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ネタバレいっぱい海神再読第二十回 四章4.王師と州師の人数について

あらすじ:尚隆と三官吏は事態を整理する。

●仙籍簿

現在、六太失踪から三日後。王宮。
後宮で秘密会議する尚隆と三官吏。仙籍簿で更夜の名前発見…てことは全国の仙籍簿が王宮にあって仙にしたり辞めさせたりを玉璽でやってるんだろうか?(忙しいな)それとも写しが届けられてる(または自動で写しが出来る呪がある)のか?

●人事異動

この章のラストで尚隆は六官三公を罷免…つまりクビにする。これは五章の人事異動作戦の準備だよね。席を開けるとともに冢宰の力を削いでおく。しばらく各方面の官の長がいなくなるけど、まあ重要な事柄は尚隆が三官吏たち信頼できる側近と決めてたから実害ないってとこかな。朝議に出ないのも同じ理由?

●軍の人数

軍には人数で四種類あるらしい。
黒備 12,500兵
白備 10,000兵
黃備 7,500兵
青備 2,500兵(佐軍?)
他に市民から5,000を募ったり火急の際は徴用したりもあり。

王師は通常黒備12,500兵を禁軍左右中の三軍、首都州師も左右中の三軍だから、王の実質的な軍は12,500×6=75,000兵プラス市民・徴用分。

一方、余州(首都州以外の州)の州師は黄備7,500兵を二軍(左右?)から四軍(左右中佐?ただし佐軍は青備2,500)プラス市民5,000の間に限られる。州が全て連合したら州師の人数が最少でも120,000になる、ということは、
州師の最少は120,000÷8=15,000。
つまり州師の兵力は
7,500×2=15,000と(7,500×3)+2,500+5,000=30,000の間。

王側は最大75,000+市民・徴用分、州側は最大30,000で通常ならば一州では王には絶対に叶わない。州師を全て併せたら一つ一つの州師の人数が最少でも人数的には王師に優れる、という事は州侯が団結したら麒麟の死に依らなくても王を倒すのは可能で、太綱というこの世界の法律で認められてる?
まあ暴君はまず反逆しそうな州侯を殺すだろうし(梟王も二章3によれば三人殺してる)腑抜けを州侯に選ぶだろうけど、認められてはいる?
しかしいまは国全体が荒廃の後遺症で民が少なく、禁軍7,500、首都州師5,000で併せて12,500。元州も届出では12,500。一見互角に見えるけど、斡由は王師を挑発する為に州師の人数を実際より多く報告してた(六章2)。
尚隆は内偵でそれを見破り、常備7,500に民の徴用を加えて10,000だろうと考えていた(実際は六章2 によれば常備8,000と市民3,000の11,000だった…え!尚隆の想定より多いじゃん!)。光州との同盟関係まで見破ってたわけで(五章2)この時点の情報戦で尚隆はかなり優位につけていた。尚隆の心当たりは元州だけじゃなかった(三章5)から忙しくて朝議にでられないのも無理ないな!

●麒麟誘拐事件

その尚隆の数少ない想定外が六太を誘い出せる更夜の存在だった。
「もしも台輔に万一のことがあったら」
…六太は捜査陣の長の遠隔殺人ができる超強力な人質なんだよね!この、持ってる情報で場を操る力の優劣が決まる展開が凄く面白い!

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