大学1年にして彼氏6人目の私のしくじり恋愛遍歴 3【初恋】
初めて恋人ができたのは小学五年生。
小学生の時の付き合ったどうのこうのをカウントしなくていいんじゃないか、たかが知れているだろう。
間違いない。あれはこの歳から見たら遊びの範疇だと思う。
でも間違いなくあの時のこれが今の私がこんなに恋人が変わる元凶だと思う。
私の初恋の相手は頭が良くて背が高くてクールだけどちょっと変わった不思議くん。
席が隣だったある日、その子は方眼用紙にあの下ってるのか上ってるのか分からなくなる階段のトリックアートを書いてた。
何を書いているのか気になってじっと見てると、はい、と言って私にも方眼用紙をくれた。
何だこの子、よくわからんけど面白い。
何を考えているのか分からないクールで割と無口な彼が私に気づいて話しかけてくれた。
もうそれだけで多分好きだった。意味分からん。ちょろすぎる。
この方眼用紙事件から2週間後、衝撃の事実が発覚した。
私の幼稚園時代からの友達が彼のことが好きなんだと教えてくれた。
彼女には今まで何も勝てたことがなかった。とても大人びた子だった。私はいつも彼女の後ろを歩いていた。
彼女からその日から毎日、彼の話をされる度に私は自分も彼が好きなんだと言おうか言わまいかずっと迷っていた。迷ってるのに口では応援していた。
私の悪い癖だ。
DSのフレンド機能で二人で夜話してたんだとか(私は彼と電話してたよ)、キャラクターもののペン持ってて可愛いとか(スヌーピーのやつだよね、ウッドストックが一番好きなんだって)。
知ってた。そんなの知ってた。あなたと彼より私と彼の方が色んな話してたよ。
2月14日。バレンタイン。
この日にとうとう彼女は彼に告白すると私に言った。その日までずっと彼女に私は隠し事をし続けてた。
当日、彼女はチョコを渡しに行った。
私もまた、チョコを渡した。彼女に内緒で。
次の日、私のバッグに見覚えのない1枚のメモ用紙が入っていた。スヌーピーのやつ。
そこには、昨日2人に告白されてえりなと付き合いたいなと思ってるんだけどあの子になんて返したらいいかな。こんな内容が書いてあった気がする。
嬉しかった。最低だけど。漫画かよ、ってなんかフィクションみたいに見えるねこれじゃあ。
なんて返したらいいかなって、正直私にきかれても困った。今でも正解の返しが分からん。あの時なんて返したんだったかな。
結局彼は友達にしか彼女のことは見れないと、そんなような内容を話して彼女のことを振った。
そこから何ヶ月か、私たちは誰にもこのことを話さず付き合い続けた。
カモフラージュで彼は彼女と遊びに行ったりしてた。
それでも良かった。彼は私を選んだ。初めて彼女に勝ったと、その時は思っていたから。
そんなことをしていたらまたまたある日、彼女にこのことがバレた。とても怒っていた。そりゃそうだ。
私はとんでもなく謝った。
彼女に嫌われる覚悟さえできてなかった。
謝ったけど、後悔はしてなかった。
彼女は許してくれた。
そして私たちは別れた。ほぼ自然消滅。
なんだったんだろう。生産性が無さすぎる。恋愛ってそんなものか。
恋愛でなら自分は他の人に勝てると知ってしまった。それだけ。
これが私の初恋。
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