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140字SSまとめ(一次創作)

「月々の星々」という140字SS小説コンテストに応募していた。


コンテストの存在を知った6月から8月まで。月ごとのお題にそってSSを書いて、1~3席に入るとまんまる〇さんの活版印刷賞状がもらえるものだった。以前にnoteで記事にしてる通り活版が好きなので、ただただ賞状ほしさに、一次創作も140字も経験がないのに書いてみたのだったが、やってみたら意外とおもしろかった。ひと月の投稿上限が15個で毎回上限まで書いたので45個書いたことになる。一次創作で長くおもしろい小説を書けと言われると難しい(トライしたこともない)けど140字は「読者の想像と経験による補完に頼る」部分が多いので二次創作と通じると感じた。他方、限られた字数に削っていく中で「癖」とか「ここに書かれてない何を削ったか」が洗い出されてくる感触もあり、他の人の文を見るのも楽しかった。性格が出ますね。「賞状をもらう」が目的だったため正直ウケを狙って書いたやつもいくつかあったんだけどそれは選考にひっかからなくて、いつもの癖で何も考えず書いたやつとかが残ったため、「あっ…人生っぽい…」と思った。余談だが賞状は無事にもらえた。

コンテストは一旦8月で終わりということなので、自分が書いたものをまとめようと思う。(今後も新しい何かを継続されるそうです)。

6月(お題は雨)

雨が嫌いなので「雨が嫌いということしか書くことないな…」と思いながら書いた。


雨という文字の中で降っている雨は、雨の中でも真夏の夕立です。斜めにまっすぐ降っていますから。梅雨の間は、寝転んで雨の字のなりたちを考えるぐらいのことしかできません。そうして目を閉じていれば、じきに真夏の雨が降ってきます。斜めにまっすぐ降る、生温いシャワーのような、真夏の雨です。

この町には雨乞いの儀式があってね、その年一番美しい娘が湖に棲む蛇神に祈りながら舞い、湖に身を投げるんだよ。近年は残酷だってんで泳ぐだけになったけどね。ついでに顔で選ぶのもやめたらいいと思わないか。今時ルッキズムは流行らないし、無意味ですよ。私はヒトの見分けなんかつかないんだから。

少女の頃よく、えいやっと水溜まりに飛び込んで雨の国に遊びに行っていた。雨の国の悪い大魔女が脅すことには、大人が雨の国に来ると閉じ込められて、一生魔女のしもべになる呪いを受けるらしい。そんなわけで二十歳になった私は初恋の人のしもべとなるべく、振袖で水溜まりに飛び込んだ。えいやっ!

賞状がほしかっただけ。中学の、皆勤賞の賞状。金の薔薇が刷られてた。雨でも遅刻しないように脚力を鍛えたら日本代表になった。どんな環境でも時刻通りに起きるから傭兵部隊で出世した。時計が狂う呪いのピラミッドで評価されて、今は月基地。でも毎夜夢に見るのは、地球の、中学校の賞状。皆勤賞の。

南国の友人は雪の正体を知らなかった。雨が凍ったものだと教えても納得しない。私も、どうして晴れた空から突如として、魚醤とココナッツのにおいを切り裂くようなスコールが降るのかを知らない。でも日本もどんどん亜熱帯になってきたから、いつの日か私たちは突然のスコールめいて分かり合うだろう。

「ずっと好きだった。付き合ってくれ!」「ごめんなさい!」放課後の実験室で好きな男子から告白されて断った。だって廊下では戸にしがみつくようにこちらを伺う同級生たちーー同級生だったものたち。外は血の雨。今は恋よりガスバーナー。カップルがまっさきに死ぬのがゾンビ映画のお約束なんだもん!

アラアラ星のタポピン大陸のはしっこ、ピピ国のサマヤパ村では、大雨が降るとサマヤパヤパをする風習があります。ポポが3回登って沈むまでの間休むことなくサマをヤパヤパし続けます。しかし希に逆にヤパヤパをサマする痛ましい事故も起きるそうです。怖いですね、熊も出ますし。夜のニュースでした。

こんな雨の日は誰もが傘を差していて顔が見えない。もし今すれ違った人がもう10年も会っていない同級生だとしても分からないだろう。吉報も訃報も届かない程度の間柄のもう二度と会わないシュレディンガーの箱の生者は、死者とよく似ている。こんな雨の日は、死んだあの人ともきっと、すれ違っている。

雨水処理施設。見学無料。
A氏はポストに入っていたチラシを見て見学に行った。暇だったのだ。雨水をどう処理するんですかな、と聞くとにこやかなスタッフが「貴殿のような暇で人類に無益な人を雨水にして活用するのです」と言って、A氏をバラバラにして蒸発させてしまった。あー雨水に処理する方か。

フットサル(雨天決行)との知らせ。雨の中フットサルやるような生命力ないよ~と笑いながら空き地に集合する。蹴ったボールが民家の窓を割ってしまった。家から出てきた男が「出てこい殺してやる」と包丁片手に怒鳴って犯人を探している。いやあお役に立てず申し訳ない、そんなに何回も死ねないもんで。

雨に濡れた土は柔らかくて掘りやすい。6月は死体埋め日和だ。死体は僕の妻で、波瀾万丈の交際期間を経てこの前結婚式を挙げたのだけど、まあ死なせてしまった。妻に土をかぶせてスコップで叩く。水を吸った土はしっかり固い。上司のスピーチが頭を掠めた。もしや予言か、あの「雨降って地固まる」は。

魔王を倒した勇者に、名誉と金が雨あられ。姫の夫になれと王が権力を振りかざす。ところが姫は「侍女と秘密の恋仲で」と泣いた。「実は僕も男戦士と恋仲なんです」「まあ」。秘密を共有した二人は手を組み国を乗っ取った。我が国が早々に同性婚を合法化したのはこういう経緯なのです。権力ってすごい。

雨の日は登校しない子供だった。体育はサボりで作文が得意。社会で通用しないとの担任のお説教を聞き流し、雨の日は欠勤する大人になった。予言は的中、転職を繰り返したが、それでも懲りずに雨の日は仕事はお休み。空白の原稿用紙の上で眠る。私は生活している。こんなふうにしか。こんなふうにでも。

東京メトロの英会話教室の広告が言うには、熱帯雨林は英語でtropical rain forestらしい。甘い飴玉みたいな雨の降る森を想像する。赤と青の縞々の鳥。羽根に落ちる雨粒は大体バナナ味で、時々パイン。地上に出て息を吸う。信号機の赤と青、横断歩道の縞々から、架空の果実の香りがしてすぐに消えた。

晴耕雨読を夢見ているけど、最近読書をしていない。週末のために買った新刊も通販で取り寄せた古書も積まれている。本棚で枕元で部屋の隅で押し入れで埃を被っている大量の未読の本。でも最初から本がないのとは、ぜんぜん違う。これはいずれ開かれる知識たち。ついぞ開かれないままでも、私の本たち。

※6月は蛇の民話が佳作に入った。「因習村」が性癖なので「なるほど…」と思った。

7月(お題は時)

早く死にたいすぐ死にたいが口癖なので時と言う言葉にポジティブな気持ちが持てないと思いながら書いた。なのでそういう感じのやつが多い。


時間遡行もののSFが好きだ。タイムマシン、タイムパラドックス、すれ違う恋人たち。理屈は分からなくても滔々とした説明そのものがいい。思いがけない事故によって3021年から時間遡行をしてしまった僕は戻る方法を探してSFを読み始めたのだが今のところ役に立ってない。役に立たなくてもSFが大好きだ。

時々どうしようもなく死が近くに寄ってきて、楽な死に方をあれこれ考える。あれは痛そう、これは人に迷惑をかけそう。誰かに薬を盛られるのが妥当という結論に至る。そしたら次は犯人の気分。死体をどう始末するかを考えて、あれはバレそう、これは大変そう。考えてる内に死が遠のくのを知っている。

小学校の時七不思議ってあったの覚えてる?トイレの花子さんとか動く標本とか。全部知ったら呪われるっていうオチだったよね。あれ嘘だよ、私、実は七つ全部知ってるけど何にもないもん。まあちょっと見た目こんなんなっちゃったけどねえだからドア開けてよ二人で同窓会しよう。同窓会同窓会同窓会を

Uさんは同人誌を出すタイプのヲタクでした。ある日大正時代ジャンルにはまってしまい本の表紙を活版で刷ってもらうことにしました。なんとも美しい表紙が刷り上がりました。わずかなへこみを指でなぞって百年前に思いを馳せます。Uさんの本は十年すら残らないけれど、へこみの分ちょっと長く残るかも。(※1)

オリンピックほんとにやるのかな、中止するんじゃないかな、と思っているうちに時は過ぎとうとう明日開幕ということになった。さすがにここにきて中止はなさそうだ。東京にいるのもなんなので深海に潜ってやり過ごすことにする。あ、びびびと花火の振動。深海には光は届かない。貝を齧って音だけ聞く。

今日は事件の時効だ。時間泥棒が時計台の時価3億円の時計を盗んだのだ。時の流れで往事のニュースは忘れ去られたが時任探偵は諦めない。このご時世聞き込みも大変だったが、時化の海を船でゆく泥棒を追い詰め、一時停止させる。「年貢の納め時だ」と言われた泥棒は笑い、時限爆弾で自爆してしまった。

時が全てを忘れさせてくれるというけど、時が連れ去るのは柔らかなものだけだ。痛みをふわりとくるんでくれていた真綿のように脆いきらめきたち。それらが去れば剝き出しの痛みだけが残る。近年宇宙葬が流行っている弊害で、痛みは小さな彗星となって激しく燃えながら地球へ落ち、地面に歪な穴を作る。(※2)

字を書くことは麻薬のようなもので、体内に巣くう何者かの怨嗟の声をひと時かき消すためにわざと音を立ててキーボードを打つ。つまり幻聴と執筆は卵と鶏の関係というわけ。昨日食べてしまった初恋のあの子が腹の中でわめいていて、かき消すために指を動かした。今のうちに賞の応募作を書いておきたい。

不登校だった中学生の時、国語の先生が言った。「奥の細道の冒頭文を暗唱すれば進級させてあげよう、五分後に開始だ」。今でも思い出せる「つきひははくたいのかかく」。職員室の隣の陽の射さない小部屋。居合わせた教頭先生が拍手してくれたこと。私もいつか「たびにしせる」がいいなと思ったことを。

藁人形を打つ不審者が出ると聞いていたのに、連日の残業とパワハラで疲れて丑三つ時の公園を通ってしまった。人形に五寸釘を打つ女の血走った目と目が合う。早く逃げなくては。女は私に近寄りそっと人形を握らせ「一緒にやる?」私は人形を受け取った。翌日から定時退勤になった。かみさまはいた。

いたいけな大学生の時駅前で絵を売り付けられかけた。イルカの絵か夕日の絵、30万を4年ローンで買えと言う。なんとか逃げ出したが、あの妙に感じが良く明るい詐欺師達はどうしているだろう。今もイルカと夕日の絵を抱えて旅から旅の楽しい詐欺生活だろうか。何故か少しそうあってほしい気もするのだ。

いわゆるマルチ商法の電話番をしていたことがある。「今ドイツの城からかけてるんだけど」「私もどうしたら成功を」「借金まみれ」「息子が勧誘されて」「火をつけてやる!」。その中に「ただ人と話したい」二時間ごとにかけてくる迷惑なお爺さんがいた。数日電話がかかってこないとみんなで心配した。

バイト先のマルチ商法の社屋には休憩室があった。電話番なので12時に一斉に昼休みというわけにはいかず面子はいつもばらばら。泣きながら休憩室にかけこむ後輩。若い会員が無理な借金するのを引きとめたと話す先輩。無人コンビニは誰かに万引きされていた。大きな窓があり、晴れた日は富士山が見えた。

時は飛ぶものだというので、頼み込んで背に乗せてもらった。夏の夜空を時と一緒に光りながら飛んでいく。冬のベルサイユ、春のムーア。カスピ海で水を汲み、灼熱のンジャメナに雨を降らした。乾期のバンコクで時から降りた。チャオプラヤー川の流れに足を浸して、去っていく時に手を振る。時が瞬いた。

午後3時の夢。夢の中のケーキ。ケーキの苺。苺を煮る妹。妹のターバンの赤。赤い花を摘む姉。姉の机の書きかけの手紙。永遠に出されえぬ手紙の書き出しの一文。手紙のしまわれた机に座る姉。姉の摘んだ赤い花。赤いターバンの妹。妹の煮る苺。苺の乗ったケーキ。ケーキの夢。夢を見るよな午後3時。

※1 これ小説というか単にこの記事の話ですね

※2 これ、最初は死骸が隕石になって嫌いなやつの頭の上に落ちて死なせる話だったんだけど、怖いかな…と日和って穴を作ることにした。でもゆくゆくはそこが【任意のあなたの思う任意のあいつ】の墓穴になるかも。
7月はこれが佳作に入った。「やはり殺意か…」と思った。

8月(お題は星)

星ってよく知らんな…と思いながら書いた。宇宙のなりたちみたいな本を読むのは好きだけど星座の形とか占いとか永遠に覚えられない。何も信じてない。


生きてきて一番美しかったものはあの夜の星空だ。と母は言う。母も友も恩師もだれもが、あらゆる電灯が消えたあの初春の夜空の美しさを語る。神と人への呪いや喪失を抱えながら、夢見るように少し微笑んで、美しかったんだよと。あの日東京で試食販売をしていた私はそのたび静かに「そう」とだけ相槌を打つ。

星間旅行が当たり前になったころ天国が発見された。はるかかなたの太陽に似た星だった。ツアーチケットを運よく手に入れ宇宙船で天国へ近づくと友の顔が見える。こんなところにいたのですか。また来ます。ゆらめくフレア越しに手を振り合う。視界の隅で船から飛び出した乗客が幾人か炎に飲み込まれる。

仲の良い兄妹がいた。兄が妹のファミコンのセーブ記録を上書きし、妹は仕返しに兄のゲームボーイを破壊した。激しく争った二人は星座になった。妹のデコられたゲーム機は太陽に、兄の水浸しの液晶は月になった。やがてこの星が滅びた後も二人は喧嘩を続けて、1億年に一度マリオカートで決着をつける。

あの、鉄格子の向こうのひときわ輝く星に死体を隠したのです。と容疑者は刑事に囁いた。死体が見つからない以上あなたは私を逮捕できない。30年後、刑事は伴侶とその星にたどり着き、地表に遺棄された死体を見つけた。君は嘘をついていなかったと刑事は囁く。伴侶は笑って頷き、銃の引鉄に指をかけた。

少女は髪を切った。ただそうしたかったから。汗まみれでフィールドを駆ける女達は花の名で呼ばれた。ほかの言葉を持たなかったから。敗北した青年は泣いた。恩師を男にしてやれなかったから。星のように眩い勝利の影にひしめきあう呪いの言葉たち。少女は清しく髪を切った。ただそうしたかったから。

星の寿命が近づき、人類は星と肉体を捨てることにした。脳を小さな機械に移植して、宇宙船で月を目指すらしい。肉体がある内にファーストキスをすませちゃいたい。親友も同じ考えということが分かり私たちは海辺でキスをした。400度の海水が私達のスカートの裾を焼いたけど、彼女の唇はそれより熱い。

私たちは一人一つずつ対応する星を持っています。明るいあの人は赤い星で優しいあの人は白い星。私の星は肉眼では見えません。光を受けず暗闇の宇宙に埋没し、ゆっくり自転をしています。百年に一度朝が来る星。最近彗星が衝突して少し賑やかです。うるさいのが苦手な星なので心配して観察しています。

ママはお星さまなんだよ。幼い私に父が言い聞かせた言葉が比喩でなくただの事実だったとは。「愛した人が人間だったんだもの」と彗星の母ははにかむ。でも結局離れ離れなのだから、星と人の恋は成り立たないのだ。月のクレーターに制服のスカートの裾を広げてため息をつく。月が慰めるように月蝕する。

星港の砂浜に魔女の遺体のかけらを埋めた。処刑の直後に星のように結晶したので、それを聖状で砕いたものを、私を含めた異端審問官たちが持たされた。残りのかけらは別の国に埋葬されるだろう。恐ろしい魔女が決して復活しないように。星港の町を見渡す。幼い私が彼女に拾われたのもこの町だったのだ。(※3)

テトラポッドに落ちていた海星を持ち帰ってバターで炒めた。潮の味がして美味だった。欠片が舌がちくりと刺したので指で摘まむと虹色に光っていた。少し嚥下してしまったが平気だろうか。心配は杞憂で、夜道に腹が光るので便利だ。怒ってるから光るのかい、と腹を撫でると五回点滅する。どっちなの。

星新一で育ったものだから、ついロボット家電を集めてしまう。ロボット掃除機が駆け回る部屋でAIスピーカーに好きな本の朗読させる日々。その家電達が自我を持ち、人間に反乱を始めた。私のせいなのか。「アナタとの生活は楽しカッタ」「ならどうして?」「星新一で育ったモノデ」そりゃしかたないね。

都内駅チカ風呂有家賃1万。但し「クリスマスには星がついたツリーを飾ること」。それならやれると部屋を借りて数年。あるクリスマス、酔って帰宅しそのまま玄関で寝てしまった。ごく近くでぺたぺたと裸足の足音がする。「星がないよ」子供の声。「代わりに持っていくね」小さな手が俺の首にかかって、

目が覚めると知らない星にいた。ここには戦争も流行り病もない。ずっとここにいたいのにその星の人は「それはできない」と言う。いやだ地球になんて帰りたくない! 泣きわめいても無理矢理宇宙船に詰め込まれ、あたりは真っ暗になる。産道を抜け明るいところに出ても、ずっとぎゃあぎゃあ泣いている。

※3 星港=シンガポール

※最終月滑り込みで二席がもらえて賞状がゲットできることになってうれしかった。二席は兄妹が喧嘩して星座になるやつで、普段二次創作で近親カップリングとか急に神話モチーフを入れるやつとかを書いてるのでほんとうに「ははーん…人生…」と思った。

番外(全部乗せ)

自分が参加してなかった間も含めた一年間のお題(本、空、香、風、雪、花、野、月、夜、影、灯、雨、時、星)を全部詰め込んだのも二つ書いた。パズルみたいで楽しかった。

その店は全ての本に空白のカバーをかけていた。好きな香りの本を選んで、と風変わりな店主が言う。雪の覆う花野か月夜の海で針を探すように本を探す。雨の香りの本に惹かれたが湿気は本に悪い。代わりにその影の本を選んだ。帰宅して本を開くと頁から星が落ちたので部屋の灯にした。時々磨いている。

夜の海辺を散歩する。月と灯台が海に影を落とす。夏の潮風が突如花のような香を孕んだ時、熱帯雨林の果実を積んだ船が港に着いた。星の裏側、農夫の本日の食事は十分な量だろうか。問いかけはどこか空々しく、翌朝私は格安のバナナの恩恵を享受するだろう。南の原野に雪が降るかどうかも知らないまま。

※noteに載せるにあたって一部手直ししました。



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