トラップがある。シナリオの描写が少なく、キーパーやプレイヤーのアドリブ力が求められる。エンディングも決まったものではなく、かなり自由度が高い。所謂エモを求めるのではなく、原作に忠実で理不尽なホラーを求めるもの。

すべての情報が出ていなくてもシナリオクリア、生還が可能。技能失敗してもプレイヤーのアイデアやゾーキングで情報を引き出すことが可能。シナリオの序盤~中盤でも1D20や1D50の正気度喪失が発生する。正気度0以外で出目による探索者ロストがある(呪文、燃え盛る屋敷からの脱出ロール等)。

ドアを開ける前に聞き耳をしないと死ぬ。

・生半可な気持ちでいくと無慈悲に死ぬ。

ひとつの選択で生死が決まる。気を抜くと死ぬ。エンド自体に明確な区分けがない(NPCの生死で真実がわかる等、せいぜい探索者の生死ぐらい)。

ロスト率が高い。マルチエンディング。一般人が巻き込まれる。神話生物と戦わない。

簡単に右腕が吹き飛ぶ。

探索可能箇所が提示されない(プレイヤーから宣言する必要がある)。カジュアルに探索者がロストする。クトゥルフ神話要素がしっかりとある。

探索可能箇所が提示されない。普通に死ぬ。神話的ホラーがメイン。

更に死の匂いが色濃くなってきた。やはり探索者が紙屑として蹴散らされるイメージがある人が多い?

同人シナリオ・秘匿ハンドアウトが存在するシナリオ・エモーショナルさのあるシナリオあたりから見ての逆説の話をしてくれた方が多い印象ですね。
7版グループでは「○○である」、6版グループでは「○○ではない」の記述が多かったのは興味深いです。普段遊んでいるシナリオから見て、の視点で分かれていたのかも?

個人的に「クラシックシナリオ」に求める要素は、アプローチの自由度が高いこと、探索者の思想と行動、感情がシナリオに制限されないこと、かな~と思っています。こういうシナリオのこと、好きです。


おわりに


今回は世間の人々にアンケートを取ることで、人が「クラシックシナリオ」に抱いているイメージのマジョリティーを探れるかな……と期待していたのですが、無理でした。結果を見てわかるように、人によってイメージがバラバラすぎるよ~~~。人々の認識は統一されないし世界から戦争はなくならない。

一口にクラシックと言ってもここまでの印象のブレがあると、自分と相手とが同じ「クラシックシナリオ」の定義をしていないのを前提として話すべきというのがわかりますね。比較的数の多い意見もありますが、それでも絞り切れるほどにはならなかったので、人には人の「クラシックシナリオ」のイメージがあるんだなあ。

アンケートのご協力本当にありがとうございました。まとめている間とても楽しかったです!

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