助動詞の過去形に注意! 推量・推定の用法
助動詞の過去形、could, would, might, should の用法について、ミスしがちなポイントを解説します。
今回のフォーカスは、「過去の意味を持たない」助動詞過去形の用法(推量・推定)なので・・・
以下の1) 〜 8) 文中、5) 〜 8) に着目して読んでみてください。
違いを明らかにするために、1) 〜 4) にもざっくりとした説明が加えてあります。
日本語訳は末尾に一応載せてあります。
次の文中の「過去の助動詞」の用法・意味はなんでしょうか?
1) I could go to Kyoto last weekend.
2) My friend told me he would visit me this weekend.
3) I wish I could go with you.
4) Without you, my life might be boring.
5) I could get a full score in the upcoming exam.
6) I would be able to pass the exam.
7) He might be "very" hungry now because he hasn't eaten lunch yet.
8) (It takes only 10 minutes to get to the station).
Since he left here 15 minutes ago, he should be there by now.
少しだけざっくりと、1) から 4) を説明すると・・・
1) は・・・
(I could go to Kyoto last weekend.)
「可能」を表す "can" の 過去形 "could" で、「〜することができた」という「過去」を表現しています。
2) は・・・
(My friend told me he would visit me this weekend.)
「時制の一致」により、助動詞の過去形が用いられているパターンで、(余分ながら説明を加えると)「過去の意味合い」を持っています。
過去に thought/told した時と同じ時制、(this weekend が用いられていますが)、現在から見れば、立ち位置は「過去の時点(would visit)」です。
3) と 4)は・・・
英語学習者泣かせの「仮定法」の用法です。"If 文" を用いず主文単独の、誤解を生みやすい仮定法の用法(前回投稿)です。
これらの助動詞には「過去の意味合い」は無く、「仮定」を表すサインだと考えてください。
蛇足ながら説明すると、
could go/might be のように、過去の助動詞の後に「動詞の原型」が続けば、「現在に関する仮定」ですし、
過去の助動詞後に「have + 過去分詞」なら、「過去に関する仮定」です。
いよいよ本題の例文5) 〜 8) ですが・・・
どの例文の「助動詞の過去形」も、「現在の推定・推量」の用法として用いられています。
各々の助動詞によりもちろん意味は異なる(以下で1文ずつ説明)のですが、全て「過去ではなく、現在の意味合い」を持っていて、全て「推定・推量」のカテゴリー下にあると理解してください。
助動詞現在形の can, will, may(shall は例外)が表す「現在の推定・推量」を「控えめに」述べたい時に、過去形の could, would, might, should を使います。
繰り返しになりますが、 could (「可能」の過去)や would (「単純未来や意思」の過去)、may (「許可」の過去)等の用法とは全く異なっています。「現在の推定・推量」を「控えめに」表現する用法です。
では、1文ずつざっくりと説明を加えます・・・
5) I "could" get a full score in the upcoming exam.
"could" は、「もしかしたらそういう可能性があるかもね」という意味です。
I "can" get a full score in the upcoming exam.
文中の "can" (「可能性」の can)より、"could" は「控えめ」です。
6) I "would" be able to pass the exam.
"would" は、「おそらく〜だろう」という意味です。
学校文法ではあまり強調されない用法なので、記憶から抜け落ちてしまっているかも知れませんが、「推量」の意味を持つ "will" の「控えめ」表現です。
I "will" be able to pass the exam. は、文脈によっては「推量」の意味を持つ場合があり、注意が必要です。
7) He "might" be very hungry now because he hasn't eaten lunch yet.
"might" は、「もしかしたらもしかして、〜かもね」という意味です。
"now" があるので、「現在の推量」が明らかになっていますが。
He "may" be very hungry now …
文中の "may" (推量の may)の「控えめ」表現です。
8) (It takes only 10 minutes to get to the station).
Since he left here 15 minutes ago, he should be there by now.
"should" は、「〜することが期待されているから、当然〜だろう」という意味です。
この用法の "should" も結構忘れがちです。
( )内の「前提文(10分で到着できる)」に示されているように、「類推するに・・・これこれだろう」というニュアンスです。
日本語訳は・・・
1) I could go to Kyoto last weekend.
週末に、私は京都に行くことが「できた」。
2) My friend told me he would visit me this weekend.
友達は、今週末私を訪ねる「つもり」だと言った。
3) I wish I could go with you.
あなたと一緒に行け「たら」いいのに(でも行けない)。
4) Without you, my life might be boring.
あなたがいないと、私の人生は退屈なもの「かも」ね(実際は違うけど)。
5) I "could" get a full score in the upcoming exam.
今度のテストで、「もしかしたら」満点をとれるかも。
6) I "would" be able to pass the exam.
「多分」テストに合格できるよ。
7) He "might" be "very" hungry now because he hasn't eaten lunch yet.
まだランチ食べていないから、もしかしたら、彼はとってもお腹が空いている「かも」ね。
8) (It takes only 10 minutes to get to the station).
Since he left here 15 minutes ago, he "should" be there by now.
(10分もあれば十分に駅に到着できる)
15分前に出発したから、今頃到着している「はず」だ。
Thank you for reading this through. I hope this "could" help you better understand "delicate" nuances of auxiliary verbs (助動詞).
See you in a bit.