たっこちゃん、齢ほぼ80歳 #41 たっこちゃんが転んだ 2
高齢のたっこちゃん(母)のことを書いています。上達しない手描きイラストはゆるイラストだと笑ってやってください、ペコリ。
たっこちゃんが転んだはなしの2回目。
私はたっこちゃんがこけないか(転ばないか)と心配でならないのに、たっこちゃんはよくこける。
人工関節が入っているとはいえ脚が悪く筋力がない高齢者のたっこちゃん。杖なしで歩けるんだが、とにかくちょっとしたことでこけるのだ(転ぶってことね、2回目)。
なぜこける心配をしているかというと、高齢者がこけて骨折したことがきっかけで、ひどく弱ったり、寝たきりになったって話をきくからだ。
実際祖母もそうだった。
祖母は骨折するまでは杖なしで元気に歩いていた。新幹線に乗って岡山から大阪までやって来た。
なのに、手術後に歩けない時間が長かったせいで一気に弱ってしまった。
他人は100歳まで生きたから大往生だと言うけれど、祖母が骨折しなければもう10年、110歳まで生きただろうって、惜しかったなって、たっこちゃんとは今でも話す。
いつだったか、たっこちゃんと二人で梅園に行ったときのことだ。
そこは山の傾斜にたくさんの梅の木が植えられていて、私が先を行っていた。たっこちゃんは後ろを歩かれるのがイヤなのだ。
「きれいやなぁ」
「今日来てよかったなぁ」
「来週やったら梅も終わりやわ」
綺麗な梅の花に気分が上がりっぱなしで話しかけたが返事がない。
振り返るとたっこちゃんがこけていた。
3メートル後方でつっぷしていた。
「なにしてんの??!」
こけているのは一目瞭然なんだが、口から出たのがこれだった。
たっこちゃんはうつ伏せのまま
「なにしてんのって、こけてるんやっ」
「足をとられたんやっ」
怒り心頭。
どうにかこうにか体を起こし、痛いところがないか確認する。骨折や捻挫はしていないようでほっとする。手のひらを擦りむいていたが出血もない。よかった。ズボンは少し擦れていたけど破れてはいない。どうでもいい。
だが翌日、顎下から鎖骨近くまでが恐ろしいバケモノの顔の形に青タンができていた。
こけたり、こけそうな経験をする度に、歩いて筋力と体力をつけたいと思うそうだけど、トレーニングがてらにひとりで歩くのはこけた時が心配で躊躇するようだ。
気に入った中国ドラマが放送されている時期だと、欠かさず観たいから外に出たくない気持ちもある。
先日の老人会のウォーキングで13000歩ほど歩いた日はヘロヘロで帰ってきた。
長時間歩くと腰も足の裏も痛い。なにより帰宅後に脚がつる。芍薬甘草湯を飲んでいてもつりそうだ。
よかれと思って、ふくらはぎのマッサージをしてあげようと脚に触れると怒られる。
「やーめーてーっ!!」
「痛いやんかっ!!」
って。
どうすりゃいいんだ。
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