非日常の経験が出来る場所。
※こちらの記事は「聞き書き甲子園」事務局による連載となります。
(聞き手:聞き書き甲子園事務局 大谷)
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◎聞き書き甲子園に参加したきっかけ
大谷:今回は現在大学生である卒業生の皆さんにお集まりいただきました。参加当時の話から、大学生の今感じていることなど、いろいろお話を聞いていきたいと思います!
まず、そもそも皆さんはどういったきっかけで聞き書き甲子園に参加したんですか?
たかぽん:単純に新しいこと、やったことのないことをやってみたいって気持ちがもともとあったのと、学校で掲示されていた募集案内を見た時に、研修参加のためにタダで東京に行けるということがわかって、正直そこから興味をもって応募しました(笑)。
ようちゃん:私は普通に廊下を歩いていたら、いきなり進路相談の先生に「ちょっとこれあるんだけど、東京行かない?」と言われたのがきっかけです(笑)。父も聞き書き甲子園のことを知っていて、やってみたら、と勧められたので応募しました。
うさちゃん:私も学内に掲示されていたポスターに、「実際に体験してみないとわからないよね」という内容のキャッチコピーがどどん!と書いてあるのを見た時、いや、確かに!と思って応募しました。
↑ うさちゃんが参加した当時のポスター
◎印象に残っていること
大谷:なるほど~。たかぽんは初っ端から正直ですね(笑)。
実際に参加が決まって、夏の研修や名人への取材、年度末のフォーラム(成果発表会)などいろいろ活動があったと思いますが、それぞれ一番印象に残っていることや参加してよかったと思った点などを教えてください。
うさちゃん:夏の研修では、同じ部屋の子と夜通しずっとしゃべってたのを覚えてます。聞き書き甲子園を通して出会ったことで、逆に、普段友だちとしないような話までいろいろ語り合いました。学外に友だちがいたことがそれまでなく、そんな相手と朝まで話したというのも、すごく嬉しかったです。
たかぽん:僕も同じグループの子にすごく刺激を受けて、県外に出なければ絶対知ることができなかった、と思うことがたくさんありました。
ようちゃん:私は聞き書きの実習も印象に残ってます。グループみんなで必死に課題を頑張ったのですが、講評の際、講師の塩野米松先生にコテンパンに指摘されました(笑)。ただ、その経験があったからこそ、実際に取材をして、作品を作るという作業を自分自身でやり切ることができたと思います。
↑ 塩野米松先生とようちゃん(第18回聞き書き甲子園 研修にて)
◎名人への取材時の思い出
ようちゃん:名人への取材も本当によく覚えてます。私の名人は鍛冶屋さんだったので、取材前は絶対無口で怖い人だろうな、と思ってたんですけど、実際に行ったらすごく優しくて、本当の孫みたいに接してくれたのが嬉しかったです。
↑ 取材時のようちゃんと名人。写真からも優しい雰囲気が伝わってきますね
たかぽん:僕の名人は吉野川で水質調査をしてた人なんですが、取材の時、ボートに乗せてくれたんです。「ここにおる魚はこういう名前なんだよ」とか、いろいろ教えてくれたのがすごく楽しかったのと、吉野川はもともと身近にあったんですが、そこまでよく知っているわけではなかったので、地元にもこんな新しい発見があるんだなって、とても新鮮に感じましたね。
↑ たかぽんが取材した名人は、毎日川に足を運ぶほど川が好きだとおっしゃっていました
うさちゃん:私は、名人って本当にかっこよかったな、と思って。海女さんって、ドラマのイメージが結構あって、海に潜って貝とか獲るの、楽しそうだなって思って行ったんですけど、でも実際は少し潜るのにも体力が必要で、かなりきつい仕事なんです。自然相手だし、後継者についての不安もあるけど、それでも名人はモチベーションは「欲とクソだ」っておっしゃってて、その道で年を重ねた人だからこそ言えることだなって思いました。
↑ うさちゃんが取材した名人は、21歳から海女を始めたベテランの方でした
大谷:皆さん、すごくいい出会いをされたんですね、うらやましいです。
確かに、学外や他県の高校生との交流や、名人と言われるような方にお話を聞く機会って、そうないですよね。
ーーーーーー(鼎談ここまで)ーーーーーー
卒業生3人の体験談はまだまだ続きます!
聞き書き甲子園では、名人への取材を終えた後、聞き書き作品づくりを行ないます。取材時の録音音声を聞きながら、一言一句書き起こすという、地道な作業。想像するだけでも大変そうですが、その時、卒業生の皆さんはどんなことを思ったのか?作品づくりを終えて何を感じたのか?・・・次回の更新をお楽しみに!
ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。