尿道閉塞な猫さんのお世話の様子
この記事はマガジン「猫さん闘病記」に収録されています。
こんばんわ、KIKOです。
4月から息子猫くんの尿道閉塞が発症していて、カテーテル生活も早4ヶ月。
それなりの工夫も溜まってきたと思うので、少しご紹介してみます。
尿道閉塞で大変な思いをされている、猫さんや飼い主さんの参考になりますように。
カテーテル
尿が出ないので、陰茎から膀胱までカテーテルを通しています。
カテーテルには3種類あるそうです。
・ストレート
これは柔らかい普通の管ですね。
生理食塩水を通しながら尿道を通すので、ご自宅で飼い主さんが導尿されている場合にも使われているみたいです。
・ピッグテール
膀胱内でクルクルと丸まって、ストレートに比べると抜けにくいタイプ。我が家はこれを使っています。
・バルーンタイプ
膀胱内で風船状のものを膨らませておくので、とても抜けにくいそうです。
我が家は初めはストレートを使っていましたが、後述の通りテープで身体に貼り付ける形で固定しているので、テープの重みで、わりと簡単に抜けてしまい…
ピッグテールに変えてからQOLがかなり上がりました。
バルーンタイプも使ってみたいとは思いつつも、合うサイズがないとのことで、今のところ未経験です。(3Frのバルーンタイプを使ったことのある方がいらしたら、是非情報お待ちしています。)
カテーテルの固定
カテーテルの固定は皮膚に縫い付ける場合が多いそうです。
ただこれは猫さんに痛みが伴うのと、術後など入院中なら動き回らないからちぎれて外れることもないと思いますが、自宅で過ごすには不安で…
そこでかかりつけ医の先生が編み出してくれたのが、身体にテープで固定する方法。
包帯などをとめるテープを2種類使って、カテーテルがまっすぐになるように身体に貼り付けています。
これは説明がめっちゃ難しいので、興味のある方はお問い合わせください。
使っているテープはこちらの2種類
シリンジ
カテーテルの出口には蓋がついているので、1日に何回か尿をシリンジで吸い取ります。
使っているのは、動物病院で購入した「テルモシリンジ20ミリ、10ミリ、5ミリ」です。
我が家の猫さんは1回に取れる量がだいたい35ミリなので、20と10(20は25ミリまで取れる)を組み合わせて使っています。
5ミリはシリンジを引く力が一番弱くて済むので、カテーテルの不具合時に、状況を確認するために使う感じです。
洗い替え用に2組スタンバイしています。
シリンジは何度も使っていくうちに黒いゴムの部分の滑りが悪くなってくるので、シリンジを引くのに大変力が必要になります。
そうなったら交換です。(2セットを交互に使用して半月くらい保つかな?)
Amazonでも購入できますが、動物病院と価格の違いがあまりなかったので、動物病院で購入しています。
エリザベスカラー
カテーテルやおむつを自力で外してしまう恐れがあるので、エリカラは必需品だと思います。
我が家が使っているのはこれ。オカモトクリアカラー
初めのうちは24時間つけていましたが、カテーテルにもおむつにも慣れてきたのか、最近はなくても人間が近くにいれば大丈夫みたいです。
ただ自力排尿ができる時は「こんなものイラナイんだよ〜」とばかりに、カテーテルを取っちゃう事件が過去2回相次いでいるので、最近は一人にする時と夜寝るときはつけてもらっています。
その他工夫したところ
カテーテルが折れるのを防ぐキャップ
陰茎から出ているカテーテルの出口。
どうしても猫さんがお座りをすると、カテーテルの上に座る形になるので、カテーテルが折れてしまい、導尿できないことが初めのうちは頻発しました。
ピッグテールのカテーテルはまあまあお値段が高いので、できればそれなりの期間使用したいのが人間の心の内(笑)
そこで、折れから守るキャップを貼り付けることに。
これ、素材はなにかの蓋だと思います。たぶん制汗スプレーの蓋?
ドラックストアの店内を、ちょうど良いサイズの蓋(商品本体ではない 笑)を求めてぐるぐるしていたら、店員さんに声をかけられて。
猫さんのカテーテルの写真を見せながら説明したら、店員さんがバックヤードからこれをふたつ持ってきてくれました。
穴はガスコンロで熱したキリを使って、自分で開けています。
我が家の息子猫君は尿道閉塞ですが、一時的に治る場合もあるので、その場合はカテーテルをつたって自力排尿が可能です。
その場合穴が空いていないと、キャップの中が尿でいっぱいになってしまうので、穴を開けました。
おむつの工夫
猫さんにはおむつをつけていただいています。
これはテープやカテーテルを自分でむしり取ってしまうのを防ぐ目的と、自力排尿した場合の尿を吸収する目的があります。
自力排尿ではなく、カテーテルをつたってダラダラと脇漏れする場合も時々ありまして…
そうなると横になっていると身体の下側がおしっこだらけになることも。
その尿を吸収するために、おむつには生理用品を貼り付けてあります。
ちょうど尻尾の穴の背中側に「羽無し、昼用、21センチ」の生理用品がぴったり!
あと排便について。
尻尾のある動物におむつをするわけなので、おむつには尻尾のための穴がついています。
使っているおむつはこちら。
穴の近くには、穴拡張用に切れ目が元々入っていますが、これをハサミでもっと大胆に広げちゃいます。
すると尻尾をちゃんとあげて排便すれば、砂の上に着地成功することも!
ただ、やはり一部はオムツの中に入ってしまうことも(軟便の場合など特に)あるので、ここでひと工夫。
先ほどご紹介したカテーテルの出口キャップ。この写真の白い部分。
おむつの尻尾穴の出口部分にテープを貼り付け、白い部分に止めます。
そうすると便はオムツの中に入らず、テープを伝って外へ。
うまく砂の上に着地することもあれば、テープの上にべったり残っていることもありますが、肝心のカテーテルは汚れずに済みます。
おわりに
腎不全もある息子猫君。尿量がとても多いので、今は3時間おきの導尿をしています。夜中も2回ほど起きることも。
以前カテーテルの出口を開放にして、おむつのなかに尿を出し続ける状態で過ごしたこともあったのですが。
これは人間がとても楽で、夜もぐっすり眠れるのですが…
我が家の猫さんには膀胱結石もあるので、膀胱内が常に空っぽだと、今度は結石が悪さをするようになってしまい。
膀胱炎のような症状が頻発したので、またシリンジで導尿するスタイルに戻した経緯があります。
ちょっと大変ですが、それでも腎不全の症状は一気に改善!
BUNが70近くから40台まで下がったので、導尿は効果があるなぁと思っています。
またずっと謎の嘔吐と下痢に悩まされてきましたが、これはめっちゃ力を込めて排尿していたせいかも…
ウーンってかなり力まないと尿がでなかったので、力みついでに栄養を吸収しきっていない軟便も出ちゃうし、息みすぎて気持ち悪くて嘔吐もしちゃうし。
導尿をしはじめてから嘔吐下痢が減ったので、体重も1キロほど増えました。
医療を受けるということはなんでもそうですが、メリットとデメリットの差を考えますよね。
尿道閉塞でカテーテルを入れて過ごすことは、人間の大変さや膀胱炎の心配などありますが、いまのところの我が家の選択としてはメリットが上回っていると考えています。
もちろん手術ができればそれに越したことはないでしょうが、いろんな病気を併せ持っていて手術ができない猫さんもいるでしょう。
この記事がそんな方の参考になれば幸いです。