たっこちゃん、齢ほぼ80歳 #46 ほぼ80歳のほめられコーデ
母(たっこちゃん)のことを書いています。
先日老人会の総会に出席したたっこちゃん。
帰宅するなり
「あたしが一番かわいかってん」
「みんなに褒められてん」
「かわいいって言われてん」
「よく似合ってるなあって言われてん」
ご機嫌だった。
老人会の総会とはなんぞや。
それは主に1年間の会計報告を目的とする集まりだそうで、会員が集まって市歌と老人会の会歌を歌うところから始まり、会計報告をして食事(禍前なら)となる。
数年前までは地元の老舗ホテルの広間で開催していて、会員のみんなはその場に相応しいお洒落をして、それはそれは楽しみにしていたらしいが、最近そこの利用料が桁違いに値上がりしたらしく(たっこ談)、今年は公民館での開催となった。
それでも総会となるとふだんの囲碁ボールやプチ遠足と違ったお洒落をしてくることには変わりがなく、たくさんの写真を撮ることもあってたっこちゃんも前の晩からなにを着ていくか考えていた。
当日の朝、たっこちゃんは濃い灰色地に薄いピンクの花模様のトップスを着ていた。
「地味やん」
「暑いんちゃう?」
「今日は気温上がるらしいで」
私が率直な感想を言うと
「最初はこれにしようかと思っててん」
とハンガーにかけられた洋服を持ってきた。
「ちょっと派手やろ?」
そう言いながらも、私が「いいやん」と言ったらそのコーディネートで総会へと出かけて行った。
ブラウス
昭和時代に購入し、引き出しにしまいっぱなしだったもの。ラベンダーピンクのふんわり膨らんだ袖がいまふう。
ファッションの流行周期は5年とも10年とも言われているようだけど、いったいなん十週まわったんだか、とにかくいまの流行に合っている。よかった。
かぎ針編みの手編みベスト
叔母(たっこの妹)の手編みで、ラメ糸が入った明るく春らしい色合いで、叔母が編んだニットの中で私がいちばん好きな作品。
実のところ私に「いいやん」と言われたものの、会場に向かう電車の中で派手過ぎたかな、衿がヒラヒラで可愛らし過ぎたかなって少し後悔していたらしい。
今回の総会では会員のみんなが地味な洋服だったそうで、
「歳がいったら明るい服を着なあかんわ」
とかなんとか言っている。
灰色のトップスで行かなくてよかったね、たっこちゃん。