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エッセイ: ドイツ帰りのインテリ奥様と - 大手町の夜の出来事

プロローグ
人生には、いくつかの忘れられない瞬間がある。特に、誰かと出会い、その人が自分の生活に静かに、そして確実に影響を与えていくとき、その瞬間は特別だ。
忙しい日常の中で、予期せぬ出会いが人生を変えることがあるなんて、ほとんどの人は普段考えもしないだろう。
しかし、それは突然やってくる。そして、いつしかその出会いが運命のように感じられることもある。

この物語は、リアル開催の既婚者 合コン(パーティ)の出会いからから始まった。
日々の仕事や責任に追われ、恋愛について深く考えることもなかった私が、ふとしたきっかけで一人の女性と出会った。
それは、ありふれた水曜日の日中から始まり、私の心に新たな感情を呼び起こし、やがてそれが大きな変化をもたらしていくとは、その時は想像もしていなかった。

この物語は、そんな小さな出会いから始まり、徐々に深まっていく二人の関係を描いた一幕だ。

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出会いから初デートまでのストーリー

出会いのきっかけは、久しぶりに参加した、リアル開催の既婚者 合コン(パーティ)で、私はカスミと出会った。一次会でのLINの交換から始まり、そこでは他愛ない会話しただけだったが、二次会、三次会へと流れるように夜は進んでいった。

私の第一印象は、彼女がとても洗練されていて、上品さが漂う女性だったこと。特に、カスミの控えめな笑顔と物静かな佇まいが印象的で、自然とその存在に目を引かれた。
彼女ともっと話をしてみたいと思ったが、私が幹事役であったため、その願いは叶わず、彼女との会話は限られたものに終わった。それでも、帰り道に少しでも一緒に過ごせる機会があればと期待していたが、彼女はどこかに消えてしまった。
おそらく、帰り道でまた話せるだろうと勝手に期待していた自分に、少しがっかりしていた。

その夜、帰宅途中で「お疲れ様でーす。また、会いたいでーす」と軽い感じでLINEを送った。彼女もすぐに「ありがとうございました」と返事をくれたが、彼女はすでに家に向かっていたことがわかり、少し驚いた。そして、「次は二人で会いましょう」という私の提案に、カスミは「二人で?」と軽く驚いた反応を見せつつも、否定はしなかった。

その後、私たちはLINEで頻繁にやり取りを始めた。私は彼女に「こんにちは~。三連休は何してますか?」とメッセージを送り、彼女からは「英語の勉強をしてます」という返事が返ってきた。英語の勉強に興味があるという彼女の姿勢に、私は好感を抱いた。さらに話を進めていくうちに、彼女が以前ドイツに住んでいたことがわかり、その上でドイツ語の資格を持っていることにも驚いた。お互いの興味や経験を共有する中で、徐々に距離が縮まっていった。

彼女が上品で、知的であることは間違いなかった。そんな彼女に、私は「一度、お詫びを兼ねて、お食事でもどうですか?」と提案した。初デートの誘いに、彼女は「イタリアンが好きです」と返してくれた。私が提案したお店は、ニューヨーク本店が有名なイタリアンレストランで、彼女もそのお店に行ってみたいと言ってくれた。

デートの日程を決める際も、スムーズに会話が進み、彼女は「楽しみにしています」と笑顔の絵文字を送ってくれた。こうして、〇〇月〇日に私たちは初めて二人きりで会う約束をした。大手町のパレスホテルのロビーで待ち合わせをし、その後、予約していたイタリアンレストランへ行くことになった。

デートが近づくにつれ、私たちのやり取りもより軽快なものになった。彼女は「私は食べるのが大好きだから、食欲の秋かな」と言い、私は「私も食べるのが好きで、そのために運動しているんだ」と笑いながら返した。彼女はまた、ジムで筋トレをしていることを教えてくれた。これには少し驚いた。彼女はとてもスリムで、どちらかと言えば華奢な印象を受けたからだ。しかし、彼女が大胸筋や大臀筋を鍛えていると聞いて、少し意外な一面を見た気がした。

私たちはジムの話で盛り上がり、彼女はエニタイムフィットネスに通っていると教えてくれた。私はセントラルスポーツやコナミスポーツにも通っているが、彼女が主に筋トレをしていることを知って、共通の話題がさらに増えた。彼女とのやり取りは常に穏やかで、時にはユーモラスで、お互いにリラックスした状態で話せることが心地よかった。

そして、待ちに待ったデート当日が近づいてきた。彼女がジムで鍛えていることや、趣味の話など、少しずつプライベートな話もできるようになり、私は彼女との関係が進展していることを感じていた。

デート当日、私は少し緊張していた。パレスホテルのロビーで待っていると、約束の時間より少し早めにカスミが現れた。彼女は白いブラウスと、上品なスカートを身にまとい、シンプルながらもとてもエレガントな姿だった。彼女の落ち着いた笑顔を見た瞬間、緊張が一気に解け、自然な会話が始まった。

「お待たせしました」と彼女が言い、私は「全然、早かったですね」と返した。二人とも笑顔で話し始め、気まずい沈黙が生まれることもなかった。レストランに向かう途中、彼女が「楽しみにしていました」と言ってくれた言葉に、私は心から嬉しく感じた。

イタリアンレストランでは、お互いに好きなメニューを選びながら、仕事や趣味の話、そしてこれまでの人生についてゆっくりと語り合った。彼女がドイツでの生活について話してくれたとき、彼女の経験豊富な一面に再び驚かされた。異国の地での生活、文化の違い、そこで感じたこと。彼女の話は常に興味深く、私はますます彼女に引き込まれていった。

一方で、私も自分の過去の経験や、これまでに挑戦してきたことを彼女に話す機会を得た。彼女は私の話を丁寧に聞いてくれ、時には質問を投げかけてくれた。二人の会話は途切れることなく、心地よいリズムで進んでいった。

デートが終わりに近づいたころ、私は彼女に「次はどこかでジムデートでもどうですか?」と軽く冗談めかして提案した。彼女は「仲良くなったらね」と微笑みながら返してくれ、その言葉に少し期待を込めて、私たちは夜の街へと歩き出した。

こうして、私たちの出会いから初デートまでの物語は、ゆっくりと進んでいった。互いに少しずつ知り合い、少しずつ距離を縮めていく過程は、まるで一歩一歩階段を上がるような、穏やかで確かなものであった。彼女との出会いは、まさに偶然の産物であり、これからの関係がどのように発展していくのかはまだわからない。しかし、初めてのデートを通じて感じた彼女との心地よい時間は、私にとってとても貴重なものとなった。次のデートが待ち遠しい気持ちでいっぱいだった。

エピローグ
初デートが終わったあと、彼女との距離は確かに縮まっていた。お互いにまだ手探りの状態ではあったが、その時間は確かに価値あるものだった。会話の中で、彼女が見せる柔らかな表情や、何気ない冗談に返してくれる優しい笑顔は、私の心に温かさを残した。彼女との時間は、まるで特別な魔法がかかったかのように、穏やかで、どこか心地よいものだった。

帰り際に交わした「また会いたい」という言葉は、軽いものではなく、これからの期待感を込めたものであった。まだこれからどうなるのかはわからないが、彼女と過ごす未来が少しずつ見え始めた気がした。これからも、彼女とのデートや会話を重ねていく中で、お互いをもっと知り、理解し合っていくのだろう。

ふと振り返ると、この出会いは偶然ではなかったのかもしれない。運命的な何かが、私たちを引き寄せたのだろうか。これからの二人の関係は、まだ始まったばかりだが、その未来にはたくさんの可能性が広がっていることを感じた。そして、次に彼女と会う日を待つことが、今の私にとって最大の楽しみになっていた。

出会いはいつも、私たちが思いもよらないところからやってくる。そして、その出会いが新たな未来への扉を開くこともある。この先、彼女とどんな物語が待っているのかはわからないが、一つ確かなことは、この瞬間から始まった物語が、私の人生において忘れられない一章となるだろうということだ。


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