Our School #こんな学校あったらいいな
ぼくらの学校には しゅくだいがない
この前いとこのむさしくんとオンラインでゲームしてたら、
おばさんが「むさし!宿題やったの?」って言うのが聞こえてきた。
「今からやるとこっ!」
「そんなこと言って、ゲームしてるじゃない!
先に宿題やってから 遊びなさい!!」
おばさんもむさしくんは いっつもこんなかんじ。
「しゅくだいって何?」って聞いたら、
「お前、宿題知らないのかよ!?」ってびっくりされちゃった。
むさしくんは算数と国語のワークをやらなきゃいけないんだって。
しかも毎日、学校にもっていかなきゃいけないらしい。
やったかどうかチェックされるんだって。
ぼくの学校には しゅくだいがないよって言ったら、
むさしくんは すっごくうらやましそうだった。
しゅくだいをやらないと あそべないって たいへんだな。
でも、本をよむしゅくだいだったら、あってもいいかも。
ぼくのすきな本を読んでいいならね。
ぼくらの学校には 「先生」がいない
大人も子どもも だれかをよぶ時は あだ名か名前なんだ。
だから、お話の本に出てくるみたいな
「先生」
って つかったことがない。
学校でいろいろ教える大人のことなんだよね。
ぼくのクラスの「先生」は ジャガーってよばれてる。
なんでかっていうと、
「いつかジャガーの Fタイプ クーペに乗るんだ。
あのデザインがたまらないんだよなー」
って いつも言ってるから。
お父さんに聞いたら スポーツカーの名前なんだって。
「でも ジャガーは もともと動物の名前なんだぞ」
お父さんが どうぶつずかんを出してきた。
ぼくには読めないかん字がいっぱいあったから、お父さんに読んでもらった。
ジャガーはネコ科のどうぶつで、ヒョウとにているんだって。
木のぼりや およぐのもとくい。
ぼくの学校のジャガーといっしょだ!って、おどろいちゃった。
だから ジャガーは ジャガーがすきなのかな。
あ、人間のジャガーが 車のジャガーをすきってこと。
なんか 頭がこんがらがってきたな。
ぼくらの学校には 木のぼり名人がいる
すべり台とかブランコであそぶのも すきだけど
ぼくが一番すきなのは 木のぼりだ。
ジャガーが
「今日のじゆう時間は 外!」
って言うと、いつも木のぼりの木にダッシュする。
早くいかないと、ほかの子にとられちゃうんだ。
ぼくはじまんじゃないけど 木のぼりがうまい。
たぶん2年生で一番か二番だ。
でも ぼくは木のぼり名人じゃない。
ジャガーでもないんだ。
5年生のたけしくん。
すっごく高くまでのぼれるんだよ。スイスイスイーって。
足をかけるところがなくても のぼっていっちゃう。
サルとかリスみたいだなぁって思う。
ぼくは太いえだに 足を乗せながらじゃないと のぼれない。
お母さんが
「足より細い木には登らないでね。折れるから」
って いつも言うんだ。
ぼくは いっぱいれんしゅうして たけしくんみたいに
ずっと上までのぼれるようになりたいんだ。
お母さんにはないしょだよ。
ぼくらの学校には きゅうしょくがない
ジャガーは「きゅうしょく」っていうのがある学校に行ってたんだって。
おいしそうなしゃしんも いっぱい見せてくれた。
レストランのお子さまセットみたいだった。
ぼくたちは おべんとうをもってくる。
それで みんなで外で食べるんだ。こぼしても へいき。
なかみはサンドイッチだったり、おにぎりだったり、いろいろ。
ぼくは おかかのおにぎりがすき。
学校には お昼が買えるお店もある。
おかずパンとかおべんとうとか のみものを売ってる お店。
コンビニより小さい。
お店の一番えらい人が あーちゃんっていうから
ぼくたちは「あーちゃんのお店」ってよんでるんだ。
たまに、お母さんがいそがしい時は
「ちょっとお弁当を作ってる時間がなかったから
今日はあーちゃんのお店で お昼買ってね」
って、500円玉を一つポケットに入れてくれる。
そんな時、ぼくは 「よっしゃー!」って心の中でガッツポーズする。
ぼくはいつも おかずパン2コとくだものか 日がわりべんとう。
本当は250円のココアも ほしいんだ。
でも、そうするとほかにちょっとしか買えなくなっちゃう。
前に一回ためしてみたけど、おなかが空きすぎて やばかった。
だから今は おつりをこっそりためてる。
250円ぶんたまったら ココアまつりだ♬
ぼくらの学校には かぞくも来れる
ぼくの学校には お母さんとか お父さんとか
おじいちゃんとか おばあちゃんも 来てもいいんだ。
とくべつな日だけじゃなくて いつでも 何回でも。
いっしょに教室で本を読んだり、サッカーしたりする。
あ、でも小学生になるってことじゃないよ。
ジャガーとか、あーちゃんのお店のてつだいをするんだ。
お昼を いっしょに食べることもある。
外でピクニックシートをひいて食べるんだよ。いいでしょ。
えっちゃんのおばあちゃんは よくあーちゃんのお店にいる。
えっちゃんとぼくが会いに行くと、
いつもカウンターごしに 手をふってくれる。
おばあちゃんが来てる時は えっちゃんはいつもお店に行く。
おべんとうをもってきてても 行くんだ。
そんな時は おばあちゃんも えっちゃんも ニコニコ。
ぼくのお母さんは たまに弟をつれて学校に来る。
弟はようちえんに行ってないから、お母さんがめんどうを見てるんだ。
お母さんがくると ちょっとはずかしいけど ちょっとうれしい。
弟は教室の中をぐるぐる回って あっちこっち出したり入れたりする。
ちょっとこまるけど、ジャガーもみんなもわらってるから ぼくもわらっちゃう。
弟も楽しそうだから ま、いっか。
ぼくらの学校では はたらくこともできる
でも お父さんたちみたいに お金をもらうんじゃないよ。
6年生になったら あーちゃんのお店ではたらくんだ。
あーちゃんの本当の名前は あきのりっていうんだけど、
みんな あーちゃんってよんでる。みょうじは知らない。
あーちゃんはせまいお店の中を あっちこっち行ったり来たりしながら
やさいをトントン切ったり、ふわふわのパンをやいたり、
ホカホカのごはんと おいしそうなおかずを べんとうばこに入れたり いそがしそうだ。
あーちゃんの得意料理は オムライス。
6年生の当番さんは あーちゃんが作ったのを カウンターにならべたり ぼくたちからお金をもらって、ほしいものとこうかんしたりしてくれる。
たまに、りょうりもてつだったりするんだって。
ぼくは お母さんとりょうりするのがすき。あーちゃんのお店でもできるかな。
そうそう、当番さんはおしごとがおわると あーちゃんから あまったおかずパンをもらえるんだって。いいなあ。
◇
あ、わすれてた!
ぼくも じつは おしごとしてるんだった。
ぼくたちのクラスで 会社を作って ものを売るんだ。
お父さんが そういうのを「きぎょう」って言うんだって教えてくれた。
くらいあんとは あーちゃん。
くらいあんとは こういうのを作ってくださいって たのむ人。
まず あーちゃんのお店で いるものを聞いた。
あーちゃんのリクエストは 【オリジナルの かいものバッグ】。
あーちゃんのお店でつかったり、売ったりしたいんだって。
ぼくたちは教室にもどって アイディアを出し合った。
「みんなのお家にある いらないふくろをもってくるのはどう?」
「ぼく、お母さんがよく行くお店のふくろがあるよ」
「この前のお楽しみ会で あまった紙ぶくろはどう?」
「でも あーちゃんのお店オリジナルじゃないよ」
「おんなじかんじの でざいんがいいと思う」
ふむむ・・・
ぼくたちだけじゃ むずかしかったから
大人にてつだってもらうことにした。アドバイザーってことで。
図工を教えてくれる なおみーに聞いたら、
シルクスクリーンってやつが つかえるらしい。
バッグに絵をプリントするんだって。
図工の時間に教えてくれるらしい。やった!おもしろそう。
ぼくらの学校は いろんな【色】のあつまり
【色】って言っても クレヨンとか 絵のぐの色じゃないよ。
おり紙でも 教室のかざりでもない。何だと思う?
ヒントね。
ぼくの一番なかよしの えっちゃんは おばあちゃんと おじいちゃんと お母さんと お父さんと えっちゃんの妹の6人かぞくだ。
ぼくは お父さんと お母さんと 弟の4人かぞく。
たいしは お母さんと2人。お父さんはどこにいるか知らないんだって。
るこちゃんは お父さんが二人いる。お母さんはいない。
モモは 目がちょっとだけ青い。かみの毛の色も ちょっと茶色。
うみちゃんは 顔とか手の色が ぼくよりもっと黒い。かみの毛はクルクルしてる。
りっちゃんと なっちゃんは 顔がそっくり。
そらくんは 車いすでスイスイどこでも行くんだ。一回のってみたけど、ぼくじゃぜんぜんびくともしない。
なおみーは ものを作ったり 絵をかいたりするのがとくい。
あーちゃんは ギターもひけるんだ。
なんとなく分かった?
みんな いろんな【色】をもってる。
ぼくの色と えっちゃんの色。ジャガーの色と あーちゃんの色。
ならべたら ぜんぜんちがう【色】だけど だから おもしろい。
ぼくができることが できない子もいる。
ぼくができないことが できる子もいる。
ぼくと見た目がいっしょの子もいるし、ちがう子もいる。
いっしょにすんでるかぞくも いろいろだ。
でも
ゲームをいっしょにやって 楽しいのは 同じ。
本をよんだり 絵をかいたり スポーツしたり
楽しいことも いっしょにできることも いっぱいある。
いっしょうけんめい考えれば 車いすのそらくんだって かけっこできる。
ジャガーが そらくんの後ろから おすんだ。
ジャガーは足がはやいから それぐらいがちょうどいい。
そうしたら、みんなできょうそうだ。
ぼくたちは いっぱいわらう。けんかも いっぱいする。
いやだなって 思うことも ある。なみだが出る時だって。
でも やっぱり ぼくはみんながすき。
ぼくの学校が すきなんだ。
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