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ネタバレいっぱい海神再読第三十三回 七章3.「斡由の言には一理がある」か?

あらすじ。六太は頑朴城を脱出しようとして、内宮に幽閉された謎の老人に出会う。
…短い。ほぼ七章4の一部のようなものだから〜。

●頑朴城の闇

六太は地下道を通って内宮の深部にでた。内宮の奥は城主の家族の住むところ、なのに人がいない。まー家族いないし斡由も住んでないんだろうけど(会社に泊まりこむタイプ)無人の家庭に居るのは無声で叫び続ける老人だけ…いや暗い。住処は住人の内面の暗喩と言うけど、人は居るけど殆ど傀儡の白圭宮とか、都を夢見る父が妻とその子と閉じこもって尚隆には居場所が無い館とか…みんな暗い…。

●「斡由の言には一理がある」

と、逃亡中の六太は考えていた。
「州の権を取り上げておいて、九州は広すぎて目が届かない、では通らない」「不満は分かる」「漉水流域に住む者の不安も」
…最後の確認のように、斡由の主張に理解を示す六太。この後斡由の暗黒面暴露が始まるんだけど、この時点ではこうだったんだな。

●斡由と老人

舌を切られ、鎖に繋がれ、汚物まみれの牢獄に幽閉された老人。汚物があるということは飲食をしてたということ。誰が飲食物を運んでたのか。
更夜には老人のことを知っているという描写がない。よって知らない。更夜の他に、いわゆる汚れ仕事をしていた臣がいたとも書いてない。代わりに「(州侯を)斡由が手ずからお世話申し上げている」との驪媚の証言が三章4にある。
だから老人の舌を切って鎖で繋いだのも、飲食物を運んでたのも、おそらく斡由。
虐待しつつ命は取らない。その理由についての私の考えは七章4で述べるとして、老人に対する仕打ちは斡由の中の怒りと絶望を表してるんじゃないかと思う。
「なぜ斡由はこんな非道を許している」
「民のために、とお前は言いはしなかったか?」
六太も認める理を唱える斡由と非道を行う斡由。この二つを結ぶものは?…で次、七章4に続きます。

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