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スプラトゥーン3・サイドオーダーのUX設計(報酬受け取り編)

概要

スプラトゥーン3・エキスパンション「サイドオーダー」は2024年2月22日に配信スタートしたスプラトゥーン3・エキスパンション第2弾に当たるゲームの外部シナリオ。

https://www.nintendo.com/jp/switch/av5ja/sideorder/index.html

ゲーム内容

「サイドオーダー」のモードでは本編よりも弱体化した主人公が秩序の塔をエレベーターに乗って、各階で「カラーチップ」を獲得しながら最上階を目指す。一度失敗すると一階からやり直しで、各階層の課題も報酬カラーチップもランダムといういわゆる『ローグライク』の要素を持つ。

https://www.nintendo.com/jp/switch/av5ja/sideorder/index.html

本題

端的に言えば各階のカラーチップの先払い報酬システムがとても目新しく感じた。各階ではランダムに提示されたフロアもとい課題を選ぶのだが、その際、課題のクリア前にカラーチップがもらえる。

https://www.famitsu.com/news/202402/13334361.html

本来の多くのゲームではクリア後に報酬がもらえるのが主流だが、これはゲームシステムよりシナリオに強く影響を受けている。何か課題を与えられて報酬を受け取るという流れの方が自然だ。実際、前作のスプラ2のオクト・エキスパンションでは課題クリア後にポイントやネリメモリーなどの報酬を得ていた。

https://www.nintendo.com/jp/switch/aab6a/dlc/index.html

ただ、その体験設計では課題を選ぶ際に報酬を認識させた後、「課題を実行」「報酬の受け取り」となることで、課題実行中に報酬の存在が薄れる。報酬受け取り後、報酬内容を思い出すという記憶の引き出しの出し入れが行われることになる。

これを先に報酬を渡すことで課題実行後に報酬の思い出しという思考的負担を軽減することができる。

特にサイドオーダーでのカラーチップは、「足を早くする」「攻撃力強化」などキャラクターの強化であり、操作性に大きく関わる。当然、強化された箇所を実操作で試してみたいと感じるのがユーザ心理であり、直後の課題実行中に強化内容を実感できることはユーザにより良い爽快感をスムーズに与える。
しかもベースのゲームシナリオとして、一度失敗すればカラーチップ全没収で一階からのやり直しのため、報酬が先払いされていることのシナリオの違和感やゲームシステム開発の工数増加量がほとんどないのも素晴らしい。

この最低限の既存のシステムの変更でユーザに良い操作性を与えている体験設計が流石と感じたので、記事にした次第。
お粗末さまでした。

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