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聞き書き甲子園卒業生にインタビュー!!(藤田さん・前編)

初めまして!共存の森ネットワーク インターンの石垣です。現在インターン生として聞き書き甲子園(全国約80人の高校生が「森・川・海の名人」(林業家や漁師、伝統工芸士など)を訪ね、一対一でインタビューをする活動。今年度はオンラインで取材を実施)に関する様々な業務を行っています。今回、聞き書き甲子園の卒業生の現在の活動を紹介したいと思い、この記事を書くことにしました。記念すべき1人目は15期生の藤田櫻子さん。聞き書き甲子園の学生スタッフとしての経験から、現在行っているNPOでのインターン活動、就活中のいま考えていることなどインタビューしました。全2回でお届けします。

藤田 櫻子(ふじた さくらこ)
愛媛県松山市出身。東京都立大学都市環境学部地理環境学科3年。地域活性化に興味を持ち、同学科に入学。高校1年生の時に第15回聞き書き甲子園に参加し、長崎県の漁師(アコヤ貝・真珠貝養殖)の名人を取材。その後も学生スタッフとして聞き書き甲子園に関わり、高校生のサポートを行っている。現在はSOMPO環境財団が行うCSOラーニング制度を通してNPO法人エコプラスでインターンをしている。趣味はドラマ鑑賞。


石垣:はじめまして。今日はよろしくお願いします!同学年ということでとても親近感がわきます(笑)
藤田:こちらこそ、お声がけいただきありがとうございます。よろしくお願いします!


〇聞き書き甲子園に出会ったきっかけ

石垣:本日は、聞き書き甲子園の卒業生の方が現在どんな活動しているのかについて、お話を聞いていきたいと思います。
まず、藤田さんと聞き書き甲子園とのつながりについて、藤田さんは第15回の聞き書き甲子園に参加して、その後16期、17期、18期、20期の学生スタッフも経験されたと聞きました。そもそも高校生の時に聞き書き甲子園に参加しようと思ったきっかけは何でしたか?

藤田:高校生の時に、授業でよくイベントのチラシが配られていたんです。それで、たまたまその中に聞き書き甲子園のチラシがあるのを見つけました。そのチラシに「インドネシアでも聞き書きをやっている」という内容が書いてあって、「インドネシアに行けるのか、なんか面白そう!」「異なる世代の方にお話を聞く機会って中々ないから、新しい発見がありそう」って思って応募しました。インドネシアに行って、海外の人と交流すると思っていたのは勘違いだったのですが、結果は(参加して)よかったです。

石垣:それでは、聞き書き甲子園に参加する前から、名人のしているお仕事や地域活性化に興味があったわけではなかったんですか?

藤田:もともと興味はなくて…高校がSGH(スーパーグローバルハイスクール)だったので、むしろ将来は海外にでもって思ってました。そんな思いが漠然とある中で、高校1年生の夏に聞き書き甲子園に参加して、取材に行った地域が雄大な自然に囲まれて素敵な場所だなと思ったんですけど、同時に人口減少、高齢化、職業の人材不足などの問題に直面しているのを知りました。自分は全然日本のこと知らないなと思って、それだったら日本の方に目を向けてもっと知識を取り入れたいなと思ったのがきっかけで、地域活性化やまちづくりに興味を持ち始めました。


〇名人との思い出

石垣:聞き書き甲子園に参加した時のエピソードや名人との思い出を教えてください。

藤田:名人は長崎県対馬市で真珠養殖業をされていて、自分の会社も持っている方でした。私の出身地の愛媛県でも真珠養殖業が盛んだったので、よく海にある真珠をぶら下げる黒いボールのようなものは見たことがあったんですが、それが何かっていうのは、実際に取材に行って名人に教えてもらいました。印象に残っていることは、名人に船を出してもらって、実際の真珠養殖の現場を見ることができたことです。言葉で聞くよりも、実際に現場をみることで学び得るものは大きかったなと思います。同時に名人の真珠に対する熱量、社員に対する愛情など仕事愛を肌で感じることができました。また、取材の後はご飯にも連れて行ってくれましたね。


〇学生スタッフとしての経験

石垣:聞き書き甲子園を卒業してから、何回も学生スタッフをされていますが、高校生と接するときにどんなことを心掛けていますか?

藤田:とにかく自分から積極的に話しかけることです!もちろん様々な高校生が参加しているので、一方的に話しかけてしまうと嫌がる高校生もいます。そういう子に対しては見守りつつ、すこしずつ話しかけにいって緊張を溶かしてあげるようにしています

石垣:高校生にとってはみんな初対面で緊張しますよね。

藤田:だから私は常に明るく、盛り上げることを意識してサポートをしています。

夏研修で各グループを見回り中の藤田さん。


石垣:18期、20期では学生スタッフの統括をされていたとお聞きしました。

藤田:学生スタッフの統括として、例年だと夏研修の司会進行、またプログラム内容を企画したりしていました。統括は高校生とのグループを持たないので、高校生と密に交流する機会が少なくなってしまうんです。なので、全グループを周りながら、静かなグループがあったら、「今どんな感じ?」と声掛けをすることを心掛けていました。

第18回聞き書き甲子園の夏研修で司会進行を務めた藤田さん。

石垣:高校生へのサポートを続けていてよかったなと思ったことはありましたか?

藤田:最近、参加する高校生が普通科の人たちが多くなっていると聞きました。私みたいに、そういう専門学科の高校の生徒じゃなくても聞き書き甲子園をどこかで見つけて、参加してくれるって言うのは、少しずつ認知度が上がっているのではないかなと思います。(学生スタッフを)続けてよかったと感じますね。

また、学生スタッフをやっていると、その時に受け持った高校生が甲子園に参加した後に、学生スタッフをしてくれることがあるんです。実際に私が高校2年生の時に学生スタッフとして受け持っていたグループの当時高校1年生の子が、「櫻子さんみたいに学生スタッフをやってみたい!」って言ってくれて、高校2年生になって学生スタッフをしていました。私たち学生スタッフがとても楽しそうにしていて、それを見て学生スタッフをやりたいと思ったって言ってくれた時は、とっても嬉しかったし、やりがいを感じる瞬間でした

石垣:聞き書き甲子園で、名人への取材や作品を作ること以外にも人のつながりができるって素敵ですね。

藤田:そうですね。高校2年生のときに一緒に学生スタッフをやった高校生が私を含めて4人いたんですけど、まだ連絡とり合ったり、たまに会ったりしています。まさか聞き書き甲子園に参加して、こんなに大切な友人に出会えると思わなかったです

夏研修後に学生スタッフのみなさんでお疲れ様会もしたそうです。


聞き書き甲子園の参加をきっかけに地域活性化に興味を持ったという藤田さん。参加したきっかけが勘違いからだと聞いて、とても驚きました(笑)。また、聞き書き甲子園に参加する高校生にとって、学生スタッフの存在は大きいものであると感じました。

次回も引き続き、藤田さんのインタビュー記事をお届けします。地域のために行っている活動について、また、私たち(大学3年生)の間でいちばんホットな話題(笑)である就活の話も聞きました!お楽しみに。

ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。