【6】日ソ開戦前の状況~司令部内の業務の繁閑~
前回はコチラ
今回はここから。
司令部内部の業務詳細について書かれていました。
司令部内部においても業務の繁閑はある。
比較的平常の勤務ができるのは軍医部、法務部、副官部あたりであり、参謀部にあっても教育、図書、兵用地誌等であり、作戦、情報、兵站、動員の各室は毎日多忙を極めていた。
司令部では毎月の第1、第3日曜日は休日であり、その他の日曜日は半日休と定められていた。
夏の焼き付けるような1日が終わり陽が地平線の彼方に沈む頃、退庁する人の群が門外のアカシヤの林の中に吸はれていく光景をながめてはわれわれ玄関正面よりの2階にいる者は休憩の時間を待つのであるが、若いタイピストたちは外を眺めては心が動揺するのである。
やがてまたわれわれの残業が始まるのである。
退庁時限後の男女間の風紀については特に高級副官の達しがあり厳しく、庁内残留女子については特に許可を得るのである。
両角少尉と安部さん、遠藤さん、私の4人の営外居住者は起居行動を共にしていた。
世論に惑はずの鉄則に囲まれた生活にも、文字通り皇国の興廃の岐路に直面していることをひしひしと身に感じた。
次回はこちら
いいなと思ったら応援しよう!
文字起こしが終わったら、製本したいと考えています。宜しければサポートお願いいたします。