やるせなくてなさけなくて
やるせない気持ちとかなさけない気持ちを感じるからこそ沁みる小説があるという話なんだけれど、その小説というのが「時給三○○円の死神」という本で藤まる先生の作品でとにかくやるせなさがつまった本。
すれ違いとか言いたいこと言えないまま二度と会えなくなったりだとかなんでこんな酷い世界なんだろうと思うくらいなんども苦しんで、それでも進まないとならないという現実の難しさが表現されていてかなり泣ける。というか泣いた。
死神という非存在というか科学的でないものを通して描かれているのは現実問題。
やるせない気持ちはいつもあってやり残したことやりたかったこと知りたくないこと沢山あるけれど、なんとか先に繋げようとして、繋げられなくとも今日も明日も生きてかなくちゃならない。そんなリアルが書かれた「時給三〇〇円の死神」をおすすめする。
ちなみに私は「時給三〇〇円の死神」の次に出た藤まる先生の作品「さとり世代の魔法使い」が最推しだ。
「さとり世代の魔法使い」は元魔法使いだったおばあちゃんが良い味を出していて快活明朗で、かつお茶目な所がキャラクターとして好きだ。ストーリーも馬鹿らしさとシリアスさ、主人公とおばあちゃんの死別はかなりくるものがある。死期が分かってなお快活でかっこよさすら感じた。
まぁということで好きな本の話でしたということで