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猫のウイルス検査について

今回は猫白血病ウイルス(FeLV)、猫免疫不全ウイルス(FIV)の検査についてです

どちらも野良猫がよく感染しているウイルスですが、今の医療では完治させることは出来ません
ワクチンは存在しますが、特にFIVについては予防効果が高くありません
いずれも、直接接触することで感染しますので、他の猫と接触しない場合、基本的には感染することはありません(Fe LVの場合、直接接触しなくても食器の共有などで感染することがあります)
もし、感染を疑うような出来事があった場合や猫を保護する場合、新しく猫を家に迎える場合は検査をしておく必要があります

では、どのように検査をするのか?
採血して血液の中に、
FeLVについては抗原があるか?
FIVについては抗体があるか?
を調べます

抗原とは、ウイルスの体の一部のことです
抗体とは、ウイルスに感染すると、それと戦うために身体が作る物質です
猫のウイルス検査をする上で重要なのがタイミングです

まず、FeLVについて
感染直後では血液中に検出可能な成分の量が十分ではありません
→保護直後の検査結果は正確さに欠ける(偽陰性の可能性)
また、ウイルスが体に侵入しても、身体とウイルスが戦ってウイルスを排除する可能性があります
→陽性の結果の場合、1〜4ヶ月後に再検査

次にFIVについて
子猫であれば、母親からもらった移行抗体が残っていることがありますので、生後すぐに検査をしても移行抗体を検出してしまう可能性があります
→生後3ヶ月までの検査結果は正確さに欠ける(偽陽性の可能性)
また、感染したとしても、抗体を作るには時間がかかります
→保護直後の検査結果は正確さに欠ける(偽陰性の可能性)

まとめると
①他の猫と最後に接触してから1ヶ月以上経過してから検査する
②生後3ヶ月以降に検査する
③FeLV陽性だった場合、1〜4ヶ月後に再検査

これを守れば比較的正確な検査結果が得られます

猫ウイルス検査について、不明な点などあれば、お気軽にご相談ください

Fe LV、FIVについての参考資料を添付しますので、興味のある方は読んでみてください



参加資料
FeLV

FIV



獣医師 水越健之 の自己紹介の記事です

その①
少年時代から獣医師になるまでの生い立ちを綴りました


その②
いわゆる、自己紹介の記事です 


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