ネタバレいっぱい海神再読第十六回 三章5.名探偵、尚隆?
あらすじ:帰ってこない六太、亦信の死、行方不明になった赤子…尚隆は元州に疑いの目を向ける。
●麒麟誘拐事件
六太誘拐当日夜、王宮で尚隆と三官吏。
①六太が更夜とでかけたまま帰ってこない。
②亦信の遺体が見つかった。
③亦信は妖魔に喰い殺されたらしい。
④付近で妖魔が目撃されている。
⑤付近で赤子が行方不明になった。
これだけで真相を言い当てた尚隆すごい。更夜や赤子も妖魔に食べられた?とか思わないのはメタ的には省略技法なんだろうけど、効果として尚隆がすごい推理力を持ってる描写になってる。
尚隆はミステリの名探偵みたく「真相を見抜く」役だってことだよね。
あと亦信の死に対し、
尚隆)…不憫なことだ。せっかく梟王に殺されずに生き延びたというのに
妙にクール。冷静過ぎるくらいに冷静。
●元州謀反事件
六太失踪に対し、
・そのうちどこからか見つかるか
・勝手に帰って来るか
・誰かが要求を突きつけてくる
またしても尚隆の推理は大当り。尚隆の切れ者振りは確定ですね。
対策としては、
・成笙たちが探す の他に
・元州の驪媚に連絡を取る
・仙籍をあたって、元州の官の中に更夜がいないか調べる
これまた大当り。大いにきな臭かった元州と好敵手対決の始まりだ。
…まあ尚隆だって元州の大河の治水をかなり露骨に放置してたんだから、仕掛け合いは水面下でとっくに始まってたんだよね。
しかし、
尚隆)実際にはどこが出てくるか。―敵わんな。心当たりが多すぎる。
てことは、元州が一番だったけど唯一の心当たりではなかったんですね。州の全権取りあげは全国でやってたんだから。
●仙籍
王宮で仙籍をあたれば、地方の官吏の名前を調べられる。
この仙籍というのが単なる書類なのか、人を仙人にする呪術を秘めたあれなのか。
後者だとすれば、王と台輔以外でも読めるのか、仙籍への出し入れはできるのか、州官の出し入れも王宮でやってるのか(州の申請を受けて書き込んで押印する?)。
疑問はつきないけど、この場合のは成笙が調べられるんだから、真の仙籍簿の写しということも考えられるな。