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「武道館」著者朝井リョウを読んで

私が1番好きなアイドルは「夏焼雅」だ。

初めてみたのは小学生の時。朝のテレビ番組「おはスタ」で何かを歌っていた。次に見たのは「ピラメキーノ」。当時は特に何も思わなかった。

高校3年生の夏休み面白いアニメないか腐女子のネ友に聞いた。「イナズマイレブンが面白いよ。」鼻息を荒くして教えてくれた。一期あたりまで頑張った気がするけど、遠藤がタイヤの自主練をしていた事しか覚えてない。ふと、小学生の頃夕飯時によく見てたけど、「ちゃぶ台返し」って技を見て父が爆笑していたことを思い出した。

そーいえば、エンディングってBerryz工房だったなぁと思って久々に聴いてみようと思い検索する。PVが映し出されて黄色い衣装を纏った6人が出てくる。一際可愛くて歌が上手い子がいた。「夏焼雅」だ。目が離せなかった。一目惚れってこう言うことなのだろうかと錯覚するほど。他のPVも見てみた。歌が上手くなっていく。最新の曲を聞いてみた。独特な髪型。黒いトップスにビビットピンクのスカート。身長が高いからすごくスタイルがいい。リズミカルに手足を動かして指先までダンスしているように見える。見せ方が上手い。この歌の雰囲気は雅のためにあるのかと思うほど釘付けになる。そして歌もすごくうまい。一瞬で虜になった。全てのPVを見てダンスを覚えた。そんぐらい雅に夢中だった。しかし、2015年3月活動停止する。解散は悲しいから活動停止。

「雅はどこで見れるの…⁇」

インスタグラム、Twitterをフォローした。
雅の近況がどんどん入ってくる。画面いっぱいの雅はすごく可愛い。当時は憧れてメイクをよく真似していた。今も雅のメイクに影響されている。洋服も真似ている。
雅と同じメイクをして、雅と同じ服を着て、雅と同じダンス歌を歌って雅になり切るのが好きだった。

実はアイドルになりたかった時期もあった。
アイドルになったら雅と友達になれるかもしれないと思ったから。でも、歌を歌って炎上するレベルで下手くそだからならなくて良かった。

2016年雅が新しいグループを作った。「PINK CRES.」(ピンククレス)私は「ピンク」と略してた。最初はハマらなかった。

2017年Buono!解散。嗣永桃子(Berryz工房、カントリーガールズ所属、通称:ももち)鈴木愛理(元°C-ute、現在ソロシンガー)、夏焼雅の3人グループだ。この時期ももちが卒業、°C-uteが解散を発表していた。それに伴ってBuono!を先に解散させたかったのだと思う。まっっっったく活動していなかったから驚いた。解散ライブは最初から最後まで家でニコニコ生放送で見た。そこにピンクが二曲披露した。虜になった。解散ライブはもちろん泣いた。3人の関係が素敵だった。ライブ終了後すぐにピンクのライブを調べた。8月25日にやるらしい。直ぐにファンクラブに入った。

8月25日仕事を終えリック一つで直ぐに空港に向かう。17時には現場にいた。「今から雅に会うんだ、、、」座席をもらう。真ん中の列の真ん中だった。(何見えねぇ)会場はザワザワしていた。スマホをいじれないから会場の雰囲気に飲み込まれそうだった。音楽が爆音で鳴った。始まった。舞台の袖から小林ひかる、二瓶有加が踊りながら出てくる。そして、雅が出てきた。私の距離から見る雅は米粒のように小さかった。雅の声がマイク越しに会場全体に聞こえる。「来てよかった。」泣いた。同じ空間に雅がいる。同じ空気を吸っている。直ぐそこに雅がいる。幸せだった。Berryz工房の歌も歌ってくれた。オタの愛の手が凄すぎた。あっという間にライブは終わった。

「サプライズハイタッチ会やりまーーーーす!!!」スタッフの野太い声が廊下に響く。私は急いで引き返す。荷物を台に乗せて3人が待つ列に並ぶ。手汗をかかないように常に洋服に手をなすりつけていた。小林ひかる、二瓶有加、雅の順番で並んでいる。直ぐそこに雅がいる。小林ひかると二瓶有加が「今日はありがとうございます!」と元気よくハイタッチしながら話しかける。私は緊張してぺこりとしかできなかった。雅に「今日はじめてきました!応援してます頑張ってください!」って伝えるためにイメトレをしていた。そして、雅の番。ハイタッチをした。目が合った。目が離せなかった。ずっと見ていた。可愛すぎて声が出なかった。私の一生の思い出。何も言えなかったけど幸せだった。

私がライブに行ったのはこれが最初で最後。この時の興奮を他のライブで変えたくなかった。今だにももちの卒業ライブも見れない。卒業したと信じたくないから。現実逃避だ。ももちでこんなにショックだから、雅が引退したら私はどうなるんだろうか。

つらつらとドルオタ時代の話を書いたが、つまりそんな感情を思い出せてくれる物語。
本書は当時のアイドルを思い出す内容となっている。
正直どのキャラクターも深掘りされていないので感情移入は難しいものがあるかもしれない。だが、当時の熱い気持ちを蘇らせてくれた本書に感謝したい。

雅の歌を聴きながら書いてみた。

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