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ネタバレいっぱい海神再読第二十八回 六章2. 斡由は何故光州を信用したのか。

あらすじ:舞台、頑朴城。露台から元州を見下ろす斡由と警護する更夜(と大きいの)。そこへやってきた白沢。王師が民を加え続けていると報せる。更に同盟州光州の裏切り。
白沢は言う、自分たちは天命の威信をあまりに軽んじていたのかもしれない、と。
梟王を持ち出し反論する斡由。
しかし「民はそれを信じているのです」
その時更夜の懐で赤索条が切れる。

●下界を見やる斡由

こうして元州を、頑朴を雲海を通して見るのが好きだったんだろうなあ。

●斡由と白沢と更夜

更夜はこうして二人を警護していて、ここが居場所と感じてたんだろうな。ここでなら必要とされる、大きいのと一緒に。
更夜にとって大きいのは自分の属性の一部だから、大きいのと別れたらとか、大きいのがいないふりをしたら、では受け入れられたことにならなかったんだろうね。

●王師と州師

王師派遣軍は禁軍7,500+12,500で20,000、王宮に靖州師5,000+民25,000で30,000。合計50,000。
対する元州師5,000+民3,000=8,000、他に光州に3,000を派遣…しかし光州派遣軍は王師に下り民も逃げ腰。
王への民の期待はかくも大きく、それに逆らった斡由は大莫迦者?
いやいや、斡由には(七章で明かされる)国の実権を掴まなくてはならない差し迫った事情があったし、自分のやってきた事…梟王の末期から荒廃の時代に積み重ねてきた実績を、信じていたんだよね。
五十年近くだよ、それだけやり続けて成果を上げてきた事をやった当人が信じなくてどうする!
…ていうか、自分のやってきた事を誇りに思って、支えとするような奴が好きなんですよ…

●斡由は何故光州を信用したのか

光州に裏切られていたと知って驚く斡由。
尚隆のかなり荒っぽい人事にまんまと懐柔された光州侯はそんなにあてになる人物ではないと思う。
それを信用してしまった斡由は大莫迦者?
いやいや、斡由は七章で明かされるように、大嘘をついて七十年間元州全体を騙してきた奴なんだよ。それがおめでたかったら変でない?
…とずっと思ってたんですが、今回答見つかったかも。
他の州侯と協力して王と戦うってのは、梟王の時代、やろうとして父の反対で出来なかったことなんじゃない?
平時の王師は禁軍と首都州師併せて正規兵75,000人。(12,500×3×2)
余州(首都以外の州)の州師の軍は15,000人(7,500×2)か
22,500人(7,500×2+2,500)か
25,000人(7,500×3+2,500)で
軍を動かすときには市民から5,000を追加、
元州は余州としては最大の四軍を持ってたから30,000人の兵を持っていた。
梟王に誅殺された州侯は三人(二章3)
三人の州侯の州師が全て四軍ではなくて、ニ軍15000+5,000=20,000人×3だったとしたら、併せても60,000人で兵力が王師に及ばなくて、元に助力を求めたけれど元侯が断って州侯たちは誅殺された、とかそんな過去があれば、他州との同盟は斡由にとってやりそこねた過去で、光州との同盟はやり直しだったってことになる。
やり直そうという意識に囚われて現実の光州侯を見誤ったんじゃないか?
…まあ想像ですけどしかし、
・軍の人数についての細かい設定(四章4)
・心ある三人の州侯が誅殺されたとの記述(一章1)(二章3)
・梟王が大量の武器を集めてた、つまり異様に乱に備えていたこと(一章4)
・相当数のキャラが過去のやり直しという課題を抱えてること
…と考えると、斡由の不自然なおめでたさの裏にこんな設定が隠れてるのもありうると思う。

ところで、過去のやり直しキャラといったら、尚隆である。
尚隆はかつて小松で見捨てられた側だった。それが今度は他人を見捨てさせる側になる。上手くいっておめでたい斡由が手酷く見捨てられたら、尚隆は満足できるんだろうか?
光州に見捨てられる斡由の元州は、大内に見捨てられた尚隆の小松の写身なのに?
…このように構図がピチッとはまるあたりも深読みしたくなるんだよな…

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