人生は何度でも
私は就職氷河期時代の失敗組でした。デザイン系の専門学校を卒業、就活に失敗し、入ったアルバイト先は倒産し給料不払い、そのあとは清掃会社で最低賃金、サービス早出のサービス残業でブラックな労働となかなかハード。そこからコールセンターで働き少し持ち直し、そこから私は友人の情報を聞き職業訓練に通いました。
職業訓練。わたしの選択肢にはなかった言葉でした。コールセンターはホワイトな職場で4年少々働きましたがしたが私はやはり電話が苦手でした。「苦手を克服できるかも」と働き始め、たくさんほめてもらったし「できない」とは違いましたが電話が鳴るまでの時間が苦痛なことは変わりありませんでした。それに当時は独身、もうすぐ30歳…ともなるとやはり、契約社員、時給というのは少し頼りないかな…と思えてきました。しかし転職となると、自動車免許もないし対面接客経験もない(そもそもやりたくない)オフィス系のソフトも使ったことはなくアドビの知識も10年前のもの…と考えると絶望的…そして退職とのタイミングも難しくなんだかな、と思っていたそんな中、友人の何人かが本州でデザイン系の職業訓練に通うようになったという情報を得ました。詳しく聞くと、試験にうかれば半年間無料で学校に通え、就職の手助けもしてもらえるとのこと。その間は失業手当も受けることができます。興味をもって私はハローワークの窓口に行き説明を受けました。「学びたい、そして就職したい」と意思を明確にしていくと窓口の方が丁寧に説明をしてくれます。北海道ではデザイン系の学科は民間のものしかなかった為、近しいところで建築やインテリアが学べる学科を選びました。民間のものと国で運営しているものがあり、国で運営しているもののほうが交通費がかからなかったり自己都合退職でも半年失業手当が出たり手厚いのですがちょっと倍率が高め。しかし学んで新しい仕事に就きたい!という姿勢を面接で見せ、中学一年生くらいの漢字と数学をワークで勉強すれば大丈夫かな?とは思います。倍率にもよると思いますが私はそれで大丈夫でした、おそらくハローワークに出す就職活動報告のためだけに受験する人とかもいるので、真面目にやればなんとかなる!とおもいます。あとはまわりに受験した人がいたら助言を求めてもいいでしょう。
合格通知が来たのは2018年9月8日。そう、北海道ブラックアウトの真っただ中でした。私は避難所にいたんですが(この話はまた別で)合否がとても気がかりでした。荷物を取りに自宅に戻ったら通知がきていて、当時の職場の仲間のグルチャや家族、友人に報告し被災の中気持ちを持ち直すことができました。10月1日入所の為、出社して早急に報告。翌月晴れて訓練生となりました。
私は建築系の学科で、お金がかかったのは①作業着➁テキストの二つくらいでした。そういったものは説明会やパンフレットで調べることができます。あとは資格をとるならその受験費用ですね。交通費も支給の為あとかかるのはご飯代くらい。ご飯も学食があり安くてボリュームがあると評判です。驚いたのは、本当に色々な人がいること。少数デザインや建築に携わっていた人もいましたが一割満たなく、年齢は20代前半から50代まで、前職は事務から接客から様々。子供が小学校や幼稚園に上がったため仕事復帰に向けて入っている人も多いようでした。失業手当対象者でなくとも別な給付金の対象の方もいるのでそれはハローワーク窓口で応相談。パソコン操作もあまりやったことない人も何人もいましたがみんなちゃんと身に着けて、CADで図面を引いたりパワーポイントでプレゼンができるようになっていました。名刺交換や電話応対、実習で実際に内装を作ったり様々なことを学習し自分に適したものを見つけていくので、「〇〇がやりたい!」と明確ではなくても、もしくは何が向いてるかわかんないな、くらいのほうが学びやすいかもしれません。卒業後は建築系に進む人、事務職、前の職種に戻る人、様々です。簡単なプロフィールを公開して企業から面接を申し込んでもらうシステムもありそこから就職する人も多くいます。私もその一人。CADってなんだろう、という地点からCADオペレーターで正社員になりました。先生からは60歳過ぎた人でも未経験の仕事についた人もいるとのことで、ほんとに何歳でも新しことにチャレンジできるのだと思える貴重な体験でした。そして、30過ぎて「クラスメイト」という友達ができたのも本当に嬉しかったです。今の仕事、なんだかな…って思ってる人や仕事復帰に悩んでる人は一度ハローワークに相談してみてはいかがでしょうか。