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【利き手が決まるのはいつ?】#19

”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された7種類の感覚の秘密を
簡単にまとめたり、療育・保育・子育てに
関わる内容をお伝えしています。

今回のテーマ:両側統合

# 19 感覚統合 両側統合

1.両側統合ってなあに?

ハサミを持つ手と
紙や物を持ったり支えたりする手。
それぞれ役割が異なります。

前者は「利き手」で
後者が「非利き手」。
どちらが優れているからではなく、
どちらも大事で
それぞれ役割分担をしている。

2〜3歳までの頃は
自分の右側にあるものは右手で取り、
左側にあるものは左手で取る。
そう、左右同じ様に使います

それから徐々に、どちらかの手を使う事が
多くなり、小学校入学前には利き手が確立
両手を協調して支えるようになる。

そうして体の中心線を超えて
(右にあるものを左手で取るなど)
操作ができるようになると
両側統合がほぼ出来上がります。

子ども3人室内遊び

2.ビジョン(視知覚)の発達や位置・方向の理解にも?

両手を協調して使う事は、
方向や位置関係を知ることになります。

例えば、
右手と左手を使って
ギターを弾くとき、
(長いセロテープを使う時等も一緒)
これは二つの点を結ぶ事で、
線ができ、方向を捉える事ができます。
そのときの子どもの目はそれを追う事で
眼球運動(ビジョントレーニング)にもなり、
視知覚の発達の基礎を作ります

子ども アコースティックギターを弾く男の子


3.両側統合が難しいとどうなるの?

集団生活の中でこんな様子が見られます。

◉食事の時に、片手は食器を持たずに
ダランとしている。
◉消しゴムを使う時に、紙が破れる。
しっかり消す事が出来ない。
◉縄跳びで左右の手足がバラバラになる。
◉お遊戯などで上手に踊れない。
◉ハサミで紙を切る時に、
紙を持つ手が紙をうまく動かせない。

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4.どうすればいいの?

左右の体を協調させる活動や
体の中心を超えて反対側に手足を
使う遊びを沢山する。

◉体の左右を協調させる活動を
段階を追って行います。

①体の左右を同時に使う
・綱引き
・大きなボールを投げる、受け取る
・2個のボールを同時に投げる
・寝転がって足でボールを挟んで持ち上げる


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②体の左右を交互に使う
・ドラム(太鼓)
・手押し車
・自転車・三輪車

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③固定と運動の役割を分担する
・楽器遊び
・定規・ハサミを使った遊び
・クッキング

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◉体の中心を超えて手足を使う遊び

・ボールを投げる
・両手で持った大きな物を
 体をねじって後ろの人へ渡す
・バットを振る

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5.まとめ

”体をねじってボールが投げられない”
”斜めの線を描くのが難しい?”
と気づいたら…

慌てないで大丈夫。
身近にできる遊びで
両側統合を促してみましょう。

今日もちょっとの感覚遊び
子どもと一緒に楽しめますように…

赤ちゃん 昼寝 両手を合わせる

参考:
感覚統合勉強会

作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨