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エフェクチュエーションとレゴ®︎シリアスプレイ®︎(4)クレイジーキルトの原則

起業家の成功行動を説明する「エフェクチュエーション」にはいくつかの原則がある。今回も以下の書籍をもとにそれらの原則とレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドとの関係を考えていきたい。

クレイジーキルトの原則とは

 「キルト」は表布・綿・裏布を縫い合わせたものを指す(記事の扉写真を参照)。その縫い合わせ方や継ぎ方をその場にあるもので行うのが「クレイジーキルト」ということになる。
 転じて、成功する起業家はビジネスの形(何をするか?)をつくるときに、そこに機会があるかどうかを調査したり、精緻な競合分析を行うのではなく、ビジネスを共に始めたいとコミットしてくれている人たちと共に目的を選ぶことを指す。
 
 さらに成功する起業家はその後もビジネスを人々にもちかけ関与者を増やしていくが、分析に基づき人を選ぶのではなく、コミットしてくれた人たちと共に何ができるかを探ってビジネスを少しずつ形作るのである。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎との関連性

 「クレイジーキルトの原則」では、ビジネスに関わる人々をキルトの断片のメタファーに当てている。そのメタファーをレゴ®︎ブロックから作られるモデルに変えれば、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドで「クレイジーキルトの原則」を反映させることができる。

 このビジネスの中でツギハギされる断片に相当するのは、参加者の事業に対する期待(事業がどうなってほしいか)と参加者が提供できる知識やスキルであると考えられる。したがってシンプルに以下の2つの問いについて事業にコミットする人たちにモデルを作ってもらうことは一つの手段である。

 (1)あなたが理想とする事業がもたらす価値とは何か
 (2)あなたが事業の理想の追求のために提供できるものとは何か

 この2つの問いのモデルを突き合せ、モデル同士をコネクションしていきながら自分たちのビジネスの輪郭を引き直すというワークの流れが考えられる。

 そもそもそこに集う人々が、コミットする以前の段階であれば、以下のような問いも考えられるだろう。

 (A)あなたが創りたい理想の〇〇(事業のテーマ)とは

 上記の問いにしたがって、起業家とその起業家が巻き込みたい候補者との間で(A)のテーマでモデルを作ってもらう。その後、お互いにモデルを説明しあって共通点を見出したり、共通モデルを作らせる(AT2)などが考えられる。

 総じて「クレイジーキルトの原則」はレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドと親和性が高そうである。

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